カテゴリー「 C.協三工業のスイッチャー」の42件の記事

2017年10月 3日 (火)

◆尾去沢鉱山の保存車◆ニチユ10tロッド駆動と仲間たち

 お盆期間中、避暑と青春18きっぷ消化を兼ねて北東北へ行ってきました。秋田では、2011年6月の仮オープン以来の訪問となる小坂レールパークと、そのついでに尾去沢鉱山を訪ねました。両拠点は、鹿角花輪駅経由で路線バスが連絡しているので、鹿角花輪駅前の旅館に泊まり、翌朝フロントに荷物を預けて両方訪ねると楽チンです。

※2017年現在、尾去沢行のバスは麓の集落が終点となり、鉱山前までは行かなくなっています。鉱山へは、鹿角花輪駅からタクシーで10分です。

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■尾去沢鉱山駐車場に保存されているニチユ10t半キャブロッド駆動   2017年8月13日

全長1.7kmに及ぶ観光坑道が見どころの尾去沢鉱山には、かつて陸中花輪駅(現 鹿角花輪駅)の側線で入換に使用されていたスイッチャーが綺麗に保存されています。花壇の花も良く手入れされていますし、スイッチャーの方も定期的に塗り直されているようです。1963年(昭和38年)9月に日本輸送機で製作された凸型機関車で、自重10t、車軸配置はBです。最終動力伝達方式は、動輪の片方を動かしロッド棒によって他方へ動力を伝えるロッド駆動方式です。

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銘板はこちらの非公式側にあり、型式DL10MC1067、製造番号1025002と判読できました。上写真一枚目とこの二枚目を比較すると、ちゃんとロッド棒の位置(位相)が変えてあるのが分かりますね。角度のズレは90度っぽいですがどうでしょう??

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写真はすべてボンネットの蓋を閉じてから撮影しています。訪問時は蓋が開いており、三菱のロゴの入ったエンジンが搭載されているのが分かりました。帰宅後に調べてみると、朝日新聞社『世界の鉄道’70』に詳細が掲載されていました。それによると、調査当時、陸中花輪駅の三菱金属鉱業尾去沢鉱業所専用側線の入換作業は、丸佐運送合資会社が所有する私有機2両によって行われており、うち1両が酒井製の10t機、もう1両がこの機関車でした。諸元は以下の通りです。

  • 自  重  : 10.1t
  • 全  長  : 5,250mm
  • 全  幅  : 2,495mm
  • 全  高  : 2,620mm
  • エンジン  : 三菱ふそう DB31L (130ps/1800rpm)
  • 液体変速機:岡村製作所 PM18
  • 最高速度 : 21km/h

エンジンは、当時のバスやトラック・建機で汎用的に使用されていた三菱DB系が採用されています。動輪径は、自重8~10tクラスの国鉄貨車移動機のロッド駆動のタイプと同じ660mmです。

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スイッチャーの近くには、説明の看板がありました。一般論としてこういった看板の記載内容は間違っていることもあるので鵜呑みは危険ですが、この看板は、入換作業に従事した丸佐運送がこのスイッチャーを尾去沢鉱山へ寄贈した際に立てたもののようですので、読む価値はあると思います。表題の「10トンディーゼル機関車 型式DB-3IL」は、前述のエンジン型式(DB31L)のことを指していると思われます。私有機の場合、複数ある入換動車を識別する際に、番号ではなくエンジン型式で呼称するケースがあるにはありますが、それに相当するのか、はたまた単なる型式の取り違えなのかは、分かりません。

●ロッド駆動半キャブの仲間たち

 スイッチャーの保存車は数あれど、この尾去沢鉱山の保存車と同じロッド駆動のしかも半キャブとなると、数えるほどしか残っていませんね。

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■JR網干駅前に保存されているニチユ製の同型機。(2007年に駐車場所有者の北沢産業の管理者に許可を得て撮影)

同型の北沢産業DB2。JR網干駅近くに静態保存されています。1961年(昭和36年)日本輸送機製の10t機ロッド駆動タイプで、型式は同じDL10MC1067、製造番号は876001。こちらも世界の鉄道に掲載されていました。(ちなみに、沖田氏の機関車表に収録されている製造番号876002読み取り誤りですので、引用して拡散しないようお願いします

  • 自  重  : 10t
  • 全  長  : 5,250mm
  • 全  幅  : 2,499mm
  • 全  高  : 2,620mm
  • エンジン  : 三菱ふそう  (130ps/2000rpm)
  • 液体変速機:岡村製作所 RM18
  • 最高速度 : 21km/h

丸佐運送のニチユ10t機と寸法も出力もほとんど変わりません。

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■古河鉱業所有のニチユ8t半キャブロッド駆動  2011年8月、足尾駅前

次は足尾駅前の動態保存車。同じく日本輸送機製のロッド駆動半キャブで、同型、と言いたくなるところですが自重は10tより少し軽く8tです。古河鉱業の私有機で、1965年(昭和40年)7月製造、型式DL8MC1067、製造番号1105001です。普段は傷まないようにシートに覆われており、数年に一度イベントで動きます。

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■くりはら田園鉄道DB101。協三工業製の10t半キャブロッド駆動   2013年、若柳駅跡

こちらも動態保存機ですが、残念ながら?日本輸送機製ではなく協三工業製の10tロッド駆動機です。元くりはら田園鉄道DB10形ディーゼル機関車DB101で、車体内部の銘板によると、1965年(昭和40年)6月製造、型式D10-1067、製造番号10470です。くりでん保存会が年に1回程度動かしていますので、運が良ければ動くところを見られます。入換に便利なように、通常はキャブ中央にある逆転器レバーが非公式側窓際に設けられているのが特徴で、それを除けば、平凡なスイッチャーです。ちなみに5~10tクラスの貨車移動機は、足でアクセルを踏み込んで速度を調整します。逆転器レバーは変速レバーではありませんので、ご注意ください。

2017年春にオープンしたくりでんミュージアムで、DB10形の形式図や諸元の記載された「宮城中央交通 車両竣工図表」が購入できます。DB10形の発注時はバス会社と合併していたのでこの社名ですね。以下に抜粋します。

  • 自  重  : 9.8t
  • 全  長  : 5,150mm
  • 全  幅  : 2,499mm
  • 全  高  : 2,620mm
  • エンジン  : 日野自動車 DS50A  (80HP/1500rpm)
  • 液体変速機: 新潟コンバータ 8A-1350

見た目はニチユ製に似ており、寸法もほとんど変わりませんが、製造者の違いから搭載しているエンジンと液体変速機が異なります。

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■馬頭運送で保管中の協三工業製10t半キャブロッド駆動。   2014年、栃木県

こちらは、栃木県の馬頭運送が協三工業から引き取ったロッド駆動の半キャブです。たしか本社工場で保存されていたモノだった気がしますがうろ覚えです。連結器が柴田式自動連結器ではありませんが、土木工事軌道で使用されていたのでしょうか。馬頭運送は、全国各地から蒐集したスイッチャーを修復・動態化しており、那珂川清流鉄道保存会に移設されたものは公開時に動くことがあります。今回は4両紹介しましたが、他にもロッド駆動の半キャブをご存知の方は、情報お待ちしております。

●2017年10月7日追記

 相互リンク先の西宮後停留場様より情報をいただきました。北海道の丸瀬布いこいの森に、佐藤工業製の10t半キャブロッド駆動が静態保存されているそうです。詳細はこちら

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2016年6月29日 (水)

★製紙メーカーO社専用側線★日車25t+協三20tの重連入換

 2016年4月、専用線探訪の大先輩から「春日井のスイッチャーが重連になっている」との情報をいただいて、23日土曜日にようやく訪問することができました。

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 製紙メーカーO社は、春日井工場とJR中央本線春日井駅を連絡する専用側線での貨車入換用にスイッチャーを2両保有しています。いずれも日本車輌製造製の機関車で、片方が自重35トンの2軸ボギー機、もう一方が予備で自重25トンの2軸機です。日車35トン機が不調になって以降、25トン機が1両で貨車の入換を行っていましたが、4月訪問時はこのように日車25トンの後方に朱色の2軸機関車をもう1両連結した重連風味になっていました。

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 後部の朱色の機関車の詳細については、鉄道ピクトリアル2013年10月号の拙稿にて紹介しているので詳細は割愛しますが、秋田臨海鉄道で用途不要となり、ジェイアール貨物北陸ロジスティクスにより引き取られたあと、伏木貨物駅でしばらく保管されたのち、当地へやってきたものです。

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元は国鉄土崎工場(現 秋田総合車両センター)の入換用ですが、国鉄の車両工場における被牽引車は電車・気動車がメインであり貨車よりも車体幅が広いため、入換運転時の運転士の視界確保の観点から、キャブの運転台側(公式側)が車体外側に向けてせり出しているのが特徴です。

なお前後どちらの機関車もBP管しか装備していないため、当然ですが重連総括制御はできません。この日はエンジンを起動しておらず無動力でしたが、いずれは本格的に使用される日が来るのかもしれません。

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荷を積んだ貨車の工場からの引き出しは2回に分けて行いました。情報によると、空車の引き込みは日車25トン機1両で実施するとのことでしたが、この日は東京メトロ16000系のJR東海管内での甲種輸送を撮影するため早めに切り上げてしまい、確認はしませんでした。

●日車25トンBの過渡期モデル

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 日車25トンBは、1960年代は凸型セミセンターキャブスタイルの規格品が大量生産されていましたが、1970年頃から15トン機と車体部品が共通化され、凸型からL型へとそのスタイルを変えています。もっとも、当初は台枠より下は凸型25トン機のまま(全長7,350mm、車軸間距離3,100mm)だったので、そこに15トン機の車体を乗せるとボンネットの長さが足りなくなってしまいます。そこで、キャブとボンネットの隙間に、ボンネットと同一断面のスペーサーを挟むことで長さを調整しています。上写真でいうと「nepia」の「a」の右側に、グレーのHゴムの縦線が入っているのが分かると思いますが、この縦線よりキャブ寄りの数十cmがスペーサーです。ボンネットは一見面一に見えますが、車体共通化に苦心した様子が見て取れます。

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この機関車の面白いところがもう一つあって、台枠より下を見ると分かりますが、軸バネがコイルばねになっているんです。軸バネは、当初凸型25トン機と同じ重ね板バネでしたが、この車両(1975年製造、製造番号3140)を含む3両(製番3140~3142)からコイルばねへと変更されています。このあと製作された25トン機は、軸バネは同じくコイルバネですが車体が足回り含めて15トン機と共通化(キャブ前面2枚窓で全長6,950mm、車軸間距離2,300mm)されてしまいましたので、L型車体の前面4枚窓でコイルバネなのはわずか3両のみの珍車ということになります。平凡なスイッチャーのようで、意外とレアなんですよ。

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ここ春日井のO社専用側線では、スイッチャーはラジエーターカバーを外して放熱器素むき出しの状態で使用されていることが多いです。スイッチャーの形態分類をする際、ラジエーターカバーやラジエーター開口部の形状は、個体を識別・分類する際のキーになる重要なポイントですので、外されているのは趣味的にはちょっと残念です。

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2016年6月20日 (月)

★郡山総合車両センターのスイッチャー★L2-3号機の485系国鉄特急色入換

 4年前の記事で紹介しているJR東日本郡山総合車両センターのスイッチャー。撮影当時はL2-2号機が使用されていましたが、2014年9月6日の公開イベント終了後の入換では、もう1両のL2-3号機が使用されていました。

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この時はちょうど青春18きっぷ使用可能期間内の開催であったため、上野⇔郡山の往復は各駅停車で移動しました。朝に管理組合の行事に参加してからの出発となり会場到着が14時頃になってしまったので、あまり長居はできませんでしたが(笑)

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イベントは15時終了予定で、2011年訪問時は15時以降に入換が始まったのですが、この時は14:35頃には始まってしまい、慌てて会場外へ出てスイッチャーを追っかけたのを覚えています。俯瞰できる場所へ行くと、ジパング編成を引き出したスイッチャーが、郡山駅方向から戻ってくるところに間に合いました! ジパングは当センターの検査出場車ではなく、イベントで展示するために回送されてきた車両です。

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控車(ヒ600改)を推進して工場へ向かうスイッチャーL2-3号機。郡山総合車両センターでは、電車から気動車まで幅広く検査をしているため、被牽引車両の種類により連結器を切り替える必要があります(密着連結器or自動連結器)。興味深いのは、スイッチャーに双頭連結器を付けるのではなく、被牽引車との間に連結器切替可能な控車を挟む方法をとるという点です。また空気バネの車両は、検査中はエア供給断により車高が低くなるため、連結器のレール面上の高さが880mmよりも低くなります。これに合わせるため、控車の連結器は高さの変更もできるようになっています。

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ジパングの引き出しが終わると、今度は展示車両の485系国鉄特急色編成の半分3両を引き出して、

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スイッチバックすると、

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展示場所の線路から工場建屋の方に押し込んでいきました。

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そして青森方の残りの3両も引き出し、先程押し込んだ3両に連結して6両編成を組成すると、

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再び建屋へと押し込んでいきました。しばらくこの位置で停車していたので、

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別の角度からも。遮断機があがって踏切上から撮影したこのアングルが、一番のお気に入りです。

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この時は、まさか2年後に引退するとは思いませんでしたね。入換シーンが撮れて本当にラッキーでした。

●L2-3号機

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 郡山総合車両センターの入換動車は2両あります。内訳はL2-2号機とL2-3号機で、今回紹介するのは3号機の方です。福島市内に本社工場のある協三工業により1975年(昭和50年)に製造された車軸配置Bの機関車で、車体表記から自重は25トンです。

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2号機と比べて、キャブ妻面窓の天地方向の大きさが若干大きいほか、台枠真ん中のエアタンク脇にステップがあるので見分けがつきます(2号機にはありません)。寒冷地仕様のため、ホイッスルにはカバーが付いています。

●485系1000番台国鉄特急色 さよなら運転実施 (2016年6月19日、20日)

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 仙台臨海鉄道や東北本線のレール輸送臨時貨物列車を撮影するついでに、最後の雄姿を拝んできました。こちらは19日に仙台→郡山間で運転された列車で、「ひばり」のトレインマークを表示。

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こちらは同日の郡山→仙台の回送列車で、「あいづ」を表示。

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こちらは20日に運転された「つばさ」表示。今回表示された「ひばり」「あいづ」「つばさ」はいずれも、1982年6月の東北新幹線大宮-盛岡間暫定開業時のダイヤ改正以降も上野直通が残されていた列車で、特に山形新幹線が開業した1991年まで残っていた「つばさ」と、1993年まで残っていた「あいづ」は、首都圏に住んでいた私にも馴染み深い列車です。

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2016年6月 6日 (月)

車輌メーカーH社の機関車を訪ねて2016

 2016年某月某日、車輛メーカーH社の公開イベントに行ってきました。いつも通り、正門で記帳して撮影許可証をもらい、胸か腕の見えやすい場所に貼り付けます。H社構内にはかつてリニア地下鉄試作車や試作電車が残されていましたが、いずれも解体。今年5月までにED500-901も姿を消し、あまり見るべきものが無くなってしまいました。

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変化としては、昨年イベントにあわせて搬入されたED78形1号機(当所製)が再塗装され、保管スペースに屋根が付いたことでしょうか。美しい姿を披露していました。

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運転台を覗けるようにステップが置かれていましたが、昇れるのは1エンド側(国道門側)だけでした。

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機関車製造に携わっていたOBの方がたまたまいらしたので訊いてみると、当所製の機関車で引退したものの一部は、今後も引き取って保存したいようなことを仰っていましたが、それならばED500を保存してほしかったなぁ。やはりこのメーカーにとっては汚点なのか。。

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去年と違い1エンド側からも見られたのは良かったです。この機関車が利府で保存されていた際も、1エンド側は隣の機関車がすぐ傍にいてギチギチでスペースが無く、うまく撮れませんでしたので、これは嬉しいですね。

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そしてステップを昇ると窓ガラス越しではありますが運転台を見ることもできました。状態が良いですね。

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 ED15形1号機も、今年は再塗装され、大変美しい姿になりました。そしてなんとパンタグラフが2基とも上がっています! 昨年までは降りた状態でしたので、これは嬉しい誤算でしたね。

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せっかくの姿ですから、反対側からも。

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 イベント会場から門に向かって帰る途中、以前紹介した構内鉄道用の車両にまた出くわしました。機関車には特に変わったところはありませんが、今回は貨車を2両連結していました。

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うち機関車寄りの1両は、2軸ボギーの長物車で、

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なんとアーチバー台車を履いていました。このタイプの台車を履いた貨車は、古い製鉄所にまだ若干現役のものが残っていますが、珍しいことには違いありません。良いものが見られました。

◆2016年のEF200-901甲種輸送の記事はこちら

◆2017年訪問時の記事はこちら

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●おまけ

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 製鉄所繋がりで、帰り際にもう1両。銘板によると1975年4月協三工業製の20t機関車で、車軸配置はB、製造番号20881でした。ダルマのようですがまだちゃんと車輪が付いています。かつてはD202というナンバープレートが付いていたとのこと。エンジンメーカーと型式は調べましたが銘板が見つかりませんでした。土地管理者に電話にて許可を得て撮影。

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2016年4月14日 (木)

■JR西日本■向日町レールセンターのスイッチャー

 JR西日本向日町駅の南側、向日町運転所(現 京都総合車両所)の東側に、JR西日本向日町レールセンターがあります。JR西日本の路線で使用されるロングレールは、(2016年3月迄)すべてこのレールセンターから発送されていました。この拠点では、運び込まれた25m定尺レールを溶接して50m長尺レール、200mロングレールなどに加工し、長物車に積んで社内各地へ発送しています。定尺レールは、八幡・福山両製鉄所から船で輸送されたものが安治川口で陸揚げされて長物車に積載され、JR貨物の1180列車→1182列車により梅小路(京都貨物)へと至り、そこから向日町駅まではJR西日本の事業用列車により輸送されます。

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 2016年2月23日朝、8時半頃に現地へ赴くと、9時ちょうどに動車庫から入換用のスイッチャーが姿を現しました。これは2015年春から稼働開始した新型です。

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2015年松山重車輛工業製で、製造元のホームページによると諸元は以下の通りです。

  • 名 称 : 貨車移動機
  • 型 式 : MR1663
  • 全 長 : 7,700mm
  • 全 幅 : 2,600mm
  • 全 高 : 3,428mm
  • 自 重 : 23トン
  • エンジン: 定格出力254kW/2000min-1
  • 燃料タンク容量:500リットル

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スタイルは、2014年度まで使用されていた協三工業製の20t機に似せて作られているようです。

●置き換えられた旧スイッチャー

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 こちらが2014年度まで使用されていたスイッチャーです。2016年2月現在も、レールセンター西側の側線に屋外留置されています。予備扱いなのか、解体待ちなのかは、分かりません。

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2014年3月27日、この日に動いたのは、レールセンター内で200mロングレールを積み込むためでした。ちょうどレールを吊り上げている場面が見られました。

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見た目は平凡なL形2軸機。台枠中ほどにステップの無いタイプです。

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昭和47年協三工業製のL2です。

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積んだレールは10本もなかったと思います。10時過ぎには作業が終わり、長物車を切り離すと、単機で動車庫へと戻っていきました。

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このレールセンターでは、空車到着時にはDE10が直接レールセンター内まで入ってきて、長物車を留置していくので、スイッチャーはレール積込時と発送前入換の時にしか動きません。したがって、事前に動く日を予測するのが非常に困難です。加えて、2016年4月以降は、それまで当レールセンターから発送されていた山陽新幹線用ロングレールの半分以上が、8090列車による八幡製鐵所からの貨車直送に切り替えられたため、入換頻度は格段に減少しました。せっかく新型機が導入されたのに、残念ですね。

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2016年3月13日 (日)

◆電気化学工業青海工場◆上部軌道用10tディーゼル機関車

 2016年3月5日土曜日、朝イチでかなりんの特大貨物輸送を撮影後、新幹線で栃木県へと向かいました。この日は、那珂川清流鉄道保存会で保存されている元名鉄8500系気動車が屋外に引き出され、車内にも入れるとのことでしたので、新しいスイッチャーの見物も兼ねて訪問することにしました。那珂川を訪ねるのは、所属クラブの烏山線EV-E301系見学会参加を兼ねて訪問した2014年以来ですから、およそ2年ぶりです。今回は、初めて見た機関車のうちの1両を紹介します。

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 昨年新潟県からやってきたというこの機関車。見るからに坑道用DLですが、それもそのはず。電気化学工業青海工場の石灰石原石採掘現場近辺で使用されていたディーゼル機関車です。原石を工場内へ輸送するための下部軌道ともいえる原石線は既に弊ブログでも紹介していますが、採掘現場側の上部軌道の機関車はこれまでほとんど紹介されたことがありません。いやはや、貴重な車両がやってきたものです。

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正面はこんな感じ。軌間はレール幅762mmのナローゲージです。

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連結器は独特な形状の自動連結器。解放テコを持ち上げると、通常の自連のようにピンが抜ける……のではなく、ナックル自体が動いて切り離せるようになっています。

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 サイドビューは本来遠くから望遠で綺麗に撮りたいところでしたが、駐車してあったクルマが邪魔で近くから広角で撮ることしかできませんでした。広角独特の歪みがありますが、雰囲気はわかるかな?? 車軸配置はB(2軸)です。

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 キャブ側から見てみると、妻面窓とヘッドライトには防護柵が取り付けられています。屋根上に無線アンテナが付いていますが、坑道のような細長い閉鎖空間では誘導無線でないと電波が届かない気がするのですが、このアンテナは空間波無線用っぽいですね、、はてさて。。

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反対側。見たところ車体の外観に関しては、ほぼ左右対称と言えそうです。

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後ろにある軌間1,067mm用のスイッチャー10t半キャブと比較してもひけを取らない大きさ。

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軸箱まわり。

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製造者は、福島に本社のある協三工業です。

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窓ガラスの外側からフラッシュをたくと、キャブ内にあった銘板を読み取ることができました。1971年10月製造、製造番号は10776です。協三工業製機関車の製造番号は、先頭2桁が自重、残りの3桁がシーケンシャルナンバーになっていますので、この機関車は776番目に製造された機関車で、自重は10tということになります。上写真は拡大しますのでご自身の目で確認してみてください。ちなみに、沖田さんの発表された機関車表では1972年製造となっていて製造番号の記載もありません。今回この機関車がサルベージされたことにより詳細データが明らかになったのは幸運といえるでしょう。

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ここで参考までに、同じ協三工業製で製造番号の近い車両を2両紹介しておきます。左は、JR日豊本線南延岡駅連絡の旭化成専用側線で使用されている20t機(車軸配置B)で、製造年は1971年、製造番号は20768です。右は、JR羽越本線羽前水沢駅連絡の水澤化学専用側線で使用されていた30t機(車軸配置B-B)で、製造年は1971年、製造番号は30777です。

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キャブ内にある弁とメーター・スイッチ類。これらもすべて車外からフラッシュ撮影。走行距離を見る限り、あまり使用されていなかったようです。

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キャブ内左手には、工業用サーモメーターと思しき装置が取り付けられていました。

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右側の液柱の目盛は0~100なので温度を指すと思われますが、左側は0~120で目盛の間隔も異なっています。どのような用途に使用するのでしょうか。

●エンジン

 先日那珂川を訪れた方の調査によると、上部軌道用10トン機関車のエンジンは、日野製DS50とのことです。標準馬力は160psとのことですので、過給器やインタークーラーが付いていない限り、概ねその位の馬力と思われます。

●おまけ

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場内では、修復を終えたタ3077の表記類貼り付け作業が行われていました。2軸のタンク車は保存車両を含めても珍しい存在です。昨年10月に津軽鉄道のイベントでタム501が本線走行しましたが、この車両も何らかの形で構内を走行してほしいものです。

【注意】
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2016年1月20日 (水)

★JR貨物西大分駅のスイッチャ― ①新旧交代の儀

 JR貨物西大分駅には、貨車入換用の入換動車(以下、スイッチャーと呼ぶ)が2両配置されています。1990年代まで、九州の貨物駅では、着発線と荷役線の間で貨車を入れ換えるためのスイッチャーが数多く活躍していましたが、JR貨物の着発線荷役・E&S化の推進により次々と姿を消し、現在でも現役なのは西大分と延岡の2駅だけになりました(延岡は2015年3月にDE10入換動車をスイッチャーで置き換え)

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西大分駅の全景は上の通りです。コンテナ線と1番線が荷役線、2番線が下り授受線、3・4番線が下・上本線、5・6番線が上り授受線、7番線が機廻り線としてそれぞれ使用されています。このほか鹿児島寄りに引上げ線があり、下り貨物列車到着後の入換や、上り貨物列車に連結する貨車を荷役線から本線を横断して5・6番線へ入れ換える際に使用されます。

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2両配置されているスイッチャーのうち、使用される車両の常駐位置は1番線です(左写真)。使用されない方は、7番線の小倉寄り末端から分岐している保材線と呼ばれる線路にいます(右写真)。2016年1月9日に訪問した際は、1番線に「505」が、保材線に「106」がいました。したがって、505がこの日入換に使用される方のスイッチャーということになります。


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 保材線にいた「106」は、一昨年の記事で紹介済みです(敷地外より撮影)。1973年4月に日本車輌製造で製作され、三重県四日市市の石原産業専用鉄道(関西本線塩浜駅連絡)の入換用にDL106として新製配置された車両です。2008年に専用鉄道を運行する列車が無くなると、同県内の北越紀州製紙専用側線(紀勢本線鵜殿駅連絡)の入換用に転用され、さらに同側線が2013年3月に廃止されるとJR貨物に譲渡され、2014年に西大分に現れました。配置当初は一昨年の記事の通り山吹色のままで記号番号もDB25-106でしたが、2015年8月にJR貨物小倉車両所で全般検査を受けた際、ボディを朱色に、台枠を白に塗装され、記号番号も単に106となりました。小倉車両所で全般検査を受けたスイッチャーは、本州のスイッチャーの朱色(国鉄DL色に近い朱色4号?)より幾分明るく、中央線201系のオレンジバーミリオン(朱色1号?)に近いのが特徴です。一つ上の写真のスイッチャー505は、塗装変更前の姿ですので、よく見比べてみてください。

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 さて、既に述べたように、使用スイッチャーの普段の常駐位置は、1番線です。早朝5:42に4071列車から切り離した貨車を1番線へ押し込み、続いて9:42着の4075列車から切り離した貨車をコンテナ線へ押し込むのですが、終了後必ず単機で1番線へ戻るのが通常運用です。しかし、ごく稀に上写真のようにコンテナ線に貨車を押し込んだまま1番線へ戻らない場合があります。これが、スイッチャー交代のサインです。

理由を一言でいえば、荷役の都合によります。通常、大きな貨物ターミナルであれば、荷役のために貨車を留めたら、荷役するフォークリフトの方が動き回って作業するので、基本的には終わるまで貨車を動かすことはありません。ところが、西大分のコンテナホームは上の通り非常に狭隘で、場所によっては線路の間際までコンテナ置き場になっているほどです。必然的に荷役可能なスペースが限られるため、フォークリフトが荷役する場所をある程度限定し、荷役が終わったら貨車の方を編成ごとスイッチャーで動かして、次に荷役する貨車をフォークリフトのいる場所まで移動する、という手法をとります。この作業が1編成あたり数回発生します。

スイッチャー交代の日は、4075レの着後入換までは従来のスイッチャーが担当し、終了後は1番線へは戻らずにスペースを空けておいて、前述の貨車小移動時に交代スイッチャーが登場する、というのフローになります。

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 では交代が何時頃なのかというと、荷役の進捗に因るので一概には言えません。コンテナが普通に乗っていれば、概ね13時~15時頃が多いようです。私が撮影した日は14時過ぎでした。運転1、誘導2の合計3名体制での入換作業となります。分岐器は側線含めて自動ポイント化されているので、2名でも可能かもしれませんが、本線横断を伴うので保安上の観点で人数を増やしているのかもしれません。このほかに、駅ホーム上にある操作室で本線線路の閉鎖や分岐器の切り替えを行う方が1名います。

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保材線を出て7番線へ入線し、中島踏切付近の本線横断箇所へ向かうスイッチャー106。

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本線横断前に一旦停止することは容易に想像がついたので、Bダッシュして先回り。7番線を出たスイッチャーは、

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3・4番線を渡って引上げ線へ。

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スイッチバックして、1番線へと滑り込みます。


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日車のスイッチャーがJRのマークを付けていると、なんとなく違和感がありますね。


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コンテナ線の505と並んだ106。更に貨車に接近して、


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連結しました。

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新旧スイッチャーの並びは、交代の間の数時間しか見ることができない貴重なシーンです。このあと、505の方が本線を逆に横断して保材線へと納まり交代終了となるのですが、その入換時刻はなんと日没後です。理由は、コンテナ線の貨車を南延岡発の4076レに連結するために本線を横断して5番線へ押し込むのが20時過ぎであるためです。終了後、スイッチャーは通常のように1番線へは戻らずに保材線へ向かうことになります。

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翌朝見てみると、505が保材線に納まっているのが確認できました(写真左奥)。

 西大分の2両のスイッチャーに正副の関係はなく、2週間毎に交代する交互使用体制です。交代日は土曜が多いようですがたまに日曜にやることもあるみたいです。また1両が検査で不在の間は、当然残りの1両が2週間を超えて稼働し続けます。平日しか稼働しない専用線の場合、スイッチャー交代は週末金曜にやることが多い印象ですが、西大分発着の貨物列車は土日も運行されるので、週末土日に交代シーンが見られることになります。平日自由に動けないサラリーマンにはありがたいですね。

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2015年9月28日 (月)

★苗穂車両所輪西派出公開★スイッチャー・貨車展示

 2014年10月4日、JR貨物苗穂車両所輪西派出が一般公開されました。2013年7月27日に鷲別機関区輪西派出として公開されて以降、2年連続となります。2013年の公開イベントは初開催ではありませんが、前の公開から20年以上経っていますので、今回は事実上公開2回目と言ってよいでしょう。

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実は2013年のイベント予告時に情報は得ていたのですが、天気予報が雨でしたので訪問を控えました。2014年は開催日含めて週末土日共に天気は晴れ。絶好のイベント日和となりました。入口には手作り感あふれる横断幕が掲げられ、詰所で構内案内図を配布していました。 

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このイベントの目玉は、DD51形ディーゼル機関車の運転体験や部品販売……ではなく、入換用機関車が展示されることです。以前紹介しているように、この工場は敷地外から見られる場所がほとんどなく、中で使用されている入換機関車についてもこれまであまり多くの情報が得られませんでした。このようなイベントを開催いただけるのは、ほんとうに有難く、夢のようです。


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 まずは、以前輪西の丘から撮影したスイッチャーから。JR貨物北海道支社の通風コンテナに似た塗装を施された20t機です。ラジエーターカバーの前に絨毯のようなものがかけられていますが、防雪用でしょうか。

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1978年(昭和53年)協三工業製で、機械番号は06-28-01-082です。機関車表フルコンプリート版によると、新製時に06-28-01-082だったものが、後に東室蘭駅配置となり、06-28-01-272に変更されたことになっていますが、実際に現物の機械番号を確認すると上写真の通り「082」です。後述しますが、機関車表の「272」の記録は間違っていると思われます。

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2エンド側からもじっくり眺めます。スノープラウがゴツいです。たまたま職員の方がいらしたので、声をかけてキャブの中の銘板写真を撮らせていただけないか訊いてみたところ、なんとか許可が下りました。協三工業製スイッチャーの銘板は通常、キャブ内の1エンド側窓上についていることが多いのですが、このスイッチャーは2エンド側窓下についていたので、ちょっと探すのに手間取りました(苦笑) 1978年(昭和53)年2月製造、製造番号は20992でした。

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 次に、もう1両のスイッチャーを観察。こちらは上の20t機が検査や不調で動けないときのみ出動する、予備の10t機です。普段は動車庫の中で静かに出番を待ち続ける存在で、お天道様の下にはめったに出てこない、大変貴重な機関車です。まぁ、マスプロなので形はありきたりですが。

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北海道らしく旋回窓と大型のスノープラウを装備しているのがポイントで、ボンネット先端に貼り付けられた「JR貨物」のロゴもいいアクセント。

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1975年(昭和50年)協三工業製で、機械番号は06-28-01-272です。最初に紹介した20t機の機械番号の変更後の番号と同一になっているので、おそらく機関車表はこの10t機の機械番号と20t機の機械番号を取り違えたものと思われます。


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10t機のキャブ内機器配置にはバリエーションがあるので中をじっくり観察しましたが、逆転器レバーが中央に、ブレーキハンドルが非公式側窓際に配置されたノーマルなタイプのようです。中には、入換作業時に操作がし易いよう、逆転器も窓際に配置されている機種もあります。

こちらもキャブ内の銘板を確認したところ、1975年(昭和50年)12月製造、製造番号10893でした。

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 このイベントでは、スイッチャーとともに、貨車も展示されていました。

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こちらは、以前の記事でも紹介しているチ1000形改造の控車で、種車はチ1109です。一応、トム16000形をベースに改造されたとされていますが、実際には車歴を引き継いだだけで、台枠から新製しています。その証拠に、チ1000形の軸距(ホイールベース)は4,300mmですが、トム16000形のそれは3,900mmです。車体長も、チ1000形の7,300mmに対してトム16000形は7,030mm、車体幅もチ1000形の2,550mmに対してトム16000形は2,300mm(あおり戸の厚み除く)です。どう考えても別車両ですね。

他人様のブログを拝見すると、この控車は廃車となりもう使用されていないかのような書き方をされていることがありますが、車籍が無いだけで工場内での入換に現在でも使用されています。(最近のこちらの記事も参照

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こちらは、車運車の試作車、クキ900-1です。コキ1000にタンクトレーラー積載用の受台・タイヤガイドを設置した車両で、1988年に日本車輌製造で改造されました。1989年(平成元年)7月に東室蘭-北見間で本線試験走行を実施した後は、使用されることなく輪西派出の端っこで永らく保存(放置?)されていました。残っていてよかったですね。形式図によると、寸法は全長16,320mm(連結面間隔)、全幅2,692mm、高さ1,202mmで、空車重量20.0t、最大積載量27.0tです。台車は種車のTR215Fで最高速度は85km/hです。

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構内には、随分古めかしい橋はかり(秤量器)もありました。軸距7,320mm以内の車両の全重を、最小10kg単位で測定することができます。設置年月は、なんと昭和2年7月とのこと。こんなものが残っていること自体驚きですが、とはいえ現在では2軸ボギーの貨車が大半で、この秤には乗り切らないので、使う機会はないと思われます。

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秤量器のある建屋の中から、乗車体験走行中のDD51を遠望。本輪西の専用線が現役の頃は、奥のルートインによくお世話になりました。

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惜別機関区……ではなく、鷲別機関区の区名札も過去帳入りしました。

 関東に住んでいる私のような者にとっては、北海道は決して気楽に訪問できる地域ではありませんが、今回のイベントを通して、永らく手の届かない存在だったスイッチャーたちを間近に見ることができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。同じ日の午前中に見学した室蘭製鉄所も含めて、大満足の1日になりました。製鉄所のスイッチャーも謎めいていて魅力的ですが、やはり「会いに行けるスイッチャー」は良いですね(笑) この後、スイッチャー探訪界の大御所の方とお会いし、有難いことにクルマで苫小牧まで送っていただき、翌日の711系撮影へとつながります。

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2015年9月21日 (月)

★鷲別機関区輪西派出のスイッチャー★5274レ・5273レ入換(北斗星離合)

 2014年5月の北海道内石油貨物輸送全廃に呼応するように、8月30日をもってJR貨物鷲別機関区が廃止されました。貨車の検査修繕を実施している下部組織の鷲別機関区輪西派出は、機関区の廃止後、JR貨物苗穂車両所輪西派出と改められました。今回は、鷲別機関区が廃止される前の輪西派出の入換シーンを紹介します。以前牽引機がDD51の時代に1度訪問していますが、天候不順だったのと入換の最初から撮れなかったので、再訪しました。

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■鷲別機関区輪西派出で貨車を入れ換えるスイッチャー 2014年2月28日

 輪西派出では、検査貨車の入出場のために東室蘭との間で入換が実施されています。入換前には、まず検査の終わった出場貨車を発送するために輪西派出のスイッチャーが工場から貨車を引き出して組成をします。上写真は9:20頃の様子です。

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■東室蘭駅に到着した5274レが、入換扱いで輪西派出へ向けて発車。

いっぽうこれから輪西派出で検査を受ける入場貨車は、東室蘭操を朝発つ5274列車で東室蘭まで運ばれ、入換扱いで輪西派出までやってきます。入換を始めるのは9:35頃です。機関車次位には、輪西派出で転削する車輪入り無蓋コンテナを載せたコキ車が連結されています。夏期ですと車輪が上から見えますが、冬期はこのように着雪除けのブルーシートを被せています。その後ろには空車のコキ車が2両、さらに後には本輪西⇔札幌貨物ターミナル間で使用されている石油輸送用タキ車が6両連結されています。2014年5月30日をもって当該区間での石油輸送が全廃されたことにより、北海道内から石油貨車が姿を消しました。したがって、現在では上写真のように輪西派出行きの編成にタキが連結されているシーンはもう見られません。

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■5274レ着後入換と、1レ北斗星のすれ違い 2014年2月28日、東室蘭付近

5274レ着後入換最大の見どころは、いまは亡き北斗星との離合シーンが見られたことですね。左のタキももう廃車になっていますので、どちらも過去帳入りしています。この時の訪問は2月の極寒期でしたが、感動して寒さも吹っ飛びました。

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DF200が牽引する貨車は、

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輪西派出の授受線に入線していきます。

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奥で貨車を切り離したDF200は、

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冒頭でスイッチャーが用意した検査完了済み貨車を奥から引き出してきます。入換掛がステップに乗り、分岐器毎に、毎回停止し、ダルマポイントを切り替えながら先へ進んでいきます。DF200のでかい図体で、スイッチャーの入換のような動き方をするので、コミカルです。

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東室蘭の手前で一旦停止すると、

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工場入場貨車を受け取るためにスイッチャーが手前に出てきます。

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出場貨車のすぐ傍まで来ると、スイッチバックして

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入場貨車へ連結し、そのまま奥へ押し込んでいきました。

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それを見届けるかのように、10:15頃、出場貨車もDF200に牽引されて東室蘭へ。このあと5273列車として東室蘭操へ向かいます。

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タキ3両の次位のコキが積んでいるのは事業用有蓋コンテナで、おそらく苗穂車両所向けのブレーキシューなどの修繕済部品を積んでいると思われます。転削した車輪の方は、有蓋コンテナではなく冒頭で紹介した無蓋コンテナに載せます。

●輪西派出、日中の入換

 輪西派出のスイッチャーが動くのは、なにも東室蘭入換時だけではありません。日中も、時刻不定ながら、工場と屋外の留置線との間で、検査完了貨車とこれから検査する貨車の交換作業が実施されます。動くのは平日のみで、土日は休みです。祝日は動く日と動かない日があるようです。

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入換の様子は以前別記事にて紹介済ですが、今回は輪西派出の特徴ともいえる転削車輪輸送用無蓋コンテナを積んだコキ車の入換を紹介します。入換時は、写真のようにスイッチャーの貨車連結側に常時控車が1両連結されます。入換掛は、推進時には控車に乗って合図しながらスイッチャーの運転士を誘導します。

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そしてもう一つの見どころは、輪西派出のスイッチャーと、奥を走行するオレンジ色のスイッチャーの共演・同時走行です。以前も紹介していますが、別の角度から。オレンジのスイッチャーは、鉄鋼メーカーNS社のM製鉄所から、M製鋼室蘭特殊鋼へ原料となる溶鋼を輸送する貨車を牽引するための車両で、元 北九州のY製鉄所からやってきた機関車です(車番はY製鉄所D632→M製鉄所D610へと変更)。上の2両の機関車はいずれも動く時刻が決まっていないため、並びを撮影できる確率はかなり低く、珍しいシーンです。

次回は、輪西派出公開時の様子を紹介します。

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2015年9月17日 (木)

【くろがね線を読み解く】第209回■遠賀川・香椎・鳥栖工臨201508

 2015年8月29日、Y製鐵所専用鉄道が連絡する黒崎駅より、JR九州が自社用のレールを輸送するための臨時工事列車(工臨)が運行された。

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 工臨の運転日をどうやって知るのかとよく聞かれるのだが、JR九州の黒崎発の工臨の場合は簡単で、西八幡貨物駅に留置されているチキの車票を観察すればよい。今回は28日朝の時点で、「発送月日 平成27年8月29日」と記載された車票の差し込まれた編成が留置されていたので、29日の運転が確定する。

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 以前の記事等で紹介している通り、工臨の西八幡から黒崎への出場(入換)は昼前後であることが多いので、今回も11時から張り込んでみた。以前は12時頃にDE10の重連が西の方から上ってきて黒崎へ到着し、13時過ぎに入換が実施されたが、今回DE10が到着したのは13:11とかなり遅めであった。これが2015年3月ダイヤ改正後の標準の時刻なのか、たまたまのイレギュラーなのかはわからない。


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入換をして番線を変更すると、


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あまり待たずに13:17には西八幡に向けて出発していった。


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13:17発ならば、西八幡からの戻りはおよそ20分後と想定されるが、実際にチキ車を連れて戻ってきたのは14:00であった。聞くとどうやら上り貨物列車8060レ(当日の黒崎通過時刻は8058レのスジだったが…)を1本やり過ごしてからの発車となったために遅れたようだ。黒崎-西八幡間の入換は、往復共に鹿児島本線上り貨物線を使用するため、上り貨物列車の通過している間は往路復路共に入換できない。


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今回8月29日に発送された編成は、チキ6000形14両による長大編成であった。JR他社含めても、レール輸送列車はJR貨物の150m長尺レール輸送用21両編成が最長で、定尺レール輸送ではおそらくJR九州の14両編成が最長ではないかと思われるが、いかがだろうか。もっと長い定尺チキの工臨をご存知の方は、是非ご教示いただきたい。


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黒崎到着後、最後部への反射板の取り付けが行われる。


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 今回の14両編成の工臨が黒崎を発車したのは、15:30頃であった。以前は14:35発が定番だったので、今回は入換のみならず本線走行時刻も変更されていることになる。編成の内訳を、以下に記す。左が進行方向(鹿児島寄り)、右が後方(門司港寄り)。

【発送月日 平成27年8月29日】

DE10 1756+DE10 1753

+チキ6414+チキ6034               … 【編成1】遠賀川切り離し

+チキ6253+チキ6216               … 【編成2】遠賀川切り離し

+チキ6230+チキ6273+チキ6261+チキ6259…【編成3】鳥栖行

+チキ6077+チキ6049               … 【編成4】鳥栖行

+チキ6326+チキ6351+チキ6300+チキ6014…【編成5】香椎切り離し

以下に、各編成の積荷の詳細を記す。

≪遠賀川切り離し≫

【編成1】

  • 品名・数量 25メートル60Kレール×6本
  • 貨車記号番号 チキ6414、6034
  • 着駅名  レールセンター
  • 荷受人名 北九州資材センター

【編成2】

  • 品名・数量 25メートル50Nレール×1本
  • 貨車記号番号 チキ6253、6216
  • 着駅名  レールセンター
  • 荷受人名 北九州資材センター

≪鳥栖行≫

【編成3】

  • 品名・数量 50メートル60Kレール×20本
  • 貨車記号番号 チキ6230、6273、6261、6259
  • 着駅名 鳥栖
  • 荷受人名 博多保線区

【編成4】

  • 品名・数量 25メートル50Nレール×6本
            20メートル50Nレール×2本
  • 貨車記号番号 チキ6077、6049
  • 着駅名 鳥栖
  • 荷受人名 北九州資材センター

≪香椎切り離し≫

【編成5】

  • 品名・数量 50メートル50Nレール×8本
  • 貨車記号番号 チキ6326、6351、6300、6014
  • 着駅名 香椎
  • 荷受人名 博多保線区

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 14両編成には、50m長尺レールを積んだ4両編成(編成3と5)が含まれていた。左が編成3、右が編成5である。曲線区間で俯瞰撮影すると、レールが曲がりながら輸送されている様子がよく分かる。

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工臨は15:47頃に遠賀川に到着した。チキを切り離したDE10重連が鹿児島寄りの引上げ線へ移動し、遠賀川レールセンターのスイッチャーが出てきて当駅止まりとなるチキ4両に連結。残りのチキが切り離され、スイッチャーによって鹿児島寄りの別の引上げ線へ引き込まれる。


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遠賀川止まりのチキ4両はレールセンターへと押し込まれた。


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16:27頃に仕事を終えたスイッチャーは、仕事が終わり次第レールセンター内の定位置へと戻っていった。


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編成3~5は、引き続きDE10重連に牽引されて西へと向う。しかし、JR九州の工臨の遠賀川以西は夜間走行がほとんどなので、この場所で夜まで待機することになる。工臨の動きそのものは2年前のパターンと同じだが、その運行時刻は変わっていた。これが今後の標準なのか、今回限りのイレギュラーなのか判断がつかないため、注意を要する。

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