カテゴリー「▼B.日立のスイッチャー」の64件の記事

2019年9月22日 (日)

★高岡・伏木の遊休スイッチャー★協三25t、日立35t、日車35t

 初回の伏木ヤードまつり開催からもう9年が経ちます。主催者側の負荷が大きくなかなか第3回の開催は難しいようですが、あの当時展示されていたスイッチャーはいずれも再就職先が見つかり、日本各地で元気に活躍しています。いっぽう、イベントはありませんが全国で余剰になったスイッチャーが買い取られ、整備・売却目的で一時的に伏木ヤード跡に留置されることがあり、その陣容も時々変わるので、目の離せない場所になっています。これまで何度か訪ねていますが、そのたびに車両の配置が変わっているので時々入換をしているのだとは思うのですが、なかなかそんな場面に遭遇したことはありません。ただ、移動することによって障害物(柱や草木)の無い場所に来てくれると綺麗に撮れることもありますね。こればかりは運次第ですが。

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 2018年春に高岡貨物駅を訪ねた際、徒歩20分ほどで伏木へ移動すると、運よくスイッチャーを綺麗に見ることができました。本記事の写真はいずれも敷地外から望遠で撮影。まずこちらの水色の2軸機は、FRCのロゴの通り富士臨海(富士石油の物流子会社)から来たもので、キャブ側面にある銘板を望遠で読み取ると1983年1月協三工業製、製造番号はA25118です。協三工業の製造番号が5ケタないしA+5ケタの機関車は、先頭数字2ケタが自重、残り3ケタがシーケンシャルナンバーですので、自重は25tですね。京葉臨海鉄道北袖駅分岐の富士石油専用側線で袖ケ浦製油所の構内荷役入換に使用されていたもので、敷地外には出てこない撮影困難なスイッチャーでした。しかし2017年上半期に同所へ北陸重機工業製の新型DB25-0122が導入されたため、用途不要となり伏木にやってきました。軸重は12.5t、牽引力がありますから、再就職先が見つかるといいですね。なお新型のDB25-0122は、中国日立物流D25-1(下松)や日通米子No.18(伯耆大山)と似たスタイルの、キャブ前面・背面各々2枚窓・側面乗降扉タイプの2軸機ですが、キャブ前面に傾斜が付いていない点が特徴です(→写真は2019年9月現在、まだこちらのホームページで確認できます)。

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次にこちらの泡緑色のは、しなの鉄道坂城駅のJX日鉱日石(旧新日石)専用側線にいたスイッチャーです。35mm判換算1,000mmの望遠で窓ガラス越しにキャブ内前面窓上の銘板を見てみると、1974年1月協三工業製で、製造番号25848と読み取ることができました。25始まりですから自重25tですね。こちらも新型機が2両導入されたため用途を失いましたが、元々予備機で稼働頻度は低かったですね。買取に伴い、キャブ側面の石油会社のロゴが消されたほか、非公式側前部のステップ裏側にあった防爆のためのスパークアレスタが撤去されています。

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上写真の前位側車輪のすぐ後ろに、元々はスパークアレスタが下のように付いていましたが、もう無いのが分かると思います。

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坂城時代は、長いあいだ屋外留置されていましたが、定期的に塗り直されていて綺麗な状態を保っていました。

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上が坂城時代です。伏木に来てからだいぶ色褪せているのが分かりますね。

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こちらは元 秋田臨海鉄道のDD351で、末期は車籍を抹消され南港線終点向浜駅分岐の日本大昭和板紙専用側線で秋田工場の構内入換に使用されていました。秋田臨海鉄道の資産でしたが、本線上に日常的に外に出てくることはほとんどありませんでした。1971年3月日立製作所製35t機で、製造番号は13192です。

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およそ10年前に奥の踏切で撮ったことがあります。製品倉庫に向かう線路は3本ありました。これは北端の線路の先にある倉庫からコンテナ車を引き出すシーン。

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同じ踏切から逆を向くと、木材チップの山をバックに別の製品倉庫に向かうDD351が見えました。いかにも製紙工場という光景ですね。

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秋田や青森では、ゴールデンウィークが桜満開シーズンです。

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■秋田港駅構内に留置中のスイッチャー。左が203、右がDD351。背後は住友大阪セメント秋田港SS、2013年6月7日。

2011年、三菱化学四日市事業所で入換に使用されていたTRANCYのスイッチャーが転入してくると、用途不要となり、2軸の協三工業製20t機(機械番号06-28-01-203)と共に秋田港駅に数年間留置されていました。2軸の203は王子製紙専用側線(春日井)に転じたのに対し、日立4軸のDD351はまだ伏木で買い手を待っています。

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高岡貨物駅では、かつての入換の主力機であった日車35t機D352が北端に放置されています。自力で動いている様子はないので遊休スイッチャーに分類させていただきました。

なお高岡貨物駅における2019年9月現在の入換の主力は、JR貨物の山吹色の入換動車303号で、同型の朱色の305号が予備機です。また荻布倉庫の入換機も高岡貨物同様に2両いて、外から見える動車庫の中にいる協三工業製が常時使用の主力機、その奥に続く線路の先にもう1つ動車庫があり(社有地内のため外からは見えません)、その中にいる同型が予備機です。いずれも、あくまでも予備であり遊休ではないため、本記事では対象外としました。荻布倉庫の予備機は、10~11年ほど前に現在の主力機が来る前、まだ日車15t機が予備機だった頃の主力機ですので、ご記憶の方も多いのではないでしょうか。日車15tは以前仕事で訪ねた際に見せてもらいました。当時の従業員の方々はもう全員退職していますし、時効ということで(笑)

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2019年7月15日 (月)

【くろがね線を読み解く】第290回 ■小倉地区の岸壁半製品水切り入換

 2019年7月にクモヤ443・442による架線検測を見物しに九州北部を訪ねた際、Y製鐵所小倉地区にて、水切りした半製品を構内の工場へ運ぶための入換を見ることができた(「水切り」とは、船で運んできた荷物を陸に揚げることを指す。水揚げとも言う)。

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小倉駅前でレンタサイクルを借り、東小倉-小倉間と西小倉-南小倉間でクモヤ443・442架線検測列車を撮影後、そのまま例の岸壁へ行ってみると、ちょうど機関車が接岸中の船に近付いていく場面に遭遇した。船はN社の物流子会社が運行管理しているF丸で、2014年に愛媛県今治市の矢野造船で建造された内航貨物船である。今治と言えばみかんとタオルと提灯で有名だが、産業的にはまず造船である。

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機関車はD308、日立製作所製の35トンB-B機である。以前エスケイケイ物流塗装時代を紹介したが、他の機関車同様Y製鐵所標準塗装に変更されている。空車の長物車を構内から持ってきて岸壁の一番手前、船のすぐ横の線路に押し込んだ。

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いつも見ている引上線の岸壁は、ここ数年草刈りをしていないのか足元が見えなくなっているが、岸壁はアスファルト舗装のため草が無く台車の形までよく見える。機関車は長物車を切り離して単機で奥に行くと、スイッチバックして内陸側の線路へ再び入ってきた。

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船の横に並ぶように入線、貨車連結のためなのか、しばし小休止。

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今度は荷を積んだ長物車を引き出して構内へ向かっていった。

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積んでいる荷はブルーム(圧延されて棒鋼に加工される前の半製品)である。小倉地区では、溶銑・スラグ・半製品輸送は鉄道だが、棒鋼線材などの最終製品は、既にキャリアパレットカー等による無軌条輸送に置き換えられており、貨車のバリエーションは戸畑・八幡地区ほど多くはない。ただし機関車も貨車も全体的に古いものが現役で残っていることがあるので、要注意である。この長物車はステップを手すり付きのものに改造したのだろうか。塗装がその部分だけ綺麗である。台車はマクラバネがコイルで軸受もコロ軸受を採用しており、随分と重厚な造りである。台車枠に穴が4か所空いていることから察するに、注入台車に使用されていた台車から遮熱板を外して転用した可能性も考えられる。戸畑・八幡地区では実際にそのような事例がある。(→こちらの記事を参照のこと

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数十分後に船が出港し、前回機関車が入換にやってきてからおよそ1時間後、同じD308が再度単機でやってきた。別の機関車が来るのではと期待して待ってみたが、同じものが来た。船で運んできた半製品の水切りは、船から貨車へ直接積むのではなく、クレーンで一旦岸壁に積み上げる。それを貨車に積んで構内へ持っていくのは別のタイミングである。機関車は、空車の貨車を連れてきて、荷を積んだ貨車を連れて行くという作業を繰り返す。岸壁のクレーンが、次に機関車が来るまでに半製品を貨車に積んでいく。

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船がいなくなり、積み上げられたブルームが見える。貨車に積んだブルームはD308が構内へ持っていった。

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2019年7月 1日 (月)

【くろがね線を読み解く】第288回 ■小倉地区の機関車検修庫入場入換(D108)

 来年度をもって高炉の火が消えるY製鐵所小倉地区。弊ブログではそのニュースの報じられた2015年より、小倉地区のプライオリティを上げてウォッチしてきた。戸畑地区や八幡地区にはない、小倉地区の魅力は、小型機の存在である。2017年10月末日をもって同様に高炉の火が消えた神戸製鉄所がそうであったように、高炉廃止後に下工程が維持され鉄道輸送が全廃されなかったとしても、残る機関車は大抵の場合、4軸の自重35t~50tクラスの中型・大型機で、小型機が残ることはあまりない。なぜなら、一貫製鉄所における小型機は、高炉や転炉から排出されたスラグの冷却・破砕場所への場内移送や、鋳銑機で固められたインゴットの保管場所までの移送など、構内物流の中でもどちらかというと傍流の役割を担っており、高炉・転炉が無くなれば用途不要になることが多いからである。したがって、高炉の火が消える前に記録すべきは、小型機である。

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2019年2月に所用で福岡へ行った際、午前中時間があったので、筑豊本線でマヤ検撮影のあと、1時間だけ小倉に寄ってみることにした。

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この日は、外から見える場所に小型機のD108(左)とD107(右)が留置されていた。D108は日立、D107は日本輸送機の製造した機関車で、既に過去記事で紹介している。

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この日は平日であったが、13時を過ぎるとD108がおもむろに動き出し、

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奥にある車両整備工場の方へ向かっていった。進行方向に1両、控車のように無蓋車を連結している。整備工場前の屋外には、日立製の2軸ボギー機関車(2エンジン機で台形屋根、かつ八幡標準塗装化されているので、D306または307のいずれか)が留置されていた。

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運転士が降りてリモコンで小型機を動かし、留置機関車に連結する。

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そのまま整備工場へ押し込んでいった。

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奥まで押し込むと

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切り離して小型機+無蓋車のみ表に出てきた。無蓋車もくろがね線のテテに匹敵する古典貨車のように見える。このあとは、スイッチバックして以前と同じように岸壁を掠めて高炉の方へ向かっていった。こういった入換はいつ実施されるか全く予測できないが、高炉が無くなる前にもう一回くらいは別の機関車の入換も見てみたいものである。

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2019年2月16日 (土)

★S社のスイッチャー★北陸重機重連No.15の小変化と異種重連

 四日市の近鉄塩浜駅近くにある石油元売会社S社の製油所には、JR貨物塩浜駅から専用側線が引き込まれており、石油製品が貨車で発送されています。専用側線内の車両入換は、日通が所有するスイッチャーによって行われます。

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 2018年末仕事納めのあと、青春18きっぷで東海道を下り、四日市に一泊してスイッチャーを撮ってきました。2017年から2018年にかけて、改造のため近鉄塩浜検修車庫に入場していた北陸重機工業製のスイッチャーNo.14が出場し、No.15と再び重連を組んで運用を始めたので、遅まきながら訪ねたというわけです。塩浜駅では、上写真手前の製油所側先頭がNo.14(2018年出場)、駅側がNo.15(2017年出場)の順になります。

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塩浜駅を出発し製油所へ向かう石油貨車(空車)編成。ここではDD51重連との並びがお馴染みの光景でしたが、JR貨物の本線貨物列車もDF200牽引のものが増えてきました。DF200は、北海道の石油輸送全廃で余剰となり、川重兵庫で軽軸重化改造のうえ200番台に区分され愛知機関区所属になった車両が充当されています。

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製油所から石油を積載した貨車を引き出す際に先頭になるのが、上写真手前のNo.15です。

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2018年末の四日市訪問の収穫は、二つあります。一つ目が上写真。右奥をよく見ると、東急電鉄から養老鉄道へ譲渡された元東急7700系電車が庫から顔を出しているのが見えるでしょうか。この時の7700系はちょうど、塩浜検修車庫での養老鉄道向け改造工事を終え、近畿車輌製の標準軌用仮台車を履いて、牽引用電車モトを連結し待機している状態でした。スイッチャーとのツーショットは貴重です。

養老鉄道への発送(塩浜→桑名)は2019年1月4日深夜に実施されています。今後も、全般検査などで7700系が塩浜検修車庫まで来ることがあれば、また近鉄モト+東急電車の走行シーンが見られるのでしょうか。

●2018年出場のNo.14と、実は小変化したNo.15

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 2018年に出場したNo.14は、2017年出場のNo.15と外観上の大きな差異はありません。LEDライト装備は入場前からですので、ボディの緑色部分が泡緑色に変わったくらいです。強いて変更点をあげれば、煙突の先端が延長されて直角に曲がった向きが、No.15とは逆であることくらいです。

……と、言いたいところですが、実はなんと2018年に出場したのとは異なる方、すなわち2017年出場のNo.15にも、小変化があったのです。この記事の3枚目の写真をよく観察すると、分かるかもしれません。これが二つ目の収穫ですね。

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いきなり答えになりますが、No.15の直角に曲がった煙突の先には、煙を拡散せず特定の方向に流すための板が取り付けられていたのです。この板は、2017年にNo.15が出場した際には存在しなかったので、出場後に取り付けられたものですね。

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反対側から見るともっと分かりやすいでしょうか。どこかのDIYショップにでも売ってそうな金具で取り付けてありますね(笑) No.14の方にはまだ付いていないので、今後どうなるか興味深いです。

●No.14不在時の、日立製作所製スイッチャーとの異種重連運用

 2017年には、No.14不在時にNo.15と日立製作所製No.11による異種メーカー製スイッチャー重連運用が見られました。

北陸重機重連の場合、BP・MRPなどブレーキ管の引き通し以外に、エンジン制御系のジャンパ連結器も接続しているため、重連総括制御が可能で、実際にしています。この記事の写真2枚目、4枚目を見ると分かるのですが、駅に向かう際も製油所に向かう際も、運転士がキャブの中に乗っているのは駅寄りのスイッチャーだけで、製油所寄りのスイッチャーのキャブの中は無人です。でもエンジン音はしますし煙もはくので、重連総括運転をしていますね。

これに対し、異種重連の場合はどうでしょう。

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日立と北陸重機の重連時は、両方のスイッチャーに運転士が乗っているのが分かります。異なる角度からの写真も見てみましょう。

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日立のキャブにも1人、

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後ろの北陸重機のキャブの中にも1人いますね。それでは、気になる連結部を見てみましょう。

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この通り、BPの引き通しのみで、MR管や制御系のケーブルは一切接続されていません。つまり重連総括制御が構造上できないため、運転士2人により協調運転をしているわけです。連結した貨車を含めた貫通ブレーキ(自動空気ブレーキ)だけは、一方の機関車から一律で制御できますが(SL+DLの重連と同じ)、MR管の接続がないので重連機関車のみの単独ブレーキが総括制御できず、少し使い勝手が悪くなりそうですね。

日立のNo.11の運転台にはブレーキ弁は1個しかないのですが、たしかブレーキ弁の下の方にレバーがあり、ブレーキホースへの空気の経路を絶ち単独ブレーキとしても使用できるようになっていたと思います(若干、記憶が曖昧ですが)。日立同士の重連ならば、機関車だけの単独ブレーキとして使えると思いますが、異種重連の場合はこのレバーは無意味な装備となりそうです。

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レバーってどんなもの?という興味のある方のために、日立製スイッチャー(某保存車)のキャブの中を見てみましょう。上の金色がブレーキ弁で、下の白いレバーが今は閉塞状態で単独ブレーキ、時計回りに90度回し開放で貫通ブレーキ(自動空気ブレーキ)です。

他所の専用鉄道では、レバーを開放し自動ブレーキ弁として使用している例もありますので、こちらの記事などで確認してみてください。

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2019年1月27日 (日)

【くろがね線を読み解く】第282回 ■4番扉前からの遠望

 運河の対岸から僅かに見えるY製鐵所小倉地区であるが、接岸している船舶がおらず、対岸に障害物が置かれていない場合に限り、編成を正面寄りから撮れる場所がある。知る人ぞ知る、4番扉の前である。

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私が見に行った日は、D506がビレット積載貨車1両を推進して、横持用ストックヤードへやってきた。

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長編成だと、最後尾の機関車が見える前に先頭の貨車が柱の陰に隠れてしまうため、貨車1両でないと収まらない。

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貨車を切り離し、単機で戻るD506。

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普段の場所へ追いかけて移動して見ると、このようなアングルとなる。日立製機関車D506とD503の違いについては、以前紹介したが、同じアングルで比較されたい。

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2019年1月22日 (火)

【くろがね線を読み解く】第281回 ■小倉地区の機関車D108

 Y製鐵所小倉地区の機関車の中から、今回はD108を紹介する。

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D108は、Y製鐵所小倉地区で唯一の、日立製2軸機関車である。1970年に小倉製鉄所へ新製配置された25t機で、以来余所へ転出することなく活躍を続けている。2016年に見かけた際は、上のように住友金属物流の前身であるエスケイケイ物流の塗装(クリーム色と紫色、台枠ゼブラ)のまま使用されていた。一見するとロッド駆動の丸屋根の規格型に見えるが、キャブ妻面中央の窓間に3つ目の窓があるなど、カスタマイズ部分も見受けられる。

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後位側からみても、やはり両窓間に3つ目の窓がある。諸元は以下の通り。

  • 記号番号 : D108
  • 製造年月 : 1970年4月
  • 製造者  : 日立製作所
  • 製造番号 : 13110
  • 自  重  : 25t
  • 車軸配置 : B
  • 最終動力伝達方式:ロッド駆動
  • エンジン : ニイガタDMH17C (180PS/1500RPM)
  • 液体変速機:ニイガタDB115

※エンジンは竣工時のもの。後年になり機関換装している可能性もある。

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小倉地区の2軸の機関車は、4軸の機関車とは運用が異なるようで、岸壁の見える場所まで出てきてくれることはほとんどない。2015~16年頃に、異なるタイミングで現地を訪問した複数のウォッチャーから目撃報告が集中した時期があり、おそらく4軸の機関車が検査や故障等の理由により運用を離脱していて、代走していたのではないかと思われる。かくいう私も、ビレット積載貨車1両を入れ換えている場面を2016年に撮影している。

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2017年に入ってから、Y製鐵所戸畑・八幡両地区の機関車に似た4色塗装へ変更され、ボンネット両脇の台枠上に手すりが増設された。それを除くと外観に大きな変化はないが、他の新塗装の機関車にあるキャブ側面の社名標記が、このD108には無い。

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前面から。ボンネット先端にLEDライトが2灯取り付けられたようだ。当初より製鉄所向けの機関車のため、端梁には貫通ブレーキのコックすら存在せず、のっぺりしている。小倉製鉄所は、かつて国鉄小倉駅から分岐する専用鉄道を所内に引き込んでおり(末期は浜小倉駅分岐)、貨車で原材料の受入れや製品の発送を行っていた。国鉄貨車を入れ換えるので、ブレーキホース取付有無はともかく、貫通ブレーキは装備していても不思議はなさそうだが、この機関車を含めて所内の全機関車が未装備のようである。

●住友金属工業小倉製鉄所専用鉄道廃線跡

 小倉製鉄所専用鉄道は、トワイライトゾーンマニュアル6によると少なくとも1983年(昭和58年)まで国鉄浜小倉駅分岐扱いで取り扱いを継続していた。国鉄と製鉄所の間の貨車の授受線のあった場所は、山陽新幹線と国道199号線の下敷きになり痕跡はあまり残っていないが、山陽新幹線と国道199号の間に残る細長い敷地に住友金属物流(現 日鉄住金物流西日本支店八幡営業所)の事務所があったり、住金小倉の不動産部門としての役割を担っていた小倉興産の建物(24号館)があったり、よく見れば跡地を転用したと思われる痕跡も散見される。また西小倉駅の北出口の跨線橋の下にあるスペースは、授受線の南側の一部で、そこから浜小倉駅に向かって訓練用の線路や資材置き場、JR九州小倉き電区などが帯状に連なっている。これも跡地の転用かもしれない。

当の専用鉄道本線はというと、国道が専用鉄道をオーバークロスする形で建設されたので、鹿児島本線から小倉製鉄所に向けて単線分のトンネルが用意され、2018年現在でも当時を偲ぶことができる。トンネル入口は、かつては鹿児島本線西小倉駅付近を走行中に車窓から見えたが、2019年2月現在ではコンクリートで塞がれている。出口は社有地内にあるが、見通しが良いので下のように遠望することはできる。

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●留意事項

 聞くところによると、機関車を正面から見るアングルの場所は2017年度下半期頃から立ち入りが厳しくなっている模様で、樹木伐採による死角の除去(見える化)、フェンスの向こう側を通りがかった所員から注意されデジカメのSDカード初期化、テナントスタッフによる巡回声掛け注意、監視カメラ設置など規制が強化されているとの情報もある。機関車は他の場所でも撮れるので、近付かないのが無難であろう。

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2018年12月28日 (金)

【くろがね線を読み解く】第280回 ■小倉地区の機関車D503

 Y製鐵所小倉地区の機関車の中から、今回はD503を紹介する。

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D503は、1975年9月日立製作所製の2軸ボギーの機関車で、鉄鋼メーカーS社小倉製鉄所へ新製配置されたものである。先日紹介したD308同様のセンターキャブ式だが、エンジンはボンネット片側に1基のみ搭載し、反対側にラジエターを備える。キャブの外形が丸屋根から台形屋根に変わって間もない頃のモデルである。

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2018年10月現在、戸畑地区や八幡地区の機関車同様、オレンジ色、クリーム色、青色、黄色の4色に塗り分けられている。ボンネットを側面からみると、ラジエーターが車端部に寄っており、同じ日立製45トン1エンジン機であるD506とは形態が異なっている。これは、ラジエーターのファンを回転するための動力をエンジンから伝達する方式が異なっているためである。D503はエンジンの回転軸とファンの回転軸の向きが平行で、継手・Vベルトによって動力伝達する都合上、ファンがラジエーターのエンジン寄り(キャブ寄り)に、放熱器素(フィン)部分が車端寄りに配置されている。これに対してD506は油圧駆動(オイルモーター)であるため、ラジエーターは設置位置を問わない。ファンの回転軸は台枠に対して垂直で、DE10形ディーゼル機関車などと同様にボンネット天井部に放熱のための円形の開口部がある。

日立の産業用DLのラジエーターへの動力伝達方式は、1960年代にはオイルモーター式が標準であったが、これはそれまでの継手・Vベルト式(機械式)の場合、エンジン回転中に常時ファンが回転し続ける仕様であり、冷却温度の制御がし難くエネルギー損失も大きいので、それを改善するための工夫でもあった。しかし1970年代後半頃からは、技術的にいわば先祖返りする形で再び機械式に設計変更されたタイプも登場している。小倉の場合、D506が前者、D503が後者のタイプである。

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2015年12月の姿がこちら。この頃はまだ台枠に手すりが設けられておらず、ボディも住友金属物流塗装であった。竣工時の諸元は以下のとおりである。

  • エンジン : DMF31SB(500PS/1500RPM)
  • 液体変速機: ニイガタCBF138
  • 製造年  : 1975年
  • 製造者  : 日立製作所
  • 製造番号 : 2062701

液体変速機のCBF138は、DMF31系エンジンと組み合わせて使用されるDB138系の仲間。

【注意】
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2018年12月18日 (火)

【くろがね線を読み解く】第279回 ■小倉地区の機関車D308

 Y製鐵所小倉地区の機関車の中から、今回はD308を紹介する。

D308skk_170619

D308は、1975年10月に日立製作所によって製作された2軸ボギーの機関車で、前後ボンネット内にエンジンを各1基搭載する。以前紹介したD306と同時製作の機関車で、製造番号は2061803。性能的なことはリンク先のD306の記事を参照のこと。

特徴的なのは、上の写真を撮影した2017年6月時点で、まだエスケイケイ物流時代の塗装のままであることだ。エスケイケイ物流は、住友金属小倉の構内・構外物流を担当していた会社で、2001年10月に住金物流、鹿島運輸などと合併して住友金属物流が誕生した(2018年現在、日鐵物流と住友金属物流が合併して日鉄住金物流になり、小倉地区の担当子会社は日鉄住金物流八幡になっている)。

汚れているが、本来は明るいクリーム色に紫色の綺麗なデザインであった。ボンネット側面の「無線車」のロゴも懐かしい。近年Y製鐵所と同じような塗装に変更された機関車が増えている小倉地区だが、このエスケイケイ物流塗装も1両くらいは残ってほしいものである。

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2018年6月11日 (月)

★C社四日市製油所のスイッチャー★里帰りしたNo.9

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■製油所内の側線に佇むNo.9  2017年11月

2013年3月をもって廃止された、紀勢本線鵜殿駅連絡の紀州製紙(現 北越紀州製紙)専用側線の入換用スイッチャーNo.9。2018年5月現在、かつての配置先である四日市の石油元売メーカーC社四日市製油所に留置されています。

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動く様子はいまのところありませんが、色を塗り替えているので、使うつもりはあるのかもしれません。この機関車、上写真の2-4位側キャブ側面にある銘板には1975年製造、製造番号2061201の陰刻があるのですが、逆側1-3位側の銘板は1974年製造、製造番号13273になっているという、曰くつきのスイッチャーです。

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■紀州製紙専用側線で入換中のNo.9   2007年12月

鵜殿の紀州製紙専用側線では、日に何度か入換があったので様々な角度から撮ることができました。

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1-3位側のボンネット先端台枠下には、スパークアレスタ(火の粉除去装置)が設置され、その直上に煙突が伸びています。紀州製紙紀州工場は紙を製造する工場ですので引火性のある気体や液体を扱う拠点ではありませんが、新製配置先が日通(C社四日市製油所向け)であるため、スパークアレスタ付きで竣工したものと思われます。

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このように、1-3位側の銘板は同じC社四日市製油所No.8の銘板を付けています。

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No.8もNo.9も防爆仕様で、かつエンジンはカミンズ社製NH-220BI(212ps/2,100rpm)、ボンネット妻面が平面タイプという点も共通です。No.9でありながら同型機のNo.8の銘板を付けているのには何か理由があるのかもしれません。余談ですが、エンジンの馬力が212psという中途半端な値になっているのは、製造元のカミンズ社が米国のメーカーで、馬力を英馬力(HP)を基準に設定しているためです。210HP(英馬力)≒212PS(仏馬力)というわけです。

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端梁を見ると、キャブ側妻面のみBP管だけでなくMR管の引き通しもあるので、重連総括制御が可能であったと思われます。

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再起する日を待ち望んでいます。

■No.8とNo.9の動静について

岩堀春夫著「鉄道番外録」シリーズや、沖田祐作著「機関車表 フルコンプリート版」によると、本記事で紹介しているスイッチャーNo.9は安中の東邦亜鉛専用側線で使用されていたように書かれていますがこれは誤りで、安中に転出していたのはNo.8の方です。No.8とNo.9は同型機ではありますが、速星や安中に転出していたNo.8はラジエーターカバーの形状がNo.9とは異なっており、またNo.9は端梁の解放テコの長さが左右非対称である(2-4位側のみ長さが短い)ので、容易に識別ができます。No.9の1-3位側の銘板がいつからかNo.8のものになっているので混乱に拍車をかけていると思いますが、スイッチャーの識別には、銘板の製造番号や文献情報の前にまず実機の形態をきちんと観察することが肝要です。

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2018年4月 5日 (木)

【くろがね線を読み解く】第266回 ■小倉地区D506新塗装化&エンジン換装

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 Y製鐵所小倉地区の構内鉄道用ディーゼル機関車は、Y製鐵所標準塗装へ変更されつつある。2018年3月には、エンジン換装のうえ標準塗装化されているD506を見ることができた。ちょうど桜の時期に初めて訪問することができ、感無量である。

前位側ボンネット上に棺のような物が載っているのは戸畑地区のエンジン換装機(D612、D443)と同じである。本来の標準塗装であれば、オレンジ色がボンネット上部まで廻り込んでいるのだが、小倉地区の標準塗装(もどき)は、なぜかキャブの上半分だけオレンジで下はボンネット含めてクリーム色である。前回D301の記事でも言及したのだが、もう少しオレンジの面積を大きくした方が見栄えが良いのではないかと思う。

D506

こちらは2015年12月の姿。上写真とは逆の非公式側である。

D506は、住友金属小倉へ新製配置された機関車ではなく、かつて平成筑豊鉄道金田駅と三井鉱山セメント田川工場を連絡していた三井鉱山専用鉄道で使用されていたディーゼル機関車のNo.3とされている。2004年にセメントの発送が無くなったため、用途不要になり、小倉へ譲渡されたものと思われる。同専用鉄道には同じ日立製の丸屋根の機関車としてはNo.2もあり、自重も性能も同じなので、正体がどちらなのか迷うところである。もしNo.3ならば、竣工時のディテールは以下の通りである。

  • 製造者 : 日立製作所
  • 製造年月: 1969年9月
  • 製造番号: 13079
  • 自  重 : 50t
  • エンジン : 新潟DMF31SB(500ps/1500rpm)×1基
  • 液体変速機:新潟コンバータDB138

換装されたエンジンは、キャタピラー社製C15ACERTかコマツ製SA6DXXXあたりを積んでいるのではないかと思われるが、詳細は不明である。

小倉地区の高炉は2020年をもって火を落とすことがすでに決まっているが、エンジンを換装したということは、D506は高炉休止後も当面使い続けるのではないかと思われる。ただし活躍の場が小倉とは限らない。戸畑地区や八幡地区も軌間は同じ1,067mmであるため、転用の可能性も考えられる。もしあるとしても当分先だとは思うが。

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