« ■ちょっと前の函館界隈■なつかしの車両群(2011) | トップページ | ★貨物鉄道博物館のスイッチャー★2016年の小移動 »

2019年11月30日 (土)

◆ベルギー国鉄◆Antwerpen-Luchtbal駅での列車観察(2019)

 2019年のゴールデンウィークにドイツ・ルクセンブルク・フランス・ベルギー・オランダ各国を巡った際に泊まったホテルの最寄駅Antwerpen-Luchtbalでみかけた列車を紹介します。

E186ic

ベルギー北部の港町アントワープにあるアントワープ・ルフトバル駅は、ベルギー・オランダ間の高速新線建設に伴い在来線も合わせて移設する形で2006年に現在地に移転・開設されました。フランスやドイツ国内の高速新線とは異なり、ベルギーからオランダへ直通する高速鉄道専用の列車(ThalysやEurostar)は本数が非常に少ないため、この区間の高速新線は高速列車だけでなく最高速度160km/hの客車列車IC(インターシティ=都市間急行列車)も走行することを前提としています。ブリュッセル(南駅)ーアムステルダム(中央駅)間で運行されているICは、たとえばブレダ駅のような在来線の途中駅に停車するため、高速新線を一旦降りて在来線の駅で客扱いを行い、スイッチバックしてまた高速新線に戻ってくる運用があります。このため、客車の両端に電気機関車を連結したプッシュ・プル方式になっています(現地ではベネルクストレインと呼ばれています)。ベルギー・オランダ間の高速新線はフランス方式の交流25kV 50Hzで電化されていますが、オランダの在来線は直流1.5kV、さらにベルギーの在来線は直流3kVのため、在来線の駅に乗り入れる都合で電気機関車は少なくとも3つの電源方式に対応している必要があります。写真のE186形はドイツの交流15kV 16 2/3Hzも含めた4電源に対応しています。塗装は、客車と同じくオランダ国鉄標準の黄色と青色ですが、機関車リース会社Akiem社の私有機です。

Thalys

次にやってきたのは、タリスPBKA、フランス・パリ北駅からベルギー・ブリュッセル中央駅を経由し、オランダ・アムステルダム中央駅またはドイツ・ケルン中央駅へ直通する高速列車です。この駅を走行するのはすべてアムステルダム発着便です。写真の丸っこいタイプのほか、ドイツを除く3電源のみに対応したTGVレゾ ソックリのPBAもこの駅を通ります。

E186railpool

三本ある複線のうち一番東側の複線は貨物線で、旅客ホームはありますが列車が止まることはほとんどありません。こちらは先程と同じ186形ですが貨物輸送・リース会社であるRAILPOOL社所属の私有機です。荷はコンテナ、特に化学品を積んだタンクコンテナが多いですね。この列車の行先であるアントワープ港(Antwerpen-Haven)駅の先に続く臨港線の沿線には、BASF社をはじめとする化学会社の生産拠点やストックポイント(専用線発着およびトラック持込みによる)が多いので、そのためでしょう。

E186sncbcargo

今度は反対側からも。186形のSNCB Cargo(ベルギー国鉄貨物部門)所有機、ベルギー国鉄での形式は29形です。貨物用の186形はすべて、最高速度は140km/hで落成しています。冒頭の旅客用は最高速度160km/hでベルギーでは28形を名乗っています。

Cpc

貨車をすべてチェックしましたが、全車両がフランス・パリに本社を置く貨車・タンクコンテナリース会社のERMEWA社の私有貨車でした。積荷はくろがね線の防水フード付き貨車でお馴染みの冷延コイル(亜鉛メッキ鋼板を含む)の可能性が高く、一度に運んでいる量や単一性から、特定需要家向けの特定製品・品目限定の直行輸送列車(いわゆるブロックトレイン)と思われます。アントワープ港には製鉄所は無いためおそらく荷卸しした空車で、またこの列車が南に向かっていることから、製鉄所のあるGENT(ヘント)かフランスのダンケルクあたりに戻る返空列車ではないかと想像します。亜鉛メッキ鋼板は自動車のボディにも使用されるので、納品先は自動車工場ですかね。どうでしょう。

Infrabelu08275

貨物線を走ってきた、保線車。車体側面にUICコードの標記があるため、車籍のある鉄道車両扱いの可能性が高いですね。ヨーロッパでは結構日中にも保線車が本線を走ってくることがあります。マルティプル・タイタンパ U08-275。

Eurostaricetype

自分の乗る列車の直前にやってきた、ロンドン発アムステルダム行きユーロスター。ユーロスターとは言ってもドイツのICE3ベースの車両です。オランダ国鉄は、ベルギー・フランス側の高速新線が開業する前から、ドイツ直通のICEを運行しており、ICE3とほぼ同型の編成も所有していましたので、オランダ国内を走行する際にはこちらのスタイルの方がしっくりきますね。

【注意】
 当記事掲載の写真は、特記の無い限りすべて公道(もしくは社会通念上立入りの許される区域)から撮影したものです。無断で私有地・社有地等へ立ち入ることは絶対におやめください。

【著作権の表示】
 当ブログの著作権者は、特記の無い限り、私 「社長」です。当ブログのすべての文章・写真・図面および図表は、日本国の法律(著作権法)と国際条約によって保護されています。改変したものも含めて、著作権者に無断で複製・配布することは出来ません。

|

« ■ちょっと前の函館界隈■なつかしの車両群(2011) | トップページ | ★貨物鉄道博物館のスイッチャー★2016年の小移動 »

欧州紀行」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ■ちょっと前の函館界隈■なつかしの車両群(2011) | トップページ | ★貨物鉄道博物館のスイッチャー★2016年の小移動 »