カテゴリー「▼くろがね線を読み解く」の241件の記事

2016年10月10日 (月)

【くろがね線を読み解く】第241回■150mレール輸送列車 東鷲宮行き

 鷲宮保守基地は、JR東北本線東鷲宮駅に隣接する東北新幹線用の保線基地である。東北新幹線で使用されるレールは、鷲宮保守基地内にある大宮新幹線保線技術センターまで在来線経由で貨車で運ばれてくるが、前回の記事で述べたとおり、2016年度より、レールの発送元がJR東日本東京レールセンター(越中島貨物駅)からY製鐵所(黒崎駅)へと切り替えられた。

鷲宮保守基地は、東北新幹線開業30周年を迎えた2012年より、毎年鉄道の日に合わせて10月に一般公開を行っている。例年は10月中旬に開催されることが多かったが、2016年はY製鐵所からの150m長尺レールの到着が10月上旬に控えているためか、10月1日(土)と早めに開催された。大宮新幹線保線技術センターのレール取り卸し設備は、敷地外からは綺麗に見えないため、観察するには一般公開が絶好の機会となる。

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 早速訪れてみると、今年1月に観察した時と比較して、門型クレーン6基がすべて新しいものに交換されていることに気付いた。職員に訊いてみると、Y製鐵所からの150mレール搬入に備えて従来のクレーン(新旧各3基)をすべてリプレイスしたとのこと。もちろん最新型なので、一人で6基を同時に制御(同期制御)もできるし、個別制御も可能とのこと。自慢の新型クレーンは、奥の高架線を走る東北本線上り線の車内からも、よく見える。

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在来線(軌間1,067mm)の線路を走行する貨車入換用の軌道モータカーも、従来のTMC200C(一番右端)に、新たな仲間が2両が加わった。一番左は新潟トランシス製TMC400Bで、2008年頃よりJR東日本の保線基地に大増殖しているタイプである。真ん中の東北新幹線E5系のような塗装の機種は、富士重工製TMC400Aで、TMC400Bが登場する前に主にJR東日本管内の各地の保線基地にいたタイプである。いずれも、後位側にクレーンなどの装備はなく、入換動車のようなスタイルである。

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前回の記事で詳細をお伝えできなかったTMC200C。車体表記によると、諸元は以下の通りであった。

  • 型  式 : TMC200C
  • 製造年月: 1976年(昭和51年)2月
  • 製造所 : 富士重工
  • 製造番号: 695
  • 管理番号: 51  02-6078
                08-16

水平線では荷重160tを45km/hで、10‰では110tを20km/hで、25‰では60tを15km/hで牽引可能である。

 このように、大宮新幹線保線技術センターは、レールを積んだチキ車を入れ換えるための軌道モータカーと、レールを取り卸すためのクレーンを更新し、150mレール受入態勢を整えていた。

●黒崎発東鷲宮行き150m長尺レール輸送列車、ようやく運転

 2016年10月3日月曜日、黒崎駅を10:45に170列車として発車したのは、JR東北本線東鷲宮行きの150mレール輸送列車であった。北九州貨物ターミナルからは8090列車として山陽本線・東海道本線を東進し、10月4日に相模貨物駅着。翌日10月5日水曜日に8075列車に継送され(実質的には列車番号と牽引する機関車が変わるだけだが)、レールを積んだチキ車9両編成は、相模貨物駅から東鷲宮駅まで予定通り運転された。この日は午前中に所用があり、午後から東北本線沿線に向かったのだが、人身事故の影響で京浜東北線・東北本線共に遅れており、予定していた与野周辺での撮影は叶わなかった。

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仕方なく、大宮操の見えるさいたま新都心駅のホームで待っていると、東北貨物線の一番奥の下り線に8075レが姿を現した。

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線路や架線柱がいっぱいであまり綺麗ではないが、一目で大宮操と分かる絵図となった。ここでおよそ1時間停車するので、その時間を利用して東鷲宮へ……ではなく一駅手前の久喜へ先回りする。久喜で下車するのは、駅前のレンタサイクルを借りて移動手段を確保するためである。東鷲宮の入換は、ELがチキ車を押し込んでから軌道モータカーが引き取りに来るまでの時間がかなりタイトなので、徒歩移動では両方撮れない可能性があるのだ。

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8075レの本線走行を久喜-東鷲宮間で撮影し、すぐに追いかける。

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すると、東鷲宮駅の下り副本線で停車中の8075レに追いつくことができた。入換の準備中で、無線で交信しているようだ。

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少し時間があったので編成最後尾にも移動してみた。

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ほどなくチキ車の先頭に操車掛が乗り込み、EL推進で上り本線をアンダークロスしていく。進路表示器が「E」と「2」を現示している。□で囲まれた方がfrom、そうでない方がtoを表しており、2番線から授受線への入換進路が構成されていることを示している。

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ELによる推進入換。運転士が窓から顔を出して進行方向を確認しているのが分かる。

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すぐに自転車で地下道をアンダーパスして反対側の神社に廻り込むと、重連で待機する軌道モータカーを見ることができた。2016年5月までは、東鷲宮工臨の受け取りは、大宮新幹線保線技術センター所属の軌道モータカーTMC200Cが1両で実施していたが、150mレールチキ9両編成は、東鉄工業所属のTMC400B(左)とTMC400A(右)の重連で実施するようである。ちなみにこの撮影場所の神社の名前は「八幡神社」という。つくづく「八幡」に縁があるらしい。

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重連でチキ9車を引き取る。

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重連同士は単純にBPのホースのみ接続されており、貨車を含め貫通ブレーキの制御は可能だが、重連機関車のみでの単独ブレーキやエンジンの総括制御はできない。このため、両方の機関車に運転士が乗務していた。

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重連でゆっくりとクレーンのある方へ向かっていく。

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その速度は、くろがね線の最も低速な区間とほぼ同じ、人が歩くほどの速度であった。

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冒頭で紹介した新型クレーンの下に入り込んで停車したチキ車。はるばる九州からの長旅が終わった。この日は荷卸し作業は行わず、ほとんどのスタッフは車で帰ってしまった。残ったスタッフが外に出てきたので聞き込みを行ったところ、荷卸しは到着翌日、空車の発送はその翌日とのことで、実車到着から空車発送までの行程は、以前報告した岩切の仙台レールセンターとほぼ同じスケジュールであることが分かった。次の運転がいつになるのか分からないが、貴重な東鷲宮行き一番列車を記録することができたのは幸運であった。

●おまけ

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 今年の鷲宮保守基地公開では、新幹線用軌道モータカーの牽引するトロッコに乗り、保守基地から連絡線を通って東北新幹線との合流部分まで行くことができた。なかなか面白いアトラクションである。車両基地公開イベントで軌道モータカーに乗れる企画はよくあるが、トロッコに乗って新幹線を見に行けるというのは何とも夢のあるハナシ。

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高架線の連絡線をゆっくり走りながら、前方に東北新幹線の軌道が見えた時には感動した。しかもちゃんとE2系下りやまびこ号が通過するまで折り返すのを待ってくれるという、サービス精神旺盛ぶり。日本全国に保守基地は数あれど、ここまでユーザーフレンドリーな企画も珍しいのではないだろうか。

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トロッコ牽引に使用されたのは、軌間1,435mmの新幹線用の軌道モータカーで、車体表記によると諸元は以下の通りである。

  • 記号番号 : MO-108
  • 型  式  : TMC501F
  • 製造年月 : 2005年(平成17年)2月
  • 製造所  : 新潟トランシス
  • 製造番号 : 161
  • ユニオン建設機械番号:U0501-108

水平線では荷重450tを40km/hで、10‰では250tを14km/hで、25‰では200tを5km/hで牽引可能と、かなりの力持ちだ。さすがは新幹線用。また単行での最高速度は70km/hとのことで、イカロス出版「トクターイエロー&East-i 新幹線事業用車両徹底ガイド」に収録されている富田松雄氏執筆の特集記事によると、確認車代用としても使用可能とのこと(確認車とは、深夜の保守作業が終わった後、始発の新幹線が走行する前に、本線上を70~100km/hで高速走行して安全を確認するための専用の軌道モータカーである)。新幹線用の保線用車や軌道モータカーは謎が多いだけに、スペックや用途が明らかになるのは喜ばしいことだ。

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 当記事掲載の写真は、特記の無い限りすべて公道(もしくは社会通念上立入りの許される区域)から撮影したものです。無断で私有地・社有地等へ立ち入ることは絶対におやめください。

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2016年10月 4日 (火)

【くろがね線を読み解く】第240回■JR東日本大宮新幹線保線技術センター(東鷲宮工臨)

 JR東日本の東北新幹線の保線基地の一つである鷲宮保守基地の敷地内に、在来線経由で運んできた新幹線用のレールを取り卸すための拠点「大宮新幹線保線技術センター」がある。2015年度までは、レールは越中島貨物駅から工事臨時列車によりセンター隣接の東鷲宮駅まで輸送されていた(通称:東鷲宮工臨)。搬入されたレールは、新幹線の標準軌の線路を走行可能な保守用車に載せ替えられ、列車の運行されない夜間に鷲宮信号場(東北新幹線から鷲宮保守基地への線路が分岐する箇所)から新幹線の本線へと出て、敷設する現場へと運ばれていた。

ところが2016年度に入ると、Y製鐵所製の150mレールの納入先がJR東日本にも拡大され、レール輸送列車の着駅の一つとして東鷲宮が設定された。この動きに呼応するように、2016年5月10日の発送を最後に東鷲宮工臨の運転はピタリと止まっている。しかし、2016年9月現在、150mレール輸送列車の東鷲宮行きはまだ一度も運転されていない。そこで今回は、運転前に東鷲宮の入換作業に関する予備知識をまとめるため、2015年度に運行された東鷲宮工臨と到着後の入換を紹介する。

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■越中島貨物発東鷲宮行きレール工臨。この日はEF81 95がロンチキ5両を牽引した。   2016年1月某日、久喜

東鷲宮工臨は、主に新幹線用の75m長尺レールを、ロングレール輸送用チキ5500形5両編成に積載して輸送するのが特徴である(もちろんチキ6000形などによる定尺レール輸送の時もある)。レールは、大宮新幹線保線技術センター内にある門型クレーンで取り卸すため、敷設現場で取り卸す際に必要となる編成両端のエプロン車は不要で、かつレールの長さを考慮し中間車数両をも切り離した独特の編成となる。JR西日本やJR九州のように、長尺レール輸送専用のチキ編成を保有しないJR東日本ならではの組成といえる。

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東鷲宮工臨は、駅の南側に設けられた副本線に到着する。その後、ELが入換扱いでチキ車を推進しながら上り本線をアンダークロスして、鷲宮保守基地の授受線まで押し込んでいく。

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こちらが、授受線に押し込まれたチキ車5両編成。この場所から先は鷲宮保守基地の管理下となり、鷲宮保守基地に常駐している軌道モータカーがクレーン直下まで入換を行う。

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鷲宮保守基地で在来線のチキ車の入換を担当するのは、大宮新幹線保線技術センター所属の軌道モータカーで、富士重工製のTMC200Cであった。余所のレールセンターや保線基地を見る限り、150mレールを積んだチキ車9両編成をTMC200Cが単独1両で牽引することはできないため、150mレール受け入れにあたり新型へのリプレイスが想定される。

Higashiwashi05tmc200c

バラストホッパーの下を潜り抜けて門型クレーンのある場所へ向かう。この線路は新幹線側のレール輸送用保線車両も走行できるよう、軌間1,067mmと1,435mmの3線区間となっている。

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この日の工臨の特大貨物検査票には次のように記載されていた。

  • 輸送番号 大宮=6
  • 最大長   60K × 75M × 14本
  • 貨物下面
    と軌条面  東鷲宮
    との間隔  チキ5車
  • 検査    28年1月25日 千葉機関区

大宮新幹線保線技術センターでのレール取り卸し作業は、東鷲宮工臨到着後当日中にすぐに実施され、レールの量にもよるがこの日は75mレール14本の取り卸しが16時前にはすべて完了した。取り卸しに使用される門型クレーンは、2016年1月時点で旧型3基、新型3基の合計6基あった。各クレーン毎に有線のリモコンがぶら下がり、地上にいるスタッフが操作をしていた。当時はクレーン同士の同期制御は不可のようで、リモコンを持ったスタッフ同士が掛け声で合図しながら作業を行っていた。こちらも軌道モータカー同様、150mレールの円滑な取り卸しを実現するため、すべて新しいクレーンにリプレイスされると想定される。

150mレールの受入開始したら、ぜひまた訪れてみようと思う。

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2016年9月27日 (火)

【くろがね線を読み解く】第239回■製品倉庫東ヤードのチキ5500形

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 西八幡付近の製品倉庫の東側にある小ヤードには、ここ数年、JR貨物からは引退したはずの赤茶色のチキ5500形(いわゆる九チキ)が留置されている。最初は廃車解体待ちで留置されているのかと思ったが、よく見ると合図台車テテ(上写真のゼブラ模様の貨車)を連結しており、Y製鐵所の構内輸送に使用されていると推察される。先日たまたま九州在住の方とお会いした際に訊いた情報では、この貨車がレールを積んで走行しているのを目撃したことがあるとのこと。このことから、たとえば以前紹介した40t積軌条台車「ウタ」に廃車が出て、その補充のためにJR貨物から譲り受けたチキ5500を構内専用として使用しているのかもしれない。ウタはアーチバー台車にスポーク車輪装備の古典貨車のため、いつ置き換えられてもおかしくはない。

 なおこの場所へのアプローチは黒崎バイパス完成後に実現したもの。バイパス工事中は資材搬入経路で当然立ち入りは禁止であったが、完成後しばらくして駐車場になった。

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2016年9月25日 (日)

【くろがね線を読み解く】第238回■若竹号ふたたび

 以前、守衛ボックス設置により撮影不可とリポートしている若竹号

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システムにより自動開閉する門扉、監視カメラ、センサーと警報装置、近年ではETCのようなゲートも新設され、厳重に警備されている某所。通常は、右手の守衛ボックスに人が常駐しており、カメラを向けられるような状況ではない。が、ある条件が揃った時だけ、ほんの一瞬だが走行シーンが拝める。

機関車が門扉と並行に走る線路を走行している場合は車体が納まりきらないが、正面の工場建屋に向かう側線に入るときだけは車体が傾くので、守衛ボックスと門柱の隙間に、ギリギリだが車両が納まり、形式写真的な角度になる。ガードレールで足元は隠れるが。

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こちらは同じ機関車の別の場所での走行シーン。この場所はかつてY製鐵所の敷地内であったが、区画整理により道路が新設され見えるようになった。電柱が多く動かないとまともに撮れない。この場所も5分以上長居すると見廻りの方がクルマで飛んでくるらしいので、私は5分以上いたことが無い。

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2016年9月10日 (土)

【くろがね線を読み解く】第237回■福山新幹線保線区への150mレール納品入換

 2016年9月10日土曜日、広島カープが25年ぶりとなるリーグ優勝を決めた。広島の街中はいま大いに盛り上がっていると思われるが、ちょうど1週間前の土曜日、黒崎発福山行の150mレール輸送列車が運行されたため、広島県内にある福山新幹線保線区を訪ねた。

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 150mレールを積載した貨車は、黒崎を発車した当日の18:30に東福山駅へ到着し、翌日の9093列車で東福山から福山まで運転される。福山と言っても旅客の福山駅ではなく、そのおよそ3kmほど西にある福山新幹線保線区が終着地である。今回も、9093レは9月4日、つまり日曜日に運行された。

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東福山・福山方向から下り線を走行してきた9093レは、保線区付近に設けられた渡り線を通過して上り線を逆走し、更に保線区への分岐へと入線する。

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福山新幹線保線区の到着・発送線に入線する9093レ。奥に見えるのが150mレールを荷卸しする門型クレーンである。2016年3月以前は、向日町レールセンターからロングレールが、東福山から50m長尺レールが到着していたため、設備そのものは以前から存在する。

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この位置で一旦停止した。到着は10:08である。黄色いヘルメットにオレンジ色のジャケットを着ているのは、JR西日本の入換担当者である。9093レはJR貨物の営業列車だが、保線区はJR西日本所属のため、機関車の入換運転はJR貨物が、誘導・分岐器切替などの作業はJR西日本が実施するわけである。

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テールライトが片側点灯となり、入換運転扱いに変更。

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貨車を切り離したEF210-105が一旦授受線へ引き上げる。横には保線区の入換用軌道モータカーが重連でやってきて、門扉が開いた。

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引き上げたEF210は、機回し線を通過して機回しし、

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反対側(東福山・福山寄り)に連結。保線区内では、軌道モータカーがテスト走行を繰り返す。

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しばらくすると、150mレールを積んだ貨車はEF210により推進され、

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授受線へと押し込まれる。

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奥で貨車を切り離し、単機で出てきたEF210-105。その横を、EF210-302牽引の上り貨物列車が並走。なかなか面白いシーンが展開した。

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EF210の引上げと、軌道モータカーの出場。

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重連の軌道モータカーは互いにBP管を接続し、ブレーキは総括していた。しかし2車の間に電気関係の引き通しは無いため、エンジンの総括制御はできない。その証拠に各車に運転士が乗務して運転操作を行っていた。

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どちらの軌道モータカーも、入換用のスイッチャーとは異なり自動車同様の右側運転台である。各車とも、オレンジ色の服を着た運転士が手前側に乗っている(運転席の窓が開いているので分かる)。

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奥に留置された貨車を連結して引き出す、重連MC。このシーンを撮りにわざわざ東京から駆け付けただけに、喜びもひとしおである。

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BP管は貨車とも接続され、貨車の貫通ブレーキも作用させていた。専用線の入換ではブレーキホースの連結は省略されることも少なくない。

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福山新幹線保線区へと引き込まれる150mレール。

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30秒ほどで9両編成の貨車が引き込まれると、

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門扉が閉じられた。列車の到着から1時間ほどで一連の作業が完了した。

●入換用軌道モータカー

 福山新幹線保線区において、在来線から運ばれてきたレールを搬入するのに使用されている軌道モータカーは2両ある。いずれも車籍はなく機械扱いであるのは言うまでもない。

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重連の下関寄りに連結されていたのがこちら。トワイライトゾーンマニュアル11の軌道モータカー形態分類によると、富士重工製のTMC200Bと思われる。

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そして米原寄りに連結されているのがこちらのTMC200Cである。足回りはほぼ同じながら、キャブがより高い位置にあるのが特徴である。ひとつ前で紹介したTMC200Bの方は、保線区から工事区へ配置転換されているものも少なくないそうで、JRの保線区にはもうあまり残っていないとのこと。貴重な動くシーンが撮れたことになる。

黒崎発福山行の150mレール輸送列車は、これまでのところ、2016年4月、6月、7月、9月とほぼ1~2か月に1本の頻度で運行されている。撮影チャンスは少ないが、150mレール輸送貨車の保線区への入換シーンを間近で見られる場所は限られているだけに、訪問する価値のある拠点といえる。

●赤いローソン

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 広島駅から、広島カープの本拠地であるマツダスタジアムへ向かう途中に、カープ仕様の赤いローソンがある。店内でもカープグッズを販売しており、試合のある日は観客で大賑わいだ。

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2016年8月31日 (水)

【くろがね線を読み解く】第236回■戸畑地区D607

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 戸畑地区の機関車60DD-3形D607.1975年(昭和50年)日本車輌製造製の60t機で、製造番号は3199、車軸配置はB-B。60DD-4形とは異なり、連結器センタリング装置は備えていない。

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2016年8月30日 (火)

【くろがね線を読み解く】第235回■小倉地区の機関車D107

 2016年夏、小倉の某ホテルに泊まりY製鐵所小倉地区の夜景を見ながら眠りについた翌朝、何気なく窓を開けると、思わぬものを発見した。小倉地区に所属しているディーゼル機関車D107が見えたのである。

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これまで弊ブログでは、形式写真を障害物無しで撮れた車両しか紹介していないが、この機関車はめったに動くことが無く、撮れる場所まで出てきてくれる見込みがないため、正面からの俯瞰を紹介する。

 D107は、1967年に日本輸送機で製作されたL型エンドキャブの2軸機関車で、新製配置は住友金属工業小倉製鉄所(*)、自重は25t、製造番号は1178001である。正面から見ただけでは全く判断できないのだが、最終動力伝達方式はロッド駆動で、SLのように2つの車輪は連結棒で接続されている。キャブの前面窓は、屋根の丸みに沿って傾斜の付いた独特な形状で、ボンネット先端のラジエーターカバーの形状と相まってニチユらしさが感じられるデザインである。背後に記号番号不明の同型機が写っているが、そのキャブ非公式側をよく見てみると、ボンネット先端公式側の簡易運転台とちょうど点対称の位置にも同様の装備のあることが分かる。いつか動くところを見てみたい機関車である。

(*)2000年4月に分社化されて住友金属小倉→2012年1月に住友金属工業と合併→同年4月に新日鐵住金小倉製鉄所→2014年4月1日付でY製鐵所と統合、現在はY製鐵所小倉地区

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2016年8月29日 (月)

【くろがね線を読み解く】第234回■熱塊カバー台車(短小タイプ)

 くろがね線でブルームを保温したまま輸送するために用いられている熱塊カバー台車には、全長の極端に短いタイプが存在する。

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既出だが上の通り2010年夏に一度だけ撮影したことがある。電気機関車の次位以降3両は、通常の熱塊カバー台車よりも全長が短いことが俯瞰でも分かる。側面から見ると以下の通り。

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 記号番号はユタ2312で、車体表記から荷重は元々60tであったことが分かる。現在ではカバーの重量を含めて60tと推察されるので、実際の荷重はもっと小さく50t前後ではないかと思われる。全長は短いが2軸ボギー車で、自重は26t。通常、熱塊カバー台車の編成番号?(台枠中央の黄色地に黒英数字)は、90t積みがL*、60t積みがZ*を名乗っているが、この車両はN4である。

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こちらは同じN4編成に連結されていたユタ2315.同じく自重26tの2軸ボギー車である。台車は連結されていた3両とも板台枠でスポーク車輪を履いていた。かなり古典的な貨車である。

 さて、この車両の用途であるが、この車両を八幡地区で撮影した方のブログ記事を拝見すると、どうやら八幡地区にあるグループ会社のステンレス工場の方へ向かっているようである。日経産業新聞や日刊鉄鋼新聞などを読んでいると、八幡地区のステンレス工場ではステンレス厚板を製造しているらしく、そのベースとなる半製品は通常はスラブである。このため、ステンレス工場付近では別記事で紹介済みのスラブ台車を見ることができるが、たまにこの熱塊カバー台車も見られるようである。特定顧客向けの特注品の製造比率が大きい八幡地区だけに、半製品を運ぶ貨車の種類も多彩である。

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2016年8月28日 (日)

【くろがね線を読み解く】第233回■日本製紙への譲渡車D439

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 前回紹介した45DD-12形ディーゼル機関車の中には、他社へ譲渡されたものもある。写真の機関車は、元Y製鐵所D439で、1994年に山陽本線大竹駅連絡の三井化学専用側線入換用に転じ(1994年6月に日通大竹支店へ譲渡)、専用線が廃止されると、2000年10月より岩国駅連絡の日本製紙専用側線に活躍の場を移し、No.3と命名された。2016年3月、専用線の入換作業を受託している岩国産業運輸が北陸重機工業製の新車(無番)を導入したため、予備扱いとなった。

車端部に設けられていた簡易運転台は、日通大竹時代は存置されていたようだが、当専用線で使用されている時にはすでに撤去されていた。製鉄所の作業進捗管理に使用されていたらしいキャブ床下の制御盤類も、もちろん不要なため、撤去されている。

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門外から荷役線を望む。岩国駅との往復時には、貫通ブレーキを作用させるために貨車とBP管を接続するため、製鉄所構内使用時には未装備であったブレーキホースが取り付けられているのも興味深い。

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工場前で貨車を入れ換えるNo.3(D439).Y製鉄所構内で使用されていた頃は、なかなか敷地外から見ることのできなかった車両も、一般の専用線へ譲渡されれば容易に見られるようになるという一例。(こちらの過去記事も参照のこと)

※Y製鉄所から余所へ転じた後の車両の遍歴については、「Center Cab No.84, SRC 専用レールクラブ発行」 を参考にさせていただきました。

●No.3(D439)搬出される

 Twittterの目撃情報によると、No.3(D439)は2016年9月下旬にトレーラーで搬出され神戸港に向かったとのこと。果たしてどこへ行くのやら…。

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2016年8月26日 (金)

【くろがね線を読み解く】第232回■八幡への貸出機D441

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■八幡地区の機関区に留置中のD441. D609、615、617などと共に代わる代わる八幡へ貸し出されている。   2016年夏

 今回は45DD-12形ディーゼル機関車D441を紹介する。この機関車は永らく戸畑地区の配置であったが、以前の記事で紹介した八幡地区の半製品ヤード竣工に伴い、2013年5月頃から断続的に八幡地区にも姿を現すようになっている。

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八幡地区の45DD-12形は銘板がボディと同じクリーム色に塗装されていることが多いが、戸畑地区の機関車の銘板の色は朱色であったり青色であったり様々である。この機関車も青い銘板で、遠くからでも他の機関車とは異なることが識別できる。

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