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2018年2月

2018年2月17日 (土)

★しなの鉄道坂城駅★石油元売J社の新型スイッチャーDB25-1/DB25-2

 しなの鉄道坂城駅には、石油元売会社J社の油槽所があります。油槽所とは、原油の精製によって得られたガソリン・灯油・軽油・重油などの石油製品を中間貯蔵するための拠点です。日本は原油の全量を輸入に依存していますので、石油精製を担う製油所は、もっぱら海外からのタンカーによる原油受入に便利な沿岸部に設けられています。いっぽう油槽所は主に内陸部に配置され(製油所の存在しない沿岸都市にもありますが)、製油所から石油製品がパイプラインやトラック、鉄道貨車などによってもたらされます。坂城駅では、JRの貨車で運んできた石油類をオンレールで荷卸しできるよう、駅から油槽所へ専用側線が引き込まれています。

2017年3月ダイヤでは、坂城駅のJ社北信油槽所に到着する貨車輸送分の全量が、神奈川県にある根岸駅最寄の同社の根岸製油所から発送されています。列車は定期貨物列車2往復(84/85列車・5774/5775列車)と、臨時貨物列車1往復(8776/8777列車)が設定されています。(入換時刻は後述)

 北信油槽所の専用側線には、2017年9月現在、貨車入換用に2両のスイッチャーが配置されています。これらは法令上の鉄道車両ではありませんが、それぞれDB25-1・DB25-2という記号番号が付与されています。通常は、稼働する方のスイッチャーが上田駅寄りの庫の中に、稼働しない方が屋外の西端の側線の篠ノ井駅寄り(桜の木のあたり)に留置されています。ただし冬期以外は両方とも屋外留置の場合もあります。

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スイッチャーが毎朝庫を出るのは、7:40頃です。

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列車が到着すると、牽引してきたJRの機関車が側線に逃げて、スイッチャーがやってきて貨車に連結し上田寄りに引き上げた後、J社専用側線へ押し込みます。

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貨車が9両以下の場合はこの作業は1回ですが、10両以上の場合は上写真のように編成を切り離して入換を2回に分けて行います。これは、現在常時使用されている積荷の抜き取り口が側線1本あたり9か所(9両分)しかないためです。

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発送前の入換はこの逆手順です。原則として、到着したすべての貨車が次の発送で返却され、南松本駅のように油槽所専用側線内に留まる貨車はありません。

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●入換時刻

■1回目   7:44頃~ 8:15頃 84レ到着後入換

■2回目  10:20頃~10:40頃 85レ発送前入換

■3回目  11:32頃~11:52頃 5774レ到着後入換

■4回目  13:40頃~14:00頃 5775レ発送前入換

■5回目  14:39頃~15:00頃 8776レ到着後入換(冬期のみの臨時)

■6回目  16:45頃~17:05頃 8777レ発送前入換(冬期のみの臨時)

◆留意事項◆

 発送前の入換時刻は、荷役の進捗次第で変動し一定しません。このため上記時刻より20分近く早く始まることもあります。ふつうに考えれば、荷卸しは貨車を9両以下の単位で連結した状態のままで実施できるので貨車の数が増えても荷卸しにかかる時間は変わらないように思えます。しかし実際には、荷卸し前に貨車毎に積まれた品種などを確認する作業を1両ずつ実施し、終わった車両から順次荷卸しを開始する関係で、荷卸し終了までの作業時間は貨車の両数に依存します。また冬期は気温低下により石油製品の温度が融点に近づいて粘度が大きくなるためか、荷卸しにかかる時間も若干長くなります。上記の発送前入換の時刻は貨車の両数が14~18両程度になる冬期基準で記載しておりますので、その他の季節では早まる可能性を考慮した方が良いでしょう。

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入換は原則平日のみで、土日に動きはありません。ただし11月下旬から3月上旬までは土曜日も動くことが多いです。年末は発送元の根岸のJXTG専用側線が12月31日まで動く場合は坂城も31日まで動くことが多いです。年明けはその年の土日の配置にもよりますが遅くとも1月4日には開始することが多いです。お盆はこれも土日の配置次第ですが13~16日はめったに動きません。

また臨時貨物列車は12月~2月が運行のピークで、定期貨物列車と同様に土曜日も運行されます。暖冬の時は2月下旬頃からタンク車の両数が減り始めて、3月上旬頃には臨時貨物列車は運行されなくなります。

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上のように桜の木の近くに留置されているスイッチャーは、その日使用されない方です。

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DB25-2の導入により、当地で2016年に使用されていたJR貨物所有の入換動車303号はお役御免となり、伯耆大山へと移動しています。2017年現在、303号は製紙会社の専用側線の入換ではなく、米子貨物ターミナルから機能移転してきた一般貨物駅の入換に使用されています。

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南東側の陸橋の下から上田寄りに出ると、専用側線を遠望できます。スイッチャーによって上田寄りの引上線に入る貨車の長さは季節によって変わるため(1~9両)、牽引している貨車の両数を見ておかないとスタンバイした場所までやってこないこともあり注意が必要です。

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石油製品発送元の根岸製油所は、JXTG社にとっては中長期的には廃止対象とされており、東日本大震災で内陸部への鉄道による石油輸送の重要性が再認識された後にも明確にこの計画を取りやめる発表はなされていません。油槽所は存続しても鉄道輸送が廃止されるというシナリオも無いわけではありませんので、今後の動向にも注目していきたいですね。

●25t液体式ディーゼル機関車 DB25-1、DB25-2

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DB25-1は2016年10月に、DB25-2は2017年4月に北陸重機工業で製作された産業用液体式ディーゼル機関車です。DB25-1は泡緑色、DB25-2は水色に塗装されており識別が可能ですが、将来的に色が変わった場合見分けが困難なほど瓜二つです。弊ブログをご覧の方はお気づきかと思いますが、この2両のスイッチャーは下関駅で入換に使用されているJR貨物DB500形ディーゼル機関車と同型です。ステップや手すりの形状・色など細部は異なりますが、車体形状や扉・窓の大きさと配置など基本形態は同じです。DB500形は、エンジンからの排気を安全に屋外に排出するために火粉除去装置を内蔵している防爆仕様の機関車ですので、ここJ社北信油槽所での使用にも全く問題はありません。

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機関車の銘板を確認すると、以下の通りでした。

  • 名 称 : 25TON液体式ディーゼル機関車
  • 型 式 : HDCB-25LP
  • 自 重 : 26.9t
  • 製造者 : 北陸重機工業
  • 製造年 : 2016年10月(DB25-1)/2017年4月(DB25-2)
  • 製造番号: 3537-L01(DB25-1)/3594-L01(DB25-2)

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DB500形との分かり易い相違点は、端梁にステップが無いことです。DB500の配置された下関駅も、この坂城駅も、入換時の誘導者と運転士の交信は無線によりますが、下関は、従来DE10形での牽引入換時に誘導者がDE10の先頭車端部に乗っていたので、DB500形に置き換えられた後も従前の方法を踏襲できるよう端梁にステップを設けたものと思われます。いっぽう坂城では、誘導者はスイッチャーには乗らず地上から指示しますので、ステップも不要というわけです。

●2両の役割

 DB25-2の導入前は、スイッチャーに正副の役割分担があり、メインで使用される方とめったに動かない予備の関係がありました。しかし現在の新しいスイッチャーになって以降はローテーション制に変わっていて、2017年11月現在では、月の前半と後半で交替して交互使用になっています(入換作業終了後に確認済)。交替時は入換中に一時的に2両連結して重連風になることもあります(もちろん休日の日数は月毎に異なりますので、毎月15日と31日に必ず交替するかというと、そういうわけでもないようですが)。参考までにですが、2017年11月現在、月の前半がDB25-1、後半がDB25-2でした。

●今後の同型機の増備について

 JR貨物では、比較的規模の大きい貨物駅の入換はHD300形ハイブリッド機関車に担わせ、非電化区間の本線及び入換兼務運用はDD200形ディーゼル機関車に、小規模駅は架線を延ばして本線用EL入換にするか、廃止してORS(オフレールステーション)化するのが基本方針です。したがって、DB500形は今後それほど多くは増備されず、本記事で紹介している専用側線向けの同型機の方が漸増していくというシナリオが現実的ですね。参考までに、2017年現在、JR貨物所有の入換動車が配置されている貨物駅を以下に記します(私有機は除く)。

  • 竜王駅
  • 伯耆大山駅
  • 下関駅
  • 西大分駅
  • 延岡駅

DB500形の導入された下関駅以外は、どの駅も架線が荷役線のすぐ傍まで迫っており、線路配線の一部変更や舗装、架線の延長など小規模の改良によりEL入換化もそれほど難しくはなさそうです。現状では、竜王・伯耆大山・西大分・延岡のいずれも、荷役作業の都合で貨車の移動をEL不在中に実施しなければならないため、まだ動車による入換が残っているに過ぎません。特に竜王と伯耆大山は荷役線の入口まで架線が達していますし、竜王に関しては列車到着後の入換は既にELで実施しています。貨物駅が残っても入換動車の廃止は今後もあり得るでしょう。

●坂城駅前の169系静態保存車

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 坂城駅には、しなの鉄道で活躍していた169系電車3両編成が静態保存されています。手前に車止めで終端している側線がありますが、この線路が車両搬入に使用されました。ただし車両入換は終電後の深夜帯にしなの鉄道が保有する軌道モータカーによって行われており、スイッチャーは使用されていません。

S169

国鉄急行形電車は、直流用・交直両用など系列によらず、新製時の形態の違いから以下のグループに大別することができます。

  • 非冷房車
  • 試作冷房車
  • 冷房準備工事車
  • 新製冷房車

国鉄電車マニアであれば、屋上機器の配置で、上記のどれなのかを瞬時に識別することができるはずです。たとえば上のクハ169形を見てみましょう。169系量産車は、昭和44年製造の最終増備車のみが新製冷房車、その他が冷房準備工事車の冷房改造車です。この2者の簡単な見分け方は、デッキ(客用乗降扉の部分)の屋根上のベンチレーター有無で、無しが前者、有りが後者です。上写真を見るとベンチレーターはありませんので、クハ169-25~27と絞り込むことができます。実際に保存されているのはクハ169-27ですね。車番を見ればわかるという方もいらっしゃると思いますが、鉄道の保存車両の車番やナンバープレートというのは別物に差し替えられていることがたまにあるので、形から入るというのは非常に大切なのです。ちなみに、クモハ169形の運転台寄りデッキ上の箱型ベンチレーターは、2個あるうちの片方が主電動機冷却風取入口である(室内換気用ではない)ため、新製冷房車でも装備しています。

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2018年2月12日 (月)

■東邦号■2018年1月定期修理終了後の列車

 2018年2月の3連休は、土日祝日にもかかわらず安中行き貨物列車の長編成が見られました。通常日曜日は、編成後部の無蓋車(トキ25000形)は連結されないことが多いのですが、今回は3日間とも5~6両連結されていました。

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 非鉄金属メーカーT社小名浜精錬所では、2018年1月10日から31日まで定期修理が予定されていました。修理期間中は小名浜精錬所での亜鉛焼鉱の生産が停止するため、亜鉛焼鉱輸送用のタンク車(タキ1200形)が編成から外れ、無蓋車のみの編成になっていました。

修理日程は通常、作業遅延の可能性も織り込み済みで予備日を含めて計画されますので、実際に最終日ギリギリまで生産が止まっていることはあまりなく、通常は定期修理終了日のおよそ1週間前には開始します(→過去記事を参照のこと)。今回も、定期修理終了日は31日の予定でしたが、その6日前の1月25日には亜鉛焼鉱輸送用タンク車の連結を再開していますので、予定通りと言えるでしょう。(実際の修理期間は1月10日~29日でした)  今後3月末までは小名浜・安中両精錬所とも修理予定は入っていませんので、しばらくは安定した輸送が見られそうです。

なお修理日程は公開されている情報ですので、内部情報でもなんでもありません(笑) あしからず。

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2018年2月 6日 (火)

◆JR西日本◆113系+クモヤ配給

 2018年1月4日、DD200の甲種輸送列車を待っていたら、電車の配給列車に遭遇しました。

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京都総合運転所(元 向日町運転所)の113系7700番台4両編成と、その最後尾にクモヤ145-1201が連結されていました。113系は、湖西線向けに新製投入されたシートピッチ改善車の耐寒耐雪構造版である2700番台です。JRになってからブレーキ改造により最高速度110km/h化され、車番に5000を足した番号に改番されています。

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クモヤ145は、101系電車の台車と主電動機を流用して車体および主制御器・主抵抗器を新製した事業用車です。この200番台は、交流電化区間内で交直両用電車の先頭に連結して制御車として利用できるよう、パンタグラフ非搭載側(1-2位側)の運転台屋根上に交流検電アンテナを装備しているのが特徴で、たった1両のみのレアな存在です。JRになってから、主電動機のMT46A→MT54化により車番に1000を足した番号に改番されています。


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JR東日本では、電車の配給は機関車や貨車の配給と同様に電気機関車やディーゼル機関車で牽引する方式が主流となっており、クモヤによる配給はなかなか見られなくなっています。久々に良いものが見られました。

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