カテゴリー「▼くろがね線を読み解く」の248件の記事

2017年6月29日 (木)

【くろがね線を読み解く】第248回 ■小倉地区D301新塗装

 2020年に予定されている、Y製鉄所小倉地区の高炉・転炉休止に向け、機関車にも色々と変化が訪れているようである。 2017年に入り、従来のクリーム色と紫のツートンカラー(住友金属物流標準塗装)から、Y製鉄所標準塗装に変更された機関車が登場した。

Kokurad30101

釣り人と共に眺めていると、以前紹介した日立製作所製のディーゼル機関車D301がビレット積載長物車2両を牽引・推進して入換している様子を見ることができた。

Kokurad30102

オレンジ・クリーム色・青・黄色の4色は、弊ブログでたびたび登場しているY製鉄所戸畑地区・八幡地区で活躍する機関車の標準塗装である。両地区を結ぶくろがね線の電気機関車も、同じ塗装である。

Kokurad30103

以前の写真と比較すると、塗装変更だけでなく台枠への手摺の増設も行われており、戸畑・八幡両地区の仕様に極力合わせている様子が見て取れる。できれば、オレンジとクリーム色の境界をもう少し下にして、ボンネット上部のラインと合わせてもらえると、よりらしくなるのだが……。センスの問題かもしれない。

Kokurad301d108

夕方に別の場所から眺めてみると、仕事を終えたD301新塗装のほか、日立製作所製2軸ロッド駆動機のD108も新塗装になっているのが確認できた。今後の活躍が楽しみである。

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2017年6月25日 (日)

【くろがね線を読み解く】第247回 ■第一操車場の貨車前後連結入換

 2017年のゴールデンウィーク中に戸畑第一操車場を訪れると、久々に面白い入換シーンを見ることができた。

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奥の工場からやってきた機関車が、くろがね線から到着した貨車を前後に連結し、言わば機関車が中間に挟まれた編成のまま奥へと去っていった。このような入換自体は平日を中心によく行われていて、過去に何度か見たことがある。土日はこういった入換はまずなく、進行方向に関わらず機関車が編成の先頭または最後尾に連結されるパターンがほとんどである。

このような入換方法は、むかしは専用線でも時々見られたが、最近では少なくなっている。

F35tbbf2013

日豊本線南延岡駅に連絡する化学メーカーA社専用側線では、入換手順の都合により、スイッチャーの前後に貨車を配した編成が見られる場合がある。

F35tbbf201304

この入換が行われるのに平日か土日かはあまり関係なく、もちろん時刻も決まっているわけではない。あくまでも荷役の進捗に合わせて最適な手順が選択された結果であり、事情は製鉄所の入換と変わらない。(いずれも2013年4月6日撮影) もちろん、この状態で駅に出てくることはなく、専用側線内でのみ見られるシーンである。

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2017年6月20日 (火)

【くろがね線を読み解く】第246回 ■N社入換代替機D430

Tobatad430

 以前訪問した際、若竹号ことD443の車体に表記された次回全般検査が2019年5月になっていたので、重要部検査は2017年5月だろうと気になっていたのだが、今回訪問してみると、D443検査中の予備機としてD430という機関車が貸し出されていた。製造番号は読み取れなかったが、ナンバープレートのD430の文字の下には、「形式 45DD-12」の記載があった。(正確には、12の「1」の陽刻が削られて?「45DD- 2」になっていたが)

謎なのは、45DD-12形はD436~D447の12両しか導入されていない筈で、D430を名乗る機関車は本来45DD-10形の筈である。しかし上記のD430は、45DD-10形よりも全長が長く45DD-12形そのものであるように見える。ルーツの気になる機関車である。

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2017年5月17日 (水)

【くろがね線を読み解く】第245回 ■静岡貨物行50mレール輸送列車9870レ

 2017年5月14日日曜日、黒崎駅を発車した170列車はチキ車21両編成で、その内訳は、御着行150mレール28本積載9両+静岡貨物行50mレール28本積載3両+西浜松行150mレール28本積載9両であった。鉄道ピクトリアル2016年6月号の拙稿にて言及したとおり、静岡貨物行の列車は、西浜松で牽引機がDE10形ディーゼル機関車に交換され、8090列車と同じ時刻に9870列車として運行される。

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■広島更新色のDE10 1165が牽引する9870レ  2017年5月15日、西浜松-静岡貨物

これは、静岡貨物駅構内で50mレールを荷卸しする静岡保線区が東海道新幹線の北側にあり、南側にある静岡貨物から保線区へ向かう際に非電化の地下連絡線を経由しなければならないためである。静岡貨物は以前紹介したようにE&S荷役対応駅で入換用ディーゼル機関車の配置はない。このため、非電化区間で入換を行うには、西浜松で牽引機を愛知機関区所属のDE10形に交換し、本線牽引させて静岡貨物到着後に入換もやらせるしかないのである(軌道モータカーはATSを装備していないから静岡貨物構内までチキ車を受け取りに来ることはできないし、そもそも地下連絡線の勾配での牽引力不足の問題もある)。

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■2017年5月14日に黒崎を発った170レの静岡貨物行車票。

西浜松→静岡貨物間で運行される9870列車は、まだ50mレール輸送列車しか運行されていなかった2014年以前から存在する(→こちらの記事を参照)が、年に数本しか運行されない珍しい列車である。2015年度は4回(黒崎発2015/6/14、2015/8/2、2015/10/4、2016/3/6)、2016年度は3回(黒崎発2016/4/10、2016/6/26、2016/10/23)しか運行実績が無い。

【参考】

  • 「続 産業用機関車を追い求めて 2」、鉄道ピクトリアル2016年6月号、電気車研究会。
  • 「続 産業用機関車を追い求めて 3」、鉄道ピクトリアル2017年6月号、電気車研究会。

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2017年5月16日 (火)

【くろがね線を読み解く】第244回■N社の新型機関車

 2016年より、N社で北陸重機工業製の新型機関車D4501が運行を開始した。外観は、Y製鉄所小倉地区向けの45トン機D-507にも似たセンターキャブ型ながら、ラジエーター通気口がボンネット側面ではなく妻面に設けられており、同型とは言い難い。

D4501

今後このスタイルの機関車が増えるのか、はたまた1両のみの存在になるのか、興味は尽きない。

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2017年3月13日 (月)

【くろがね線を読み解く】第243回 ■レール臨貨8159列車

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■8159レとして単機で黒崎到着後、西八幡から150mレール積載チキ車を牽引してきたED76 1019 2017年3月4日

 2015年3月のダイヤ改正で登場した、レール輸送臨時貨物列車8159列車。北九州貨物ターミナルから黒崎まで、150mレール輸送に使用された空車の貨車を返却する列車である。黒崎からは、コンテナ貨物列車150列車を牽引して北九州タへ戻る。

いっぽう、この列車は上写真の通り、レール発送前入換にも使用されている。北九州貨物ターミナルから黒崎にやってきた機関車(貨車を伴う場合は8159列車、単機の場合は151列車として回送)は、黒崎から西八幡へ向かい、150mレールを積んだチキ車を牽引して黒崎へと戻ってくる。150mレールが発送されるのはこの入換の翌日なので、黒崎でチキ車を切り離すと、所定通りコンテナ貨物列車150列車を牽引して北九州タへ戻っていく。

150mレールを積んだ貨車の西八幡から黒崎への出場入換は、チキ車が9両編成の場合、発送日の朝の171列車→170列車の間に実施される(牽引機はEH500形所定)。しかしチキ車が18両編成の場合は、発送前日夕方の8159列車→150列車の間にまず9両引き出され、発送当日朝の171列車→170列車の間で残りの9両が引き出される。したがって、上写真の入換は、チキ車が18両以上の編成で発送される日の前日にしか見ることはできない。

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■8159レ黒崎到着後入換で西八幡へ150mレール返空チキ車を牽引してきたEF81 304 2015年8月28日

 8159列車は、EF81形やED76形が充当されることもあるため、注目の列車である。

※2016年3月改正ダイヤまでは、EH500形所定でEF81形やED76形による代走も時折見られたが、2017年3月改正ダイヤでED76形所定に変更されているので、要注意。

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2017年3月10日 (金)

【くろがね線を読み解く】第242回 ■E8502牽引の常態化

201703_e8502_d705
■戸畑第一操車場を発車するくろがね線の列車。
 牽引機は85ED-1形電気機関車E8502、
 後方の緩急車は70DD-3形ディーゼル機関車D705. 
2017年3月、北九州市。

 2017年3月上旬、およそ半年ぶりに戸畑・八幡を訪れた。くろがね線の貨車牽引に使用される電気機関車は、もう長いことE8502に固定されている。以前の記事で紹介したE8501は、折角塗色変更されたにもかかわらず、ここ数か月間ほとんど使用されていないようだ。今後、E8502が全般検査に入る際は、ディーゼル機関車によるプッシュ・プル運転が見られると思われるが、E8501の去就にも注目である。

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2016年10月10日 (月)

【くろがね線を読み解く】第241回■150mレール輸送列車 東鷲宮行き

 鷲宮保守基地は、JR東北本線東鷲宮駅に隣接する東北新幹線用の保線基地である。東北新幹線で使用されるレールは、鷲宮保守基地内にある大宮新幹線保線技術センターまで在来線経由で貨車で運ばれてくるが、前回の記事で述べたとおり、2016年度より、レールの発送元がJR東日本東京レールセンター(越中島貨物駅)からY製鐵所(黒崎駅)へと切り替えられた。

鷲宮保守基地は、東北新幹線開業30周年を迎えた2012年より、毎年鉄道の日に合わせて10月に一般公開を行っている。例年は10月中旬に開催されることが多かったが、2016年はY製鐵所からの150m長尺レールの到着が10月上旬に控えているためか、10月1日(土)と早めに開催された。大宮新幹線保線技術センターのレール取り卸し設備は、敷地外からは綺麗に見えないため、観察するには一般公開が絶好の機会となる。

Higashiwashinomiya03

 早速訪れてみると、今年1月に観察した時と比較して、門型クレーン6基がすべて新しいものに交換されていることに気付いた。職員に訊いてみると、Y製鐵所からの150mレール搬入に備えて従来のクレーン(新旧各3基)をすべてリプレイスしたとのこと。もちろん最新型なので、一人で6基を同時に制御(同期制御)もできるし、個別制御も可能とのこと。自慢の新型クレーンは、奥の高架線を走る東北本線上り線の車内からも、よく見える。

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在来線(軌間1,067mm)の線路を走行する貨車入換用の軌道モータカーも、従来のTMC200C(一番右端)に、新たな仲間が2両が加わった。一番左は新潟トランシス製TMC400Bで、2008年頃よりJR東日本の保線基地に大増殖しているタイプである。真ん中の東北新幹線E5系のような塗装の機種は、富士重工製TMC400Aで、TMC400Bが登場する前に主にJR東日本管内の各地の保線基地にいたタイプである。いずれも、後位側にクレーンなどの装備はなく、入換動車のようなスタイルである。

Higashiwashinomiya06

前回の記事で詳細をお伝えできなかったTMC200C。車体表記によると、諸元は以下の通りであった。

  • 型  式 : TMC200C
  • 製造年月: 1976年(昭和51年)2月
  • 製造所 : 富士重工
  • 製造番号: 695
  • 管理番号: 51  02-6078
                08-16

水平線では荷重160tを45km/hで、10‰では110tを20km/hで、25‰では60tを15km/hで牽引可能である。

 このように、大宮新幹線保線技術センターは、レールを積んだチキ車を入れ換えるための軌道モータカーと、レールを取り卸すためのクレーンを更新し、150mレール受入態勢を整えていた。

●黒崎発東鷲宮行き150m長尺レール輸送列車、ようやく運転

 2016年10月3日月曜日、黒崎駅を10:45に170列車として発車したのは、JR東北本線東鷲宮行きの150mレール輸送列車であった。北九州貨物ターミナルからは8090列車として山陽本線・東海道本線を東進し、10月4日に相模貨物駅着。翌日10月5日水曜日に8075列車に継送され(実質的には列車番号と牽引する機関車が変わるだけだが)、レールを積んだチキ車9両編成は、相模貨物駅から東鷲宮駅まで予定通り運転された。この日は午前中に所用があり、午後から東北本線沿線に向かったのだが、人身事故の影響で京浜東北線・東北本線共に遅れており、予定していた与野周辺での撮影は叶わなかった。

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仕方なく、大宮操の見えるさいたま新都心駅のホームで待っていると、東北貨物線の一番奥の下り線に8075レが姿を現した。

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線路や架線柱がいっぱいであまり綺麗ではないが、一目で大宮操と分かる絵図となった。ここでおよそ1時間停車するので、その時間を利用して東鷲宮へ……ではなく一駅手前の久喜へ先回りする。久喜で下車するのは、駅前のレンタサイクルを借りて移動手段を確保するためである。東鷲宮の入換は、ELがチキ車を押し込んでから軌道モータカーが引き取りに来るまでの時間がかなりタイトなので、徒歩移動では両方撮れない可能性があるのだ。

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8075レの本線走行を久喜-東鷲宮間で撮影し、すぐに追いかける。

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すると、東鷲宮駅の下り副本線で停車中の8075レに追いつくことができた。入換の準備中で、無線で交信しているようだ。

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少し時間があったので編成最後尾にも移動してみた。

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ほどなくチキ車の先頭に操車掛が乗り込み、EL推進で上り本線をアンダークロスしていく。進路表示器が「E」と「2」を現示している。□で囲まれた方がfrom、そうでない方がtoを表しており、2番線から授受線への入換進路が構成されていることを示している。

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ELによる推進入換。運転士が窓から顔を出して進行方向を確認しているのが分かる。

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すぐに自転車で地下道をアンダーパスして反対側の神社に廻り込むと、重連で待機する軌道モータカーを見ることができた。2016年5月までは、東鷲宮工臨の受け取りは、大宮新幹線保線技術センター所属の軌道モータカーTMC200Cが1両で実施していたが、150mレールチキ9両編成は、東鉄工業所属のTMC400B(左)とTMC400A(右)の重連で実施するようである。ちなみにこの撮影場所の神社の名前は「八幡神社」という。つくづく「八幡」に縁があるらしい。

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重連でチキ9車を引き取る。

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重連同士は単純にBPのホースのみ接続されており、貨車を含め貫通ブレーキの制御は可能だが、重連機関車のみでの単独ブレーキやエンジンの総括制御はできない。このため、両方の機関車に運転士が乗務していた。

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重連でゆっくりとクレーンのある方へ向かっていく。

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その速度は、くろがね線の最も低速な区間とほぼ同じ、人が歩くほどの速度であった。

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冒頭で紹介した新型クレーンの下に入り込んで停車したチキ車。はるばる九州からの長旅が終わった。この日は荷卸し作業は行わず、ほとんどのスタッフは車で帰ってしまった。残ったスタッフが外に出てきたので聞き込みを行ったところ、荷卸しは到着翌日、空車の発送はその翌日とのことで、実車到着から空車発送までの行程は、以前報告した岩切の仙台レールセンターとほぼ同じスケジュールであることが分かった。次の運転がいつになるのか分からないが、貴重な東鷲宮行き一番列車を記録することができたのは幸運であった。

●おまけ

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 今年の鷲宮保守基地公開では、新幹線用軌道モータカーの牽引するトロッコに乗り、保守基地から連絡線を通って東北新幹線との合流部分まで行くことができた。なかなか面白いアトラクションである。車両基地公開イベントで軌道モータカーに乗れる企画はよくあるが、トロッコに乗って新幹線を見に行けるというのは何とも夢のあるハナシ。

Higashiwashinomiya33

高架線の連絡線をゆっくり走りながら、前方に東北新幹線の軌道が見えた時には感動した。しかもちゃんとE2系下りやまびこ号が通過するまで折り返すのを待ってくれるという、サービス精神旺盛ぶり。日本全国に保守基地は数あれど、ここまでユーザーフレンドリーな企画も珍しいのではないだろうか。

Higashiwashinomiya31

トロッコ牽引に使用されたのは、軌間1,435mmの新幹線用の軌道モータカーで、車体表記によると諸元は以下の通りである。

  • 記号番号 : MO-108
  • 型  式  : TMC501F
  • 製造年月 : 2005年(平成17年)2月
  • 製造所  : 新潟トランシス
  • 製造番号 : 161
  • ユニオン建設機械番号:U0501-108

水平線では荷重450tを40km/hで、10‰では250tを14km/hで、25‰では200tを5km/hで牽引可能と、かなりの力持ちだ。さすがは新幹線用。また単行での最高速度は70km/hとのことで、イカロス出版「トクターイエロー&East-i 新幹線事業用車両徹底ガイド」に収録されている富田松雄氏執筆の特集記事によると、確認車代用としても使用可能とのこと(確認車とは、深夜の保守作業が終わった後、始発の新幹線が走行する前に、本線上を70~100km/hで高速走行して安全を確認するための専用の軌道モータカーである)。新幹線用の保線用車や軌道モータカーは謎が多いだけに、スペックや用途が明らかになるのは喜ばしいことだ。

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2016年10月 4日 (火)

【くろがね線を読み解く】第240回■JR東日本大宮新幹線保線技術センター(東鷲宮工臨)

 JR東日本の東北新幹線の保線基地の一つである鷲宮保守基地の敷地内に、在来線経由で運んできた新幹線用のレールを取り卸すための拠点「大宮新幹線保線技術センター」がある。2015年度までは、レールは越中島貨物駅から臨時工事列車によりセンター隣接の東鷲宮駅まで輸送されていた(通称:東鷲宮工臨)。搬入されたレールは、新幹線の標準軌の線路を走行可能な保守用車に載せ替えられ、列車の運行されない夜間に鷲宮信号場(東北新幹線から鷲宮保守基地への線路が分岐する箇所)から新幹線の本線へと出て、敷設する現場へと運ばれていた。

ところが2016年度に入ると、Y製鐵所製の150mレールの納入先がJR東日本にも拡大され、レール輸送列車の着駅の一つとして東鷲宮が設定された。この動きに呼応するように、2016年5月10日の発送を最後に東鷲宮工臨の運転はピタリと止まっている。しかし、2016年9月現在、150mレール輸送列車の東鷲宮行きはまだ一度も運転されていない。そこで今回は、運転前に東鷲宮の入換作業に関する予備知識をまとめるため、2015年度に運行された東鷲宮工臨と到着後の入換を紹介する。

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■越中島貨物発東鷲宮行きレール工臨。この日はEF81 95がロンチキ5両を牽引した。   2016年1月某日、久喜

東鷲宮工臨は、主に新幹線用の75m長尺レールを、ロングレール輸送用チキ5500形5両編成に積載して輸送するのが特徴である(もちろんチキ6000形などによる定尺レール輸送の時もある)。レールは、大宮新幹線保線技術センター内にある門型クレーンで取り卸すため、敷設現場で取り卸す際に必要となる編成両端のエプロン車は不要で、かつレールの長さを考慮し中間車数両をも切り離した独特の編成となる。JR西日本やJR九州のように、長尺レール輸送専用のチキ編成を保有しないJR東日本ならではの組成といえる。

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東鷲宮工臨は、駅の南側に設けられた副本線に到着する。その後、ELが入換扱いでチキ車を推進しながら上り本線をアンダークロスして、鷲宮保守基地の授受線まで押し込んでいく。

Higashiwashi03

こちらが、授受線に押し込まれたチキ車5両編成。この場所から先は鷲宮保守基地の管理下となり、鷲宮保守基地に常駐している軌道モータカーがクレーン直下まで入換を行う。

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鷲宮保守基地で在来線のチキ車の入換を担当するのは、大宮新幹線保線技術センター所属の軌道モータカーで、富士重工製のTMC200Cであった。余所のレールセンターや保線基地を見る限り、150mレールを積んだチキ車9両編成をTMC200Cが単独1両で牽引することはできないため、150mレール受け入れにあたり新型へのリプレイスが想定される。

Higashiwashi05tmc200c

バラストホッパーの下を潜り抜けて門型クレーンのある場所へ向かう。この線路は新幹線側のレール輸送用保線車両も走行できるよう、軌間1,067mmと1,435mmの3線区間となっている。

Higashiwashi06

この日の工臨の特大貨物検査票には次のように記載されていた。

  • 輸送番号 大宮=6
  • 最大長   60K × 75M × 14本
  • 貨物下面
    と軌条面  東鷲宮
    との間隔  チキ5車
  • 検査    28年1月25日 千葉機関区

大宮新幹線保線技術センターでのレール取り卸し作業は、東鷲宮工臨到着後当日中にすぐに実施され、レールの量にもよるがこの日は75mレール14本の取り卸しが16時前にはすべて完了した。取り卸しに使用される門型クレーンは、2016年1月時点で旧型3基、新型3基の合計6基あった。各クレーン毎に有線のリモコンがぶら下がり、地上にいるスタッフが操作をしていた。当時はクレーン同士の同期制御は不可のようで、リモコンを持ったスタッフ同士が掛け声で合図しながら作業を行っていた。こちらも軌道モータカー同様、150mレールの円滑な取り卸しを実現するため、すべて新しいクレーンにリプレイスされると想定される。

150mレールの受入開始したら、ぜひまた訪れてみようと思う。

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2016年9月27日 (火)

【くろがね線を読み解く】第239回■製品倉庫東ヤードのチキ5500形

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 西八幡付近の製品倉庫の東側にある小ヤードには、ここ数年、JR貨物からは引退したはずの赤茶色のチキ5500形(いわゆる九チキ)が留置されている。最初は廃車解体待ちで留置されているのかと思ったが、よく見ると合図台車テテ(上写真のゼブラ模様の貨車)を連結しており、Y製鐵所の構内輸送に使用されていると推察される。先日たまたま九州在住の方とお会いした際に訊いた情報では、この貨車がレールを積んで走行しているのを目撃したことがあるとのこと。このことから、たとえば以前紹介した40t積軌条台車「ウタ」に廃車が出て、その補充のためにJR貨物から譲り受けたチキ5500を構内専用として使用しているのかもしれない。ウタはアーチバー台車にスポーク車輪装備の古典貨車のため、いつ置き換えられてもおかしくはない。

 なおこの場所へのアプローチは黒崎バイパス完成後に実現したもの。バイパス工事中は資材搬入経路で当然立ち入りは禁止であったが、完成後しばらくして駐車場になった。

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