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2017年10月 8日 (日)

【くろがね線を読み解く】第251回 ■150mレール輸送新下関着後入換

 2015年3月に開始され、2016年3月に拡大された、鉄鋼メーカーN社Y製鐵所の150mレール輸送。その納品先は2017年4月現在以下の通りである。

事業者名 着駅名 車票記載の荷受人名
JR東日本 岩切駅 仙台保線技術センター
東鷲宮駅 大宮新幹線保線技術センター
越中島貨物駅 東京資材センター
JR東海 西浜松駅 浜松レールセンター
JR西日本 御着駅 姫路新幹線保線区
福山駅 福山新幹線保線区
新下関駅 新山口新幹線保線区
JR九州 各駅間(取り卸し現場) 各工務

これまで各着駅毎に入換の様子を紹介してきたが、今回最後に紹介するのが、新下関駅に隣接する新山口新幹線保線区である。

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2017年3月5日、この日は前日から九州入りしており西八幡のヤードで150mレールを積載した編成の車票に「新下関」の文字が記載されていることを確認していたので、翌朝8090列車の運転に合わせて新下関駅へ向かった。列車は予定通り、新下関止まりのチキ9車を含む18両編成でやってきて、

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中線に止まると、東京寄りの9両が北側の側線(新山口新幹線保線区へと繋がる線路)に押し込まれ切り離されて、残りの9両はそのまま御着へと向かっていった。切り離された9両がこの日保線区へと引き込まれることを期待していたのだが、15時まで待っても全く動きはなかった。

 150mレール輸送の着駅での入換は、2016年夏頃まではどの駅も到着した直後その日のうちに実施されていたのだが、各現場で目撃した知人数人からの情報によると、2016年秋頃から様子が変わり、岩切や福山では到着日に入換を実施しない日も増えている(チキ車を駅構内の授受線に留置したまま翌日入換)らしいとのことであった。この新下関駅についても、2016年3月の輸送開始時は到着後速やかに入換をしていたが、2017年現在は福山と同じ対応になった模様である。新下関行は本数が少ない(2016年度実績で8回のみである)ため、貴重なチャンスを無駄にした。しかし保線区の入換機関車は重連、ぜひとも再訪したい。そんな折、大変有難いことに関東在住のレール輸送ウォッチャーから、新下関行の運行情報が寄せられた。日頃からブログで情報発信をしていて良かったと思える瞬間である。

 2017年6月19日(月)、朝イチで新山口新幹線保線区の見える24時間スーパーの屋上駐車場へ再訪してみると、8:40頃に保線区のスタッフが出てきて、軌道モータカーのエンジンテストを開始した。どうやら入換がありそうで一安心である。この日は新下関駅前のホテルに前泊し、150mレールを積載したチキ9車が側線に留置されていることを確認したうえでの訪問、もうミスは許されない。

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軌道モータカーはなかなかエンジンがかからず苦戦していたが、9:10頃になってようやく準備が整い、9:20頃にゆっくり駅に向かって進んでいった。この機関車ももうリプレイスの時期が迫っているのかもしれない。

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軌道モータカーは、富士重工製のTMC200Cが背中合わせの重連で使用されている。もともと保線用の機関車であるが、当保線区で取り扱うレールはすべて長さ100~200mの長尺レール・ロングレールであり、レール荷役は地上に設けられた門型クレーンで行うため、軌道モータカーが装備するクレーンは使用されない。つまり、貨車を駅から保線区まで入れ換えるための入換動車として使用されているわけである。

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人が歩くほどの速度で新下関駅に向かう重連機関車の横を、キハ40系5両編成が追い越して行った。首都圏色で揃った5連はキハ40マニアには堪えられない被写体と思うが、今回は150mレールの方が優先である。

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9:30を過ぎると、150mレール積載チキ9車を牽引して、ゆっくりと保線区へ戻ってきた。

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150mレールを牽引する重連機関車は他の到着駅でも見られるが、老朽機関車重連が必死にに引っ張る姿は趣がある。

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大量の白煙を吐き出しながら走行。

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ゆっくりと保線区へ向かう。

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門型クレーン直下の側線へ入線。このクレーン直下には、山陽新幹線新下関駅構内から分岐してきた標準軌の線路も引き込まれており、新幹線用の保線車も入ることができる。入換完了後、機関車は貨車を切り離して数メートル奥に移動したあとそのままエンジンを切ってしまったため、おそらくレールを卸した後、空車を新下関駅へ戻す際には貨車を推進して駅へ出てくるものと思われる。

●入換機関車

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新下関駅の新山口新幹線保線区に常駐しているのは、富士重工製TMC200C 2両である。銘板は錆びついており読取は困難を極めたが、1000ミリクラスの望遠に対応したカメラ最大ズームで撮ったところ、以下の通り判明した。

■下関寄りの機関車

  • 記号番号 :  034
  • 型   式 :  TMC200C
  • 製造番号 :  373
  • 製造年月 :  1972年(昭和47年)11月
  • 製 造 所 :  富士重工
  • 自   重 :  12.8t

■神戸寄りの機関車

  • 記号番号 :  043
  • 型   式 :  TMC200C
  • 製造番号 :  627
  • 製造年月 :  1975年(昭和50年)3月
  • 製 造 所 :  富士重工
  • 自   重 :  12.6t

ライトや台枠の色・形状に相違点はあるが、基本的なスタイルは同じである。

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左の下関寄りの機関車には「広島保線区」と記載されているが、右の神戸寄りの機関車には「下関地域鉄道部」と記載されており、出自が異なる。2両とも重連総括制御の機能はなく、各々の機関車に運転士が乗って操作をしている。

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No.034の公式側。本来黄色か山吹色だったはずだが、最近のJR西日本の保線用軌道モータカーと同じ塗装が施されている。以前紹介した、東鷲宮、福山の同型機と比べると、ラジエーターカバーのメッシュ形状が異なるが、製作時期の違いによるものだろうか。

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No.034の非公式側。保線区の北側は公道だが、保線区の方が1メートルほど高い位置にあるためほとんど見えない。しかし、非常用出入口の門扉から辛うじて中を撮ることができる。この場所を発見できたおかげで、No.043の銘板を記録できたのが最大の収穫であった(他に撮れる場所はない)。

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こちらはNo.043の非公式側。銘板は反対側にある。

●謎の保守用編成

 新山口新幹線保線区には、訪問時に謎の編成が留置されていた。Shinshimonoseki41

2軸ボギーの重連機関車に連結された、電源車らしい箱型の車両と、その後ろに連なるバラスト輸送・散布用?の車両群。

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2軸ボギーの機関車は、新潟トランシスTMC601と同じタイプで、JR西日本の新幹線用軌道モータカーとして急速に数を増やしている車種である。保線用途のみならばそれほど興味を惹かないのだが、実はこれとほぼ同型の機関車が、保線用ではなく車両工場の入換動車として使用されているのである。ほかでもない、JR西日本博多総合車両所と、JR北海道函館新幹線総合車両所である。前者は912形ディーゼル機関車の後継機としての導入、後者は新設拠点への新製配置である。

入換動車は、一時期北陸重機工業製の独擅場であったが、ここ数年は新潟トランシス製も台頭している(新芝浦の東芝専用側線、安中の東邦亜鉛DB301、東京総車セ)ほか、堀川工機製(後藤・下関、各総合車両所)、松山重車輌工業製(向日町レールセンター)、日本除雪機製作所製(大宮総車セOM1/2)も増えており、バラエティに富んできた。入換動車を使用する専用線の数は減る一方だが、動車の老朽化も同時に問題になっている。これまでは、余所で廃止になった専用線の入換動車を譲り受けるケースも多かったが、最近では余りモノも老朽機関車ばかりで、セコハンでリプレイスできるケースはだんだん少なくなっている。セコハン機関車に見切りをつけたのか、伯耆大山の王子製紙専用側線向け日通機や、日本製紙岩国工場のように新品を導入するケースも出始めているので、今後どのメーカーの機関車がデファクトスタンダードになるのか、興味深い。

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