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2017年12月10日 (日)

★岡山臨港鉄道保存車★102

 先日三原に行った帰りしな、岡山で途中下車し、岡山臨港鉄道の保存車を見に行ってきました。岡山駅から岡電バスに約40分乗車し、築港元町下車徒歩1分で辿りつけます。元気な人は岡山駅からレンタサイクルでも行けるかもしれませんが(笑)

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 岡山臨港鉄道は、戦前に軍需物資輸送専用鉄道として計画され、早期開業の要請から手続きがより容易な専用側線として着工されましたが、第二次世界大戦の影響で頓挫。戦後になり、沿線に工場のあった汽車会社専用側線として竣工しました。ただし汽車会社の資金だけでは工事は完成せず、沿線に駐留していたGHQ指示の下、国鉄岡山工事部が残りの建設を行ったようです。象徴的なのは開業一番列車で、汽車会社向けの貨物列車ではなくGHQ進駐軍の列車でした。1950年には汽車会社の工場閉鎖により専用側線は列車の運行が無くなり、同年岡山臨港鉄道が設立され地方鉄道として第二の人生を歩むことになります。

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保存車は岡山臨港鉄道102号で、1952年に汽車会社で製作された2軸のディーゼル機関車です。運輸省への車輌設計認可の申請が1953年3月28日、認可が同年8月15日となっているため、法規上の鉄道車両としては1953年製ということになっています。実際には車両として認可される前から無車籍のまま専用側線でスイッチャーとして使用開始していたと思われますが。本機で採用された、DMH17型エンジンとTC-2型トルクコンバーターの組み合わせは、のちに各社から相次いで登場する産業用DL標準の構成を先取りするものです。

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1エンド側から。高いボンネットは、国鉄DD11形ディーゼル機関車にも通じるデザインですね。

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ナンバープレートと製造銘板。銘板には汽車会社、昭和27年製造、製造番號22とあります。

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2エンド側から。

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2軸の動輪はアウトサイドフレームのロッド駆動で、2エンド側のキャブ下にジャック軸があり、ジャック軸の回転で1軸を駆動し、ロッドでもう1軸に動力を伝達する方式です。

 なお一部にはこのディーゼル機関車を「機械式」と称しているサイトがありますが、これは誤りで、れっきとした液体式ディーゼル機関車です。低速・中速の切り替えは自動でしたが、高速への切り替えは手動ですので、この手動切替スイッチを見て機械式と混同しているのではないかと思われます。現物の観察も大切ですが、本を読むのも忘れずに。

  • 【参考】寺田裕一「岡山臨港鉄道(RM LIBRARY197)」、2016年1月1日、株式会社ネコバブリッシング。

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コメント

社長さん、こんばんは~。
大元から延々廃線跡を歩いてこの機関車を見に行ったことがあります。
この頃の汽車会社機はエンジンルームが高くて剣道の面のような厳ついラジエターグリルが印象的で小型機でも大型機のような威圧感がありますね。
加悦SL広場にあるDC351もこのモデルの流れを汲んだ機関車ですが子供の頃見上げるような高いボンネットに巨大な機関車だという印象が脳裏に焼き付いてしまいました。
おかげで今見ると「こんなに小さかったかな?」となってしまい同じ機関車に見えないのですcatface

投稿: 西宮後 | 2017年12月20日 (水) 23:52

西宮後さんこんばんは
お返事遅くなりすみません
仰るように加悦のDC351も似ていますね。海外にはこういうスタイルのエンドキャブのスイッチャーは多いですが、日本でよく見かける大手メーカーの量産機はもう少しボンネットが低くて印象がだいぶ異なりますね。

投稿: 社長 | 2017年12月24日 (日) 18:26

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