カテゴリー「 G.新潟鉄工/新潟トランシスの機関車」の7件の記事

2013年9月 6日 (金)

★JR東日本★東京総合車両センターの新型重連スイッチャー

 2013年8月24日は東京総合車両センターの公開日でした。2年前に訪問した際は、当センターで検査中の車両を入れ換えるために使用されている入換動車 を撮影することができました。今回は、緑の山手線の臨時運行以外にあまり真新しい企画がなかったのですが、何か動きがあるかもしれないと思い再訪しました。

Niigata20t01

するとどうでしょう。入換動車が新型に置き換わっているではないですか! 新型は旧型同様に2軸機2両で重連を組んでいます。近くにいた工場の詳しい方に伺ったところ、新潟トランシス製で2012年にリプレイスしたとのことです。2両は性能的に同一で、ナンバーの区別はなく、あえて識別したい場合には屋根の色で判断するとのことです。たしかに片方が水色、もう片方が桃色で見分けがつきますね。

Niigata20t02_2

車体表記から自重は20t。牽引力については、1両だと制限があって使い勝手が悪いが重連ならば10両程度の編成は問題なく入換可能とのことです。なぜ新潟トランシス製のこのタイプなのか、その背景は…

Niigata20t06tmc400btakasaki

2007年頃から、JR東日本が首都圏を中心に導入し始めた同社製軌道モーターカーTMC400Bと同型を入換動車に採用することで、調達や保守の共通化が図れるからでしょうね。上のは高崎の保線区に留置されていたTMC400Bですが、ライトの個数や形状、連結器の形状、キャブ後ろにバッテリーを搭載している以外は、これといって大きな形態上の相違点は見当たりません。自重はどちらも同じ20tです。手摺とボンネット上面の相対的な位置関係を比較すると、東京総合車両センターのスイッチャーの方がボンネット高さが若干高いかもしれません。

Niigata20t03

旧型の入換動車は双頭連結器を装備していましたが、現在当センターで検査をする車両はすべて密着連結器の車両ですので、新型は密連のみの仕様です。よく見ると、向かって左手にボタンの付いたコントロールボックスがあると思いますが、これで連結器の解放や高さの上下移動が可能です。工場入場中の車両は空気バネがパンクしていますので、連結器の高さが通常(レール面上880mm)よりも低くなります。連結器が上下に移動可能なのはそのためとのこと。疑問に思ったことは遠慮なく聞いてみるものですね。

Niigata20t04

 ところで…鉄道雑誌やネット上で重連のスイッチャーが紹介されている場合、「本来は大型機1両を導入したいはずだが小型機2両で運用している」みたいなことが書かれていることがありますが、私は、「本来は大型機1両を導入したいはず」という前提そのものが間違っていると思いますね。機械やシステムの設計に携わったことのある方であれば「冗長化」というキーワードですんなり理解できることです。

大型機1両は、小型機2両よりも牽引力・制動力に優れているかもしれません。では、その機関車が検査や故障で使用できなくなった場合、どうなるでしょうか。想像してみてください。東京総合車両センターのように大きな事業所で、検査対象の車両数も多く、検査スケジュールもタイトに詰まっている状況で、入換動車が一時的に使用できなくなったことを理由に、スケジュールを延ばしたりすることが許されるでしょうか? 否。

このように小型機2両であれば、何らかの理由で片方が使用できなくなっても、牽引力は劣りますが残った方で入換を行うことは可能です。たとえば、本来は重連で10両編成を1回で入れ換えるところを、5両ずつ2回に分けて入れ換えたって良いわけです。入換手順は複雑になりますが、いわゆるBCP的な観点で見れば、小型機2両にすることで問題の芽を事前に摘むことができるわけです。もちろん、特注の大型機1両より、量産されている規格型の小型機2両の方が、コスト的なメリットもありそうですが…。

Niigata20t05

 最後に。緑の山手線が運行されるのは2013年一杯、このスイッチャーが見られるのは年一回。つまり、この組み合わせは一回限りというわけです。

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2012年9月 8日 (土)

★安中T社専用側線★新型スイッチャーDB301によるタキ入換

 本日2012年9月8日、いよいよ非鉄金属メーカーT社 安中精錬所の焙焼炉に火入れが行われます。焙焼炉とは、亜鉛精鉱から酸化亜鉛を生成するために必要な釜のことです。T社は福島県の小名浜精錬所にも大型の炉を保有しており、亜鉛精鉱の多くは小名浜で酸化亜鉛(亜鉛焼鉱)となり、タキ車で安中へ輸送されていますが、一部は亜鉛精鉱のままトキ車で安中に輸送され、安中の炉で処理されています。

 2012年7月12日から9月5日までの間、T社は安中精錬所の操業を停止していました。これは、2012年4月1日より東京電力の企業向け電気料金が値上げされたためです。焙焼の後工程となる硫酸亜鉛の電気分解には、生成亜鉛1トン当たり換算で3000kWhともいわれる大電力が必要ですが、割高な電気料金を払いながら操業を続ければ、収益に悪影響を及ぼすのは必至です。このため、夏期限定で操業を停止するに至ったわけです。

 亜鉛焼鉱・亜鉛精鉱を輸送する小名浜(宮下)発安中行きの貨物列車(通称:安中貨物)は、9月6日に運転を再開していますが、安中駅到着後の入換は、日没時刻の関係で夏至の前後の時季にしか撮影できないため、今回は操業停止直前の2012年6月17日に撮影した入換の様子を紹介します。

Db30101
■亜鉛精鉱荷役設備兼動車庫を出るDB301  17:08

 この日は日曜日のため、亜鉛精鉱輸送用の無蓋車(トキ25000形)の入換はありません。このため、入換用スイッチャーDB301は亜鉛精鉱荷役用の建屋に格納されていました。17時を過ぎると、入換の準備のために外へ出てきます。

Db30102

DB301は、以前の記事 で紹介したとおり、2010年新潟トランシス製の30t機です。とある産業機械専門の商社の方に伺ったところ、新潟トランシスの銘板を付けてはいるものの、実際に製作したのは別メーカーとのことです。たしかにキャブやボンネット(ラジエーター)の形状は、ある保線車両メーカーのそれと酷似しています。その方には、同じく新潟トランシスの銘板をつけている新芝浦の重電メーカーT社のスイッチャーの写真も見せていただきましたが、こちらも実際には別メーカーが製作しています。

Db30103

17:40発横川行き149Mをやり過ごします。高崎からこの列車に乗って安中へ来れば、入換には間に合います。

107系電車もそろそろ置き換えの時期が近づいていますね。日光線用の0番台については、抑速ブレーキ・トイレ取付改造を施された205系によって置き換えられることが既に決まっています。(本件、半年以上前にとある関係者から聞いていましたが、正式発表されていたかどうかはうろ覚えです…)

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■安中駅に到着する5781列車と、それを迎えるDB301      17:36

17時半を過ぎると、EF510-509牽引の安中行き貨物列車が到着します。

2012年現在、安中駅の入換は、スイッチャーの運転から推進運転時の誘導、分岐器の切替に至るまで、ジェイアール貨物・北関東ロジスティクスが全面的に担当しており、T社の関連会社である安中運輸は関与していません。DB301の車体表記が、先代DD352のように「安中運輸」ではなくT社になっているのも、安中運輸が貨車入換作業から撤退し、スイッチャーの所有者が切り替えられたためです。

このスイッチャーDB301は、交友社『鉄道ファン』誌の連載にも紹介されていますが、車体表記がDD352と同じ安中運輸ではなく、T社になっている理由については、まったく言及されていませんね。まぁ、取材していないのでしょう。

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■EF510-509カシオペア色とDB301のツーショット             17:39

カシオペア塗装の機関車との並び。

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JRの機関車が機回ししている間に、スイッチャーがタキ車を受け取りに行きます。

Db30107

さて、このスイッチャー最大の問題は、上の写真の通り、運転士の座席が車体の中央に配置されていることです。ふつう入換用機関車は、運転台がキャブ中央に横向きに配置され、座席が車体側部寄りに前位側を左手に見て着席するように設けられるのが定石です。ところがこのスイッチャーの配置では、キャブのど真ん中に着席した運転士はボンネットが邪魔になり連結部を見ることが出来ません。

実は、このスイッチャーが導入された当初、運転士や入換担当の方に感想を伺ったことがありますが、前方視認性についてあまり良い評判は聞きませんでした。注文時に「前が見にくくなるから、座席を真ん中にはしないでください」なんてわざわざ言わないですよね、ふつう。ジェイアール貨物・北関東ロジスティクスの方も、機関車メーカーが製作した(プロ中のプロが設計した筈の)車両が、まさかこんなものに仕上がってくるとは、予想もしなかったでしょうね。

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2両ずつ切り離すのは、日車25t機の入換 と同じです。

Db30109
■タキ1200形2両を切り離し、専用側線へと引き込む     17:42

タキ1200形で揃った編成も、2012年9月の運転再開後は珍しくなくなりましたが、この写真を撮影した6月時点では稀でした。

Db30110_2

2両をヤマへ推進し、

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■押し込んだタキを奥で荷役中に単機で駅へ戻るDB301 17:53

荷役中に単機で駅へと戻ってきます。

Db30112
■3~4両目のタキを再び押し込む               17:57

また2両押し上げ、単機で戻り。これを合計3回繰り返すと、

Db30113
■荷役設備から駅への引き出しは6両まとめて行う       18;27

荷役終了したタキ車6両をまとめて駅へと引き出します。

Db30114

タキ車を貨車留置線へ押し込むDB301。微妙ですがS字カーブになっています。

Db30115

空車の推進はスピード感溢れ手際よく進みます。

Db30116

すべて押し込むと、

Db30117

単機で引き上げ、

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■残り6両のうちの2両を荷役設備へ推進するDB301      18:34

再び2両ずつヤマへ。

Db30118
■2両荷役中に単機で次の2両を引き取りにくるルーチン   18:42

駅ホームから流し撮り。

Db30119

また2両を引き出します。おっと、この日の最後尾2両はタキ15600形でした。

【参考】

  • 日刊産業新聞 2012年4月6日版
  • 上毛新聞 2012年9月7日版
  • 増子昇、高橋正雄「電解百話」、『ソーダと塩素』、2007年

●2012年9月29日追記

 2012年9月6日に運行再開しておよそ一ヶ月が経過しました。ここで、運行状況を振り返ってみようと思います。SNSでお世話になっている「スーパーゆうづる2号」さんの記録データを参照させていただきます。

日付 曜日 牽引機 タキ車 トキ車
2012/9/1 運休
2012/9/2 運休
2012/9/3 運休
2012/9/4 運休
2012/9/5 運休
2012/9/6 EF510-513   12両 6両
2012/9/7 EF510-515    9両
2012/9/8 EF510-502   12両
2012/9/9 EF510-510   12両
2012/9/10 EF510-513   14両 #2
2012/9/11 EF510-515   12両 6両
2012/9/12 EF510-502   12両 1両
2012/9/13 EF510-501   12両
2012/9/14 EF510-503   12両
2012/9/15 EF510-509   12両
2012/9/16 EF510-511   12両
2012/9/17 EF510-513   14両 #2
2012/9/18 EF510-512   12両 1両
2012/9/19 EF510-514   12両 5両
2012/9/20 EF510-510   12両 5両
2012/9/21 EF510-513   12両 #2
2012/9/22 EF510-512   12両
2012/9/23 EF510-514   12両
2012/9/24 EF510-501   12両 #1 5両
2012/9/25 EF510-504   12両 6両
2012/9/26 EF510-509   12両 #2 5両
2012/9/27 EF510-505   12両
2012/9/28 EF510-501   12両 #2
2012/9/29 EF510-504   12両

※タキ車は、特記のない限りタキ1200形です。ピンク色に着色した日は、所定でトキ車が連結されない休日です。

 #1  … タキ15600形×1両を含む

 #2  … タキ15600形×2両を含む

こうやって観察してみると、運行再開からトキ車がまともに連結されるようになるまでには、さらに10日以上を要していることが分かります。焙焼炉に火入れをしても、すぐには本格操業に至っていない様子が見て取れます。

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2011年3月 8日 (火)

★浮島町★石油メーカーT社専用線のスイッチャー DD501/DB-1

 臨海鉄道の各駅に連絡する専用線のスイッチャーは、撮影が極めて困難です。臨海鉄道⇔専用線間の貨車の授受は、臨海鉄道の機関車がそのまま担当することが多く、専用線のスイッチャーが敷地外に出てくることはあまり多くはありません。2011年2月現在、神奈川臨海鉄道浮島線にはメーカー4社の専用線が連絡しており、各社構内では専用のスイッチャーが使用されています。今回紹介するのはその一つ、浮島町駅の石油メーカーT社専用線のスイッチャーです。

 とある日曜日、11時頃に川崎貨物駅を訪れてみると、ちょうど機関庫の扉が開き、DD601+DD5517の重連が外に出てくるところに遭遇しました。重連の入換はあまり見たことがありません。何かを予感させます。

Dd5517_dd601

しばらく待ってみたものの動きがないので遠くに移動していると、不意に背後で汽笛が…!? 振り向いてみると、見慣れない機関車が機関庫から出庫し、この重連に連結され、3重連で塩浜機関区内を1往復していました。試運転が終わると、見慣れないその機関車は再び機関庫へ戻っていきました。近くにいて撮影できなかったのが悔やまれます。

 正午を過ぎて40分ほど待っていると、

Dd602_dd501_db1_out

DD602が機関庫内のスイッチャー2両を引き出しました。3両それぞれのキャブに運転士が乗り込んでいます。先頭から2両目が午前中に試運転を行っていた見慣れない機関車、DD501です。最後尾の車両DB-1も珍しいですね。

Dd602_dd501_db1

13時を過ぎると、スイッチャーに乗っていた運転士を先頭のDD602に乗せて、列車は出発しました。尾灯が片側しか点灯していないところを見ると、入換扱いでの運転のようです。

Db1_dd501_dd602

浮島町のスイッチャーは、車籍のある他の神奈川臨海鉄道の機関車同様、塩浜機関区で検査を受けています。この日実施されたのは、検査を終えたスイッチャー2両の油槽所への返却回送というわけです。2両とも1エンド側を後ろに向けて連結されていますので、後追いの方が絵になりますね。

●4軸スイッチャー DD501

Dd501_1e

Dd501_2e

 DD501は、神奈川臨海鉄道の4軸スイッチャーです。1977年(昭和52年)新潟鉄工所製の50t機で、同型機にはJR根岸線根岸駅に接続する石油メーカーS社専用線のD504や、秩父鉄道影森駅から分岐する構外側線の終点、セメントメーカーT社の鉱業所で使用されているD502などがあります。このDD501も、元は根岸の専用線に新製配置された機関車で、新製当時はD503でした。油槽所向けのセミ防爆形で、エンジンはDMF31SCです。

●2軸スイッチャー DB-1

Db1_1e

Db1_2e

 DB-1は、DD501と同じ場所で活躍している2軸スイッチャーです。1980年(昭和55年)日立製作所製の28t機です。オーダーメイド機であり、同型機はありません。この車両は、床下に排気処理用の水槽らしき四角い容器があることから、防爆仕様の可能性が高いと思います。床下にスペースがないためか、燃料タンクは床下ではなく後位側に張付いているのが特徴です。新製配置は扇町の石油メーカーM社専用線で、廃止後に現在の場所へ移動しています。情報交換させていただいている奥野君の専用線日記の報告と比較してみると、端梁部についていた自動開放シリンダーが取り外されていたり、床下の巻き込み防止柵が撤去されているなど相違点はありますが、同じスイッチャーであることが見て取れます。銘板の写真も撮影していますが、製造番号等についてはRMニュースをご確認ください。 (4月に再度撮影したこちらの記事も参照)

 今回は撮影できませんでしたが、これら2両のほかにDB-2やDB-3というスイッチャーもあるようです。DB-2はDB-1と共にT社専用線の入換に従事し、DB-3は末広町の電機メーカーT社専用線で主に使用されているようです。DD501とDB-1を塩浜機関区で検査しているあいだ、油層所内で入換作業をどのようにこなしていたのか気になっていましたが、どうやら末広町のDB-3を予備機として借り受けて使用していたようです。そして2011年2月24日には、役目を終えたスイッチャーが浮島町から末広町へと返却回送されています。次回のDB-2、DB-3の回送は、土休日に行われることを期待しましょう。

【参考】

  • 『新潟鉄工の機関車生産実績』 名取紀之
  • 『鉄道番外録』1~11、ないねん出版

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2011年2月 4日 (金)

■えちぜん鉄道■機関車ラッセルML521+522 排雪列車の活躍

 今年の冬は、日本海側を中心にいつにも増して大雪のようです。2010年の大晦日から元旦にかけて山陰を襲った豪雪は全国的に報道されましたが、1月末に今度は福井が大雪に見舞われました。

 私が冬の福井を訪れたのは、2002年12月、もう9年も前のことになります。プロジェクトの関係で三国港へ出張の予定が入り、直前に福井に大雪の予報が出たものの営業的な目的ではないため日程が前後にずらせず、仕方なく米原回りで現地入りしたのでした(小松空港の除雪が追いつかないため、飛行機は当然欠航)。

当時は京福電気鉄道が衝突事故を起こした直後で運行を休止しており、三国へはレンタカーで行きました。地元ではこのまま廃止になるだろうともっぱらの噂で、寂しい気持ちで現地を後にしたのを覚えています。その後、この鉄道は第三セクター「えちぜん鉄道」として見事復活を遂げています。

Ml521522
■えちぜん鉄道の電気機関車 ML521(左)とML522(右)  2012年4月、永平寺口

 えちぜん鉄道は、2011年現在も除雪用に電気機関車を2両保有しています。戦後に福井震災で焼失した機関車の補充用、ダム建設資材運搬用に増備されたといわれています。

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■ML521の勝山側。「521」のフォントは縦細タイプ。   2012年4月

2両とも、1949年日立製作所製の25t機です。京福時代は「テキ521、522」を名乗っていましたが、えちぜん鉄道では Motor Locomotive を表す記号を冠して「ML521、522」となっています。しかし車体表記は変わっていません。

同型機には、日本セメント上磯工場専用鉄道7号機日産化学王子工場の入換機No1住友金属鉱山別子鉱業所のED101~104などがありましたが、いずれも現存しません(別子銅山のものはナローゲージで台車は異なる)。同じ日立製の戦後の凸型機で現存するものには十和田観光電鉄ED301がありますが、同型機というにはあまりにも寸法が違いますので別物と考えたほうが良いでしょう。

  • 形   式 : ML521
  • 記号番号 : 521、522
  • 全   長 : 9,694mm
  • 幅     : 2,171mm
  • 高   さ : 3,915mm
  • 自   重 : 25.8t(521)、25.9t(522)
  • 主電動機 : 60kw × 4個
  • 引張力  : 4,090kg
  • 制御装置 : 電磁空気単位スイッチ式
  • 制動装置 : AMM
  • 製造年  : 1949年(昭和24年)
  • 製造所  : 日立製作所

Ml522e
■ML522の福井側。「522」のフォントは「521」とは異なり極太タイプ。 2012年4月

ML521と522は常時ペアを組んで運用されており、ネット上では時折「永久連結」なる表現を見かけることがあります。しかし、何も特別な仕掛けがあるわけではなく、両者は単純に自動連結器とBP管・ジャンパケーブル(電源・ATS用)で繋がっているだけですし、それぞれが独立した機関車で、総括制御もできません。したがって運行する際は両方の機関車に運転士が乗務しています。この事実から考えれば、永久連結というより「固定編成」と表現した方が妥当ではないのでしょうか。えちぜん鉄道として再出発した際にATSが整備されましたが、どちらの機関車も2箇所ある運転台のうち片側(ラッセルヘッドの付いている方)にしか装備していませんので、本線走行するには固定編成を組む必要があると思います。

なお上の写真をご覧いただくと、ラッセルヘッドの上に回転式のレバーが二つついているのがお分かりいただけると思いますが、これはヘッドの高さを調節するためのハンドルです。調節する際は、それぞれのハンドルに人が張りついての共同作業となります。したがって、仮に総括制御ができるように改造されたとしても、実際に運行する際は常に2人乗務が必要になります。だから改造する必要がないのかもしれませんね(笑)。

●機関車ラッセル、三国芦原線を走行(2011年1月29日)

 2011年1月29日、えちぜん鉄道の排雪列車が三国芦原線を走行しました。概要はRMニュースに投稿させていただきましたのでそちらをご覧ください。

 排雪列車の時刻は一定しませんが、三国芦原線も勝山永平寺線も30分ヘッドのパターンダイヤで運行されていますから、その合間をぬって走ろうとすれば自ずと排雪列車のスジもパターンになります。

Mlx2_coming

 福井口で観察していると、この日は10時半過ぎに入出庫線から2番ホーム(3番線)へ出場してきました。

Mlx2_insta

情報収集してみると、どうやら普段はあまり走らない三国方面へ向かうとのこと。早速三国港行の電車に乗って芦原を目指すことにしました。とは言うものの、油断は禁物。排雪列車が常に終点まで行くとは限りません。同線の信号設備を思い出してみると、たしか西長田駅は1番2番線双方に福井向きに出発信号機があったはず。つまり折り返しができるということです。したがって、空振りしないためには西長田より手前(福井寄り)で待っていた方が良さそうです。

Mlx2_running_mikuni

西春江で下車し、徒歩5分で撮影場所に着きスタンバイしていると、10分もしないうちにやってきました。最初に視界に入ってきた頃はノロノロ運転でしたが、雪原の中に私の姿を見つけるや否や、急に加速して盛大に雪を巻き上げながら走り始めました。

Ml521_running

福井の雪は水分を多く含んでおり粘性が大きいので、跳ね除けた雪は塊になって飛んでいきます。粉雪の場合はまた違った飛び方をしますね。

Mlx2_stopping

私の横の踏切を通り過ぎると、急に減速してノロノロと西春江へ向かっていきました。特別この区間の積雪量が多かったというわけではないと思うのですが。サービスだったのでしょうか。

Mlx2_w_mc6100

後続の列車で西長田に行ってみると、機関車ラッセルは福井方のヘッドライトを点灯させて停車していました。つまり、この駅で折り返して福井方面へ戻るということです。芦原まで行かなくて大正解でした。早速徒歩5分の場所で待機して同じように撮ろうとしていると、列車がやってくる数分前から猛吹雪となり、

Mlx2_mikunisnowing

返しはほとんどホワイトアウトに近い形になってしまいましたsweat02

後続の列車で福井口へ戻ると、機関車ラッセルは入出庫線に待機していると思いきや、見当たりません。どうやらそのまま福井へ向かったようです。都合が良いので、福井駅構内の除雪を行っている時間を利用して、勝山永平寺線へ先回りすることにします。

●機関車ラッセル、勝山永平寺線を走行(2011年1月29日)

 同線には俯瞰ポイントもあるのですが、上の写真のように離れたところから撮ると天候の変化に対応できないので、猛吹雪になっても撮れる場所を選びました。

Mlx2_kaihotsu_coming

越前開発駅近くで待っていると、14時半過ぎにやってきました。福井市内でもこれだけ雪が積もっていると「らしい」シーンが撮れるのですね。速度は遅いですが力強さを感じます。

Mlx2_kaihotsu_running

同列車の後追い。福井口-越前開発間は写真のとおり複線区間になっています。私は最近まで、えちぜん鉄道に複線区間があることを知りませんでした(苦笑)。

 さて、勝山永平寺線の排雪列車で興味深いのは、その運行パターンです。旅客列車は、福井口-勝山間をおよそ60分かけて走りますが、排雪列車は90分以上かけて走行します。旅客は30分ヘッドですから、必然的に途中駅で後続列車に抜かれるわけです。ということで、後続列車に乗ってみると、山王駅で追い越すことができました。次の越前竹原で下車し、徒歩5分の場所で待っていると、10分もしないうちにやってきました。

Mlx2_takehara_coming

九頭竜川の上流は、市内とは比較にならないほどの積雪量。機関車も足元が完全に隠れてしまっています。

Mlx2_takehara_running

 後追いは山をバックに。

 通常であれば、勝山で30分ほど停車してすぐ折り返してくるのですが、この日はなかなかやってきません。日没も近づき16時半頃まで粘りましたが発車する気配がないので、おとなしく福井市内へ戻りホテルへチェックインしました。

シャワーを浴びて一息ついた頃、また新たな情報が入ってきました。上り排雪列車が運転されているとのこと。バルブでも撮れないかなと思い、ホテル前に常駐しているタクシーに飛び乗り、福井口駅へと向かいました。こういうとき大型ホテルに泊まっているとタクシーを呼ぶ時間が省けて便利ですね。

Mlx2_fukuiguchi_coming

30分ほど待つと、やってきました。勝山から来るので4番線(3番ホーム)への入線です。ヘッドライトの光が吹雪に反射して心霊写真のようになってしまいました(笑)。後続の旅客列車もしばらくないので止まっているのかと思いましたが、すぐに入換が始まってしまいました。一旦福井方へ引き上げると、

Mlx2_fukuiguchi_out

3番線に入線しました。2番ホーム脇で一旦停止しましたが、バルブを撮る間もなくすぐに発車してしまいましたので、後追いを流し撮りで。1日の除雪作業、おつかれさまでした。

 この後、福井名物の秋吉の焼鳥に舌鼓を打った後、サッカーアジアカップの決勝戦に大興奮、有意義な一日となりました。

【参考】

  • 大幡 哲海「私鉄電気機関車の現勢」『鉄道ピクトリアル』電気車研究会、1984年7月。

●排雪列車の運行有無を読み解く

 排雪列車はスジを調べることよりも運行有無を調べる方が難しいと思いますが、「案ずるより生むが易し」、空振りしないことにエネルギーを割くより、行動あるのみだと私は思います。上記運行日の前日(1月28日)に発表されていた福井(嶺北)の29日の天気予報を、参考までに記しておきます。

  • 天  気   : 雪
  • 気  温   : 最高3℃、最低-1℃
  • 注意報警報 : 大雪注意報

福井新聞などのこれまでの報道によると、えちぜん鉄道の機関車ラッセルは積雪20センチ以上が予測されるときに出動するとのことですから、注意報レベルでも走るときは走りますね。また今回の大雪で福井嶺北に大雪警報が出たのは、2011年1月30日23:21ですが、その数時間前の段階で既にJR北陸本線は不通になっていました。JRの特急列車や国道8号線の自動車が立ち往生しているニュースをご覧になった方も多いと思います。したがって、大雪警報が出てから行動開始しても、手遅れになる可能性が高いと思います。また仮に何らかの手段で現地へ辿りつけたとしても、警報レベルの大雪の場合は、区間運休して下のロータリー車が活躍することになりますので、いずれにしろ機関車ラッセルは撮れないかもしれません。

Mcr4_no2
■ロータリー車MCR4 NO2 1981年9月新潟鉄工所製(製番4124)
 同型機のNO1は永平寺口に常駐している。   2011年1月9日、勝山

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2011年1月24日 (月)

★安中のスイッチャー★新型機DB301の暫定運用

 昨年末、長野県の某所のスイッチャーが交代するという話を聞きつけ、年明け早々ブログ読者のタムタキさん、RUIDOさんをお誘いして某駅まで撮影に出向きました。今回紹介するスイッチャーは、その長野帰りに棚ボタでゲットした情報を元に撮影したものです。

Db301_1e_new

安中の非鉄金属メーカーT社の4軸スイッチャーが老朽化のため置き換えられるという情報は、相当前から出ていましたが、年明けの段階では動いているという報告はまだありませんでした。一寸安中へ偵察に行きたいなとは思っていたのですが、1月中旬の連休は大雪に期待して北陸方面へ旅に出ていたため、叶わずにいました。2011年1月22日土曜日、ようやく訪問することができました。

Db301_2e_new

 導入された新型スイッチャーは、凸型セミセンターキャブの2軸機で、2010年新潟トランシス製の30t機です。記号番号はDB301。301という番号だけで自重を決めつけるのは早計ですが、JR貨物の関連会社のとある方に確認したところ30t機とのことでしたので、間違いは無いと思います。

軸重15tは専用線向けの機関車としてはかなり大きいと思いますが、この仕様が意外かというとそうでもありません。私鉄の機関車研究で有名な故・杉田肇氏の解説によると、一般に機関車の牽引力を増すには軸重を大きく取るのが定石で、必ずしも大出力エンジンを搭載したり動輪を多軸化する必要はありません。その証拠に、日本では電気機関車といえばF型(6軸)が一般的ですが、欧州各国では自重100tクラスの機関車でもD型(4軸)が主流です。スイッチャーに関しても同じで、軸重を大きく取れるのであれば何も4軸である必要はないのです。

Db251_toki_empx2

 安中のトキの入換は11時前後に行われることが多いため、10:40頃到着する電車に乗っていきました。上は下車直後の様子です。日車の25t機が荷役済トキ2両の隣の線路に留置され、

Db301_w_toki_x1

荷役前のトキ1両がDB301に連結された状態で建屋の前に留置されていました。

この専用線の場内入換時刻は一定しません。前夜に到着したトキの両数によって荷役の進捗にばらつきが出ることもあります。この日の前日21日に到着したトキは、フル編成より1両少ない5両でした。

Toki_pushedby_ant

案の定、10:45頃には入換が始まりました。普段より早めです。機関車が2両とも外に出ているのに、トキが自走しながら外に出てきます。なんのことはない、後ろからアントで押しているだけなのですが(笑)。

Db301_w_toki_x3

アントで押し出された荷役済トキ2両を連結したDB301は、横川側に引き上げたあと、

Db301_w_toki_x5

朝一で引き出された荷役済トキ2両に3両を連結しました。一番機関車寄りの1両はまだ荷卸し前ですから、

Db301_w_toki

その1両だけは入換で建屋に押し込まれます。

Db301_2eo Db_toshiba_tmc400b
                                  ※許可を得て撮影

再び横川側に引き上げたDB301。やっと2エンド側を見ることが出来ました。

ちなみに右が新芝浦の電機メーカーT社K事業所専用線で入換に使用されているスイッチャーです。同じ新潟トランシス製ですが、こうして同じ2エンド側から比較してみると興味深いですね。もちろん、左は凸型セミセンターキャブ、右はL型エンドキャブですから同型機ではありませんが、キャブの窓や手すりの意匠が共通ですね。

Db301_and_toki_x4

身軽になったDB301は、奥から2番目の線路に入線していきます。停止すると、運転士は日車25tに乗り換え、

Db251_and_toki_x4_2

今度は日車25tが動き出しました。横川側へ引き上げると、

Db251_w_toki_x4

荷役の終わったトキに連結されました。これにてスイッチャーによる入換は終了です。

Toki_w_ant

正午前後だったでしょうか、DB301によって建屋に押し込まれたトキ1両の荷役が終わり、アントが外へ押し出してきました。11時前の入換ではアントは建屋の中でしたが、今度は外まで出てきました。

Db25_and_db301_and_toki

午後になるとこんな様子です。DB301は、まだJRの線路へ入線する許可が下りていないため、今後数日間はトキの場内入換専用になるとのことです。もっとも本来の目的は従来の35t機の置換えです。いずれは駅授受入換に従事し、日車25tは再び場内入換専用になる(アントの運用に就く)とのお話でした。

Db25_w_takix2_pulled2

 JRの貨物列車到着後の入換は日車25t機が担当。従来の35t機は、タキを3両ずつ2回に分けて工場へ押し込んで荷卸しし、6両まとめて駅に戻す運用でしたが、25t機は2両ずつ3回に分けて工場へ押し込みます。駅への戻りは同じく6両です。この入換は17:40以降に行われるため、日没時刻の遅い夏至前後でないと撮影は難しいと思います。

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2011年1月 3日 (月)

★祝★135000アクセス突破!! 【伏木ヤードまつり】スイッチャーたちの競演

 昨年の忘れられない想い出といえば、まずこれを挙げるでしょう。2010年9月5日(土)、氷見線伏木貨物駅の跡地で開催された、「伏木ヤードまつり」です。各地から数々の珍しいスイッチャーや保存車両が集められ、マニアには堪らない1日となりました。

Keki102_os

このイベントの目玉は、何といっても元・茨城交通のケキ102形ディーゼル機関車です。JR貨物北陸ロジスティクスによりメンテナンスが施されたケキは、綺麗な姿で駅構内をデモ走行しました。

Keki102_uos

更に、元・北陸鉄道のホッパー貨車ホム1形を連結し、元・近鉄の27tモーターカーとのプッシュプルで行ったり来たり…。前代未聞の光景です。

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今回は、ロッド駆動のスイッチャーが動くだけでなく、ロータリー車の実演があると聞いていたため、動画撮影を中心に楽しみました。ですので写真はあまりありません。それにしても、フルハイビジョンはやはり綺麗ですね。

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ロータリー車の実演風景。何往復かした後、今度は線路上でジャッキアップして方向転換してくれました。無論、その光景は写真ではなく動画で記録しました。

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近鉄モーターカー以外にも、能町駅構内に留置されていた協三工業製20tスイッチャー2台、各種路面電車の保存車も展示され、あっという間の1日でした。

 会場では、日頃情報交換でお世話になっている「奥野君の専用線日記」の奥野さん西宮後さんRUIDOさんほか、多くの知人に会うことができました(前日に電化青海で初めてお会いした方も来ていましたね~)。そして昼食をとりながらのオフラインでの情報交換。ネットには流せないあれやこれやの怪しげ情報も惜しげもなくやり取り。存分に楽しませていただきました。お会いできた方々には、心から感謝しております。

本年もどうぞよろしくお願いします。

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2010年1月21日 (木)

◆専用線入門◆撮影場所を選ぶ

 JRや民鉄各社の貨物列車は、JR貨物時刻表などで運行時刻が公表されているのに対し、いつ動くのか分からない専用線の貨物列車は、ややとっつきにくい(興味の対象になりにくい?)存在です。また専用線での撮影は、長閑な田園地帯でJRの列車を撮影するのとは要領が異なることも多く、荷主側への配慮が欠かせません。「専用線を読み解く」では、専用線訪問の勘所をまとめてみることにしました。

 さてここで、一つ前置きを。これから展開する話題は、私が日本全国の専用線をあちこち見て回った経験をまとめたものです。特定の専用線に限定した話題ではなく、まずはできるだけ普遍的な話から入ります。既にこのディープな?世界にどっぷり浸かっている方には、ちょっと物足りない内容かもしれませんが、少し辛抱してお付き合いいただければと思います。

●オザミ工場専用線

 特定荷主の入換手順や荷役方法に言及するのは、色々と問題がありそうですので、架空の荷主「オザミ工場」を使って説明します。オザミ工場は、原料をパイプラインやベルトコンベアで外部から調達し、工場で製品を生産しています。そして製品の発送は鉄道貨車で行っており、下図のように工場から最寄のJR駅に接続する専用線を保有しています(…と仮定します)。 下図は、今後も説明に随時使用していきます。

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■オザミ工場専用線概略図。目的に応じて撮影場所を選ぶ。

●撮影場所

 専用線のスイッチャーがJR線の閉塞区間を自力走行することはありませんので、通常撮影できるのは上図で示した青矢印の場所に限られます。

  1. 接続する貨物駅の周辺
  2. 専用線の沿線
  3. 工場の出入口
  4. 工場の周辺

1.接続する貨物駅の周辺

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■専用線や駅周辺が社有地に囲まれている場合は、駅撮りしか選択肢が無いことも。
 (左:高崎線 岡部、右:鹿児島本線 黒崎)

これは最も手軽な場所です。駅に近いのでアクセスも容易ですから、限られた時間で多くの専用線を回る際は最適です。駅ヤード(授受線)が旅客駅構内にある場合は、ホームや跨線橋から駅撮りできることもあります。また、周辺がすべて社有地になっているような駅では、このような場所で撮影するほかありません。停車時間を利用して、車両の形式写真を撮るのには向いています。ただし撮影アングルは限定されます。車両研究派にお勧めです。

2.専用線の沿線

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■内陸部の専用線では、沿線が開けているところもある。 (左:栃木県小山市犬塚、右:山口県美祢市大嶺町)

編成の写真を撮るのに適しています。工業地帯では障害物が多く撮影場所を探すのに苦労することもありますが、編成全体を風景も絡めて撮るのに向いています。専用線が長い場合は、季節や時刻による日差しの向きなども考慮して場所を選ぶことができますので、列車撮影派にはこちらがお勧めです。

3.工場の出入口

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■社有地出入口付近でしか撮影できないことも。残念ながら初心者向きではない。
 (左:神奈川県川崎市扇町、右:静岡県富士市今井)

スイッチャーが工場に出入りするところを捕らえようという場所です。が、難易度は高く熟練者向きです。荷主側に配慮し、無断で工場内にカメラを向けるのは慎んだ方が良いでしょう。撮影する際は、事前に口頭で許可を得るなど、社会人としての常識的なコミュニケーションが求められます。万が一問題を起こした場合、最悪、警察沙汰に発展する可能性を否定できませんので、未成年にはお勧めしません。色々と難しい面はありますが、魅力もあります。上図のようなオザミ工場の規模になると、スイッチャーは予備機も含めて3~4台は配置されているのが普通です。後で述べるように、この場所に来なければ撮影できない車両が出てくることもあるので、専用線訪問に慣れてきた方はチャレンジしてみるのもアリかと思います。

4.工場の周辺

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■プラント間を公道が横切っていたり、荷役場所が外から見えることもある。
 (左:福岡県大牟田市浅牟田町、右:長野県松本市市場)

このような場所は、工場の規模や構造によっては無い場合も多いです。もし見つかったら、無理の無い範囲でチャレンジするのもまた一興です。注意点は3と同じです。

 以上のように、場所選びに関しては撮りたい写真に応じて色々選択肢が考えられますので、自分が何を撮りたいのかを明確にしておくと行動計画も立てやすいかと思います。

 さて、次回は「いつ動くのか」、稼働時刻を取り上げます。

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