カテゴリー「▼私鉄の希少車輌 5.近畿」の24件の記事

2017年12月12日 (火)

◆車両メーカーM社の試験センター◆MIHARA-Liner

 某所にある重工メーカーM社は、完成車両の試運転や各種試験を行うための試験線を擁しています。全長3.2kmのこの試験線は海とグリーンベルトに囲まれており、外部から容易に近づくことができませんが、近隣の山に少し上ると、俯瞰することができます。車両の試運転や試験の実施は平日が中心になると思われ、また毎日とも限らないため、わざわざ遠方から撮影のために訪問しても空振りするリスクがあり、気が進みませんでした。しかしとある土曜日に某団体の見学会が計画されていることを知り、それならば見学者を乗せて100%走るだろうということで、某展望台を訪ねることにしました。

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その日は朝から快晴でした。これが瀬戸内海の埋め立て地に増設されたM社のW工場です。ちょうど東側半分を見ています。工場内には、ここで製造された路面電車や新交通システム用車両の試運転を実施するための試験線あります。試験線には、鉄軌道の鉄輪試験線、高速新交通システム(高速AGT)試験線、センターガイドAGT試験線、磁気浮上試験線の4種類があります。敷地の外周に沿って設けられた小判型のエンドレス軌道が、鉄輪試験線です。

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鉄輪試験線には、試験車両牽引用兼車載コンポーネント試験用、見学者乗車用として、MIHARA-Linerという2両編成の電車が用意されています。MIHARA-Linerは2015年に兵庫県の能勢電鉄から譲り受けた1500系電車(1504形+1554形)で、元阪急電鉄2100系です。1504形はGENKI君1号、1554形はGENKI君2号と命名されています。由来は「元気」に走り回るのゲンキ以外に、原器(メートル原器やキログラム原器のゲンキ)と、あともう一つありましたが忘れました(苦笑) この日は、鉄道総研が保有する元JRサハ204-105を連結して走行していました。よく見ると、鉄輪試験線は3線軌条になっており、MIHARA-Linerは軌間1,435mmの標準軌の線路上を走行していますが、被牽引車のサハ204は1,067mmの線路上を走行しています。この場合、連結器の中心位置が合いませんが、撮影した写真をズームすると、GENKI君2号の連結器を改造して中心位置をずらしてあることがわかりました。興味深いです。

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鉄輪試験線の全長は3.2km(うち直線部1,050m)、最少曲線半径は120m、最大勾配は50‰です。レールは本線部分が欧州規格のEN54E1、分岐線部分(本線及び分引込線)がJIS50Nです。また3線軌条の3本のレールとは別に、PC枕木上にレール緊締具を設けてあり、レールを敷設すれば軌間1,000mmにも対応可能になっています(さすがにインドのブロードゲージは無理でしょうけど)。また架線電圧は直流1,500V/750V/600Vの3電源に対応済みですが、架線柱の碍子は高圧にも対応しているので、受電設備さえ持ち込めば交流2.5kVでの試験も可能なようです。保安装置は無く、試験線利用者が必要に応じて持ち込み設置するようです。

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こちらは磁気浮上試験線(HSST)です。3両編成が留置されていましたが、動く様子はありませんでした。

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こちらはオフレールの新交通システム用車両。出荷前でしょうか。写真をズームすると「Macao」とペイントされていたので、マカオ向けと思われます。

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こちらが本線から分岐する引き込み線部分。この急曲線は路面電車の試験用でしょうね。

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実際に引込線の先には広島電鉄向けと思われる車両が留置されていました。敷地の真ん中に、ポツンと路面電車が置かれていますね。

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まずは広電から。車体は綺麗ですがパンタグラフが付いていないように見えます。まだ試験の最中でしょうか。

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線路から外れて置かれていたのは、元広島電鉄の555号でした。パンタグラフを上げた状態で保管していますが、何かの試験に使用した後、そのまま用途不要となったのでしょうか。

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少し場所を変えると、西側半分も見えました。2017年現在、鉄道総研のサハ204は「脱線しにくい台車」の研究・開発に使用されているようです。これは、2000年3月8日に営団地下鉄日比谷線中目黒駅付近で発生した、乗り上がり脱線事故を、今後防止するための取り組みです。

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鉄輪試験線の途中には3か所ほど簡易的なホームのようなものが設けらた場所があります。昼休みなのか、MIHARA-Linerは試験走行を一時中断しました。しばらくすると中から関係者がぞろぞろと出てきました。面白いのは、MIHARA-Linerは通常の運転台からのドア操作により自動ドアを開閉しますが、阪急とJRではドアの制御方式が異なるので、サハ204はドアコック操作でドアの開閉をしていました。

滞在1時間ほどで興味深いものが見られ満足です。帰り際に気付きましたが、このW工場は社有地内に船積可能な岸壁を持っているので、船から陸揚げした車両を工場内に搬入する際に公道の通行許可を取らずに済むのもメリットなのかなと思いました。また違う車両が試運転を行う際は、ぜひ再訪してみたい場所であります。

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2017年11月26日 (日)

◆養老鉄道◆元近鉄ラビットカー2017年全検後

 2017年11月25日土曜日、西濃鉄道の石灰石列車の牽引にディーゼル機関車DD402が使用されているとの情報が入りました。これまでDE10 501とDD403は何度も撮っていますが、DD402はまだだったので、土曜に帰宅する予定を一日延ばし日曜日に美濃赤坂を訪れることにしました。しかし26日日曜日に列車は運行されたものの、使用されていたのは残念ながらDD403の方でした。情報をいただけたのは大変有難かったのですが、こればかりは運ですね。残念。

仕方がないので、朝の1便だけ撮って撤収し、近くを走る養老鉄道へと向かいました。こちらの鉄道では、近鉄南大阪線用初の高性能車(除く特急形)6800系をルーツとする、600系606編成が、秋の全般検査を終えて出場し、活躍しています。

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2017年秋の全般検査で、集電装置が菱形ボックスパンタからΣパンタへ交換されたようです。しかしカラーリングはラビットカーを維持してくれました。ラビットカーと言っても、近鉄養老線(現 養老鉄道)向けに改造された際に主電動機を低出力のものに交換しており、走りはあまり高性能車らしくはありませんが(苦笑)

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この日曜日は、正午過ぎに西大垣の車庫から大垣まで回送されてきて、午後は大垣-揖斐間の単純往復運用に就きました。この区間は営業キロが短いので、短時間で何度も撮影できるのは魅力です。桑名方面へ行ってしまうと戻ってくるまで待つ時間が長く、効率が悪いので。西濃鉄道は残念でしたが、こちらは運が良かったです。

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2017年9月22日 (金)

★神戸電鉄★鈴蘭台車両工場のバテロコ

 2016年度内の引退が決まり、秋に最後のイベント走行が実施された神戸電鉄鈴蘭台車両工場の入換車、元デ101。これに代わる入換用牽引車、事前情報ではディーゼル機関車になるとの出所の分からない噂もありましたが、実際に導入されたのは、蓄電池駆動の機関車でした。2016年2月頃に鉄道仲間から寄せられた情報では、鈴蘭台に搬入される前に谷上駅の側線に留置されているところが目撃されています。きっと深夜帯そこからにオンレールで鈴蘭台まで来たのでしょうね。

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2016年秋の鈴蘭台車両工場公開イベントに行ってみると、その姿を間近で見ることができました。リプレイスしたデ101を模したような電車風のデザインですね。ヘッドライトが点灯しています。こちら側(三田側)は密着自動連結器を装備しています。

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側面から見ると車軸配置は2軸(B)で、床下機器はトモエ電機工業(現 新トモエ電機工業)製のバッテリー機関車のそれに酷似しています。

De003

反対側(湊川・新開地側)はナックルが縦方向に延長された自動連結器です。縦に延長されているのは、従前のデ101と同じ理由です(リンク先の記事を参照)。連結器にロープが繋がれていますが、この日は子供達の参加する「電車と綱引き」企画の相手役に抜擢されていました。電車ほど重くないので、人力で引っ張っるのに丁度良く、また引っ張って移動したあと元の位置まで自力で戻れるので都合が良いのでしょう。このイベント、今年も企画されているようです。

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運転台は、一般的なトモエ製凸型バッテリー機関車のように横向き一箇所ではなく、電車のように車体の前後に各一箇所あります。加減速調整用のレバーも、電車のT型ワンハンドルマスコンのような形状です。

De005

足回りの構造は、以前紹介した阪急電鉄正雀工場のバッテリー機関車とそっくりですね。車体側面の窓ガラスに貼り出されていたこの機関車の諸元は、以下の通りです。

  • 形  式  : TRD-025-U-1067
  • 竣工年月日: 2016年2月24日
  • 自  重  : 25t
  • 牽引重量 : 最大160t
  • 制御方式 : インバータ制御
  • 主電動機 : 同期モータ 75kW-6P × 2個

2016年秋の時点では名前はまだ決まっておらず、募集中とのことでした。いまはもう決まっているかな??

■2017年12月4日追記

 新トモエ電機工業の公式資料より、諸元を引用します。

  • 全  長  : 7,540mm
  • 全  幅  : 2,694mm
  • 全  高  : 3,365mm
  • 自  重  : 25t
  • 被牽引重量: 160t(40t/両×4両)
  • 走行速度 : 最大15km/h(単車、平坦)、最大10km/h(160t牽引、上り勾配2/1000)
  • 連結モード速度:2km/hr(時速2キロメートル)
  • 電動機   : AC同期モーター(エンコーダ付き) AC400V級 75kW×2台
  • 制動方式 : 常用…電気ブレーキ+正作動油圧ディスクブレーキ
             非常…電気ブレーキ+正作動油圧ディスクブレーキ+重作動油圧ディスクブレーキ(同時作動)
  • 蓄電池  : 鉛蓄電池 VSLF320型 320Ah/5hr 576V
  • 充電器  : 地上据置型 準定電圧方式(3相200V 70kVA)
  • 安全装置 : 車体前後に走行モニター付き運転台
             〔車体外部カメラ3個(前方+両側面)〕
             走行指令ハンドル…N位置自動戻り機能、警報機、非常停止ボタン、電動ワイパー

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2017年7月25日 (火)

★阪急電鉄正雀工場の入換用バッテリー機関車★BL1

 2か月以上前になりますが、久々に春の阪急レールウェイフェスティバルに参加してきました。何度も行っているので、今回は午後から1時間だけ、バテロコ目当てです。

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前回の秋のフェスティバルに引き続き、正雀工場の車両入換用蓄電池機関車BL1が展示され、記念撮影もできるようになっていました。BLは以前屋外走行を撮影しておりブログでも紹介していますが(→こちら)、細部をじっくり見ることはできませんでした。フェスティバルでのBL展示は毎年行われるわけではなく気まぐれですので、間近で観察する絶好の機会となります。

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まずは連結器。自動連結器ですがナックルが下に伸びていますね。連結相手が空気バネの車両の場合、検査中は空気を抜いているので車高が下がるため、こうなっています。

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次は台車牽引治具。前掲のブログ記事で、一見そっくりに見えるBL1とBL2の違いがどこかという話をしましたが、実はこの台車牽引治具が唯一の相違点なのです。上写真のBL1の治具は大阪寄に付いていますが、BL2のそれは神宝京寄に付いています。今度見る機会があったら見比べてみてください。

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足周り。自重25tで低速走行しかしない2軸機関車のため、簡易な構造です。外観から、平軸受かもしれないですね。どうでしょう?

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こちらはBL1の神宝京寄。台車牽引治具は未装備です。

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こちらはBL1の大阪寄の非公式側。運転台の着席部とは反対側になるため、死角確認用にボンネット先端やキャブ側面にミラーが付いています。

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ボンネット屋根上にはアンテナが付いています。スタッフに訊いてみたところ、入換作業中に工場との通信で使用するそうです。これがあるお蔭で、手旗信号を持った入換掛が機関車先端部に乗って誘導する必要もありません。BLの端梁にステップが付いていないのはこのためです。この機関車のスペックは鉄道ピクトリアル2012年2月号に掲載されておりますが、雑誌掲載時に他の機関車とメッシュを揃えるために捨てているデータがあるので、この機会にご紹介しましょう。

  • 製 造 者 : 新トモエ電機工業
  • 製 造 年 : 2011年3月
  • 製造番号  : BL1 STS120-251411 / BL2 STS120-251412
  • 全   長 : 7,050mm(連結面間)
  • 全   幅 : 2,700mm
  • 全   高 : 3,200mm(レール面上)
  • 自   重 : 24t(バッテリー5.4t含む)
  • 主電動機出力:DC450V 80kW×2台
  • 蓄電池容量: 320Ah/5hr 480V
  • 充電用電源: 三相200V 60Hz 70KVA

※取材に基づく。引用の際は本記事を出典として明記願います。

■2017年12月4日追記

 新トモエ電機工業の公式資料より、諸元を引用します。

  • 寸   法 : 上記の通り
  • 自   重 : 25t
  • 被牽引重量: 120t(30t/両×4両)
  • 走行速度 : 最大15km/h(単車、平坦)、最大10km/h(120t牽引、上り勾配12/1000)
  • 微速モード速度:0.2km/hr(時速0.2キロメートル)
  • 電 動 機 : DCブラシレスサーボモーター DC450V 80kW×2台
  • 制動方式 : 常用…サーボブレーキ+油圧ディスクブレーキ
             非常…サーボブレーキ+油圧ディスクブレーキ+負作動油圧ディスクブレーキ
  • 蓄 電 池 : 鉛蓄電池 VCF320型 320Ah/5hr 480V
  • 充 電 器 : 地上据置型 準定電圧方式(3相 200V 70kVA)
  • 安全装置 : 走行レバーデッドマン方式、警報器、非常停止ボタン、電動ワイパー、砂撒装置、サイドミラー

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 続いて、工場建屋内の車両移動機「SCARAB」。軌陸両用で枕木方向に動くこともできます。入換用機関車と同じくバッテリー駆動です。

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こちらが運転台側。メーカーは「ニチユ」のロゴがある通り、神足(現 長岡京)に工場のある日本輸送機製です。もともと入換用機関車(BL1,BL2)も同じニチユ製でしたが、2011年3月に本記事で紹介している新トモエ電機工業製のBL1,BL2に置き換えられました。

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連結器は神宝京寄にのみ装備。工場建屋外に引き出すのはBL1、BL2の役割なので、工場建屋内での車両移動はこれで充分なのでしょう。

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SCARABの運転台。制御盤は重機に近いですね。

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 今回のイベントのP6乗車体験は、いつものように900形を連結しておらず単独走行でした。

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サイドビュー。単独なので、普段900形が連結されて見えない京寄の顔も見られます。

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イベントが終わると、入換タイム。

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P6がホーム側に出てきました。

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重厚感がありますね。

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やっと見られた、京寄のお顔。BLとP6だけでもイベントに参加した甲斐がありました。

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こちらは2300形の動態保存車でしょうか。編成は2301+2352でした。最後に、歩いて東吹田検車場へと赴き話題の架線作業車を見物して、帰路につきました。

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2017年5月14日 (日)

◆大阪市交通局◆東吹田検車場のレトロ作業車

 2017年5月12~14日にかけて関西を訪れました。14日の正雀工場公開(阪急春のレールウェイフェスティバル)に寄った帰りしな、東吹田検車場を訪れてみると、面白いものを見られました。

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■東吹田検車場全景   2011年4月30日撮影

東吹田検車場は、阪急電鉄京都線の相川-正雀間にあり、大阪市交通局堺筋線用車両の全般検査・重要部検査・改造工事等を担当している車両工場です。工場の北側には上写真のような電留線があり、その端にはなにやら白いカバーに覆われた謎の車両が置いてありました。一体なんだろう、でもオンレールだから線路を走る何かには違いないと思っていましたら、今回やっとその正体が明らかになりました。

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■姿をあらわにした架線作業車   2017年5月14日撮影

正体は、架線作業用のトラックを改造した軌陸車作業車でした。乗っている線路のすぐ向こうに車止めがありますので、もはや使用していないと思われます。

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■レトロな架線作業車と堺筋線用66系   2017年5月14日撮影

前頭部には「Nissan」の文字があり、日産自動車製であることが分かります。「680」という数字の記載されたプレートが掲出されていますが、型式か何かでしょうか。

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■側面には「E-20 大阪市交通局」の表記がある  2017年5月14日撮影

側面から見るといかにもレトロな雰囲気。この作業車の用途ですが、たとえばこのようなケースで活躍していたのではないかと思われます。リンク先は、鹿児島市交通局の路面電車架線メンテナンスシーンです。大阪市交通局はかつて路面電車を運行していましたので、路面電車時代に使用していた架線作業車を地下鉄用に転用したのではないでしょうか。どうでしょう??

●2017年5月17日追記

 IRORIOというニュースサイトに、大阪市交通局へ取材した結果が掲載されていましたのでご紹介します。(→記事はこちら) 

正体はやはり路面電車時代に使用されていた架線作業車を東吹田検車場内用に改造したものとのこと。1962年に購入したもので、路面電車全廃後に堺筋線開業に合わせ、1969年にゴムタイヤから鉄車輪に改造したとのことです。したがって、軌陸車ではなく鉄路専用ということになります。シートを外したのは、処分業者を公募するにあたり入札対象として公開するためで、既に業者は内定しているそうです。良いタイミングで珍しいものが見られて良かったです。

●2017年8月19日追記

 産経WESTに続報が掲載されました。5月30日に落札業者が決まり6月末までに引き取られる予定だったが、予定価格に達さず入札不調になったとのこと。再入札までの間は、もうしばらく留置されている姿を見ることができるようですね。

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2016年11月 1日 (火)

◆山陽電鉄◆東二見車両工場の保存車

 2016年10月最後の週末、関西では複数の鉄道事業者により車両基地・車両工場の公開イベントが実施されました。今年は、まだ中に入ったことのない山陽電鉄東二見工場と、無蓋電車モトを集結させるらしい近鉄五位堂検修車庫、塗装変更された入換車のいる高安検車区の公開が同一日に設定されたため、トリプルヘッダーしてきました。

東二見の車両展示は午前中順光、五位堂は午後順光であることに加え、開場前後の行列が最も短いと想定される準大手私鉄の山陽電車から先に回った方が時間が節約できるとの算段から、まずは東二見を訪れました。

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駅から徒歩5分で会場入口の門へ辿りつきます。入ってすぐに206号車が出迎えてくれますが、

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この保存車、どの角度から撮っても如何ともし難い場所に障害物があり、まともに撮ることができません。

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せっかく綺麗に保存されているのに、置いてある場所が悪すぎます。

 山陽電鉄は元々、明石を境に東は兵庫電気軌道、西は明姫電気鉄道(のちの神戸姫路電気鉄道)という別会社でした。東の会社は姫路方面へ、西の会社も社名の通り神戸方面への延伸を目指し、それぞれ免許取得を画策していた時期もありましたが、両社とも宇治川電気に買収されて1本に繋がることになりました。この200形は、宇治川電気から独立して山陽電気鉄道となってから最初に登場した形式です(機器類は兵庫電軌22号~28号の再利用)。200形は戦後に改番を行っているのですが、この車両は205号として製造されたもので、206というのは改番後(廃車時)の車番のようです。この206は、車籍を失った後も暫くは東二見工場の入換用として使用されていたため、引退後に当地で保存されることになったようです。

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206号車のイコライザー台車。

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先へ進むと、今度は遷車台(トラバーサー)に乗せられた5000系と牽引用アントがいました。

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関西の私鉄・地下鉄はレール軌間1,435mmの標準軌を採用している路線が多いため、必然的に入換動車や入換用アントも標準軌の製品が納入されています。

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90度左から見るとこんな感じです。

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銘板も確認することができました。型式はANT22G-BWとのことです。2009年9月導入なので結構新しいですね。

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そして奥では、新旧車両が一堂に会していました。左から6000系、5000系、2000系、3000系です。

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素晴らしい天候の下、この並びを見られただけでも、わざわざ東京から行った甲斐がありました。

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こちらは当車両基地の保存車、アルミ製の2000系(2012-2505-2013)です。2000系には、鋼製・ステンレス製・アルミ製の3種類があり、更に鋼製車とステンレス車にはそれぞれに2扉車と3扉車があるためバリエーションに富んでいます。このアルミ車は、川崎車輌(現 川崎重工業)がアルミ製車両製造技術を確立するための試金石となった、貴重な車両です。

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その成果は、山陽電車の「顔」とも言える右の3000系電車の車体設計にフィードバックされています。もっとも以前の記事で紹介したように、3000系は一時高価なアルミ車体をやめて鋼製で製造されていた時期がありますので、なかなか道は険しかったようです。

目的は果たしたので、東二見は1時間あまりで切り上げ、次なる目的地、近鉄五位堂検修車庫へと向かいました。

(つづく)

●おまけ

 東二見車両基地の西端には、公開されない保存車?がひっそりと留置されています。

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こちらは2013年8月に車両基地の西側の公道から撮影したもの。手前は先程の保存車と同じ2000系ですが、アルミ製ではなくステンレス製のサハ2506号です。その奥にいる鋼製車は救援車の1500号で、元3000系サハ3550号からの改造車ですが、元は2000系鋼製2扉車を3扉化のうえ3000系へ改造編入した車両です。今後はこの2両もぜひ展示してほしいですね。

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2016年8月22日 (月)

★三岐鉄道ED222★西藤原に移設

 三岐鉄道三岐線大安駅付近の公園に静態保存されていた、元三岐鉄道の電気機関車ED222が、西藤原へ移設されたことを聞きつけ、2016年のお盆休みに訪ねました。

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公園時代は荒廃が酷かったですが、想像以上に美しい姿に復元されました! 尽力された方の愛を感じます。この電気機関車は、元 信濃鉄道2(信濃鉄道は現在のJR大糸線)で、買収後は国鉄ED222を襲名、譲渡先の三岐鉄道でも同じ記号番号のまま富田駅の入換などに使用されていたようです。

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車体に残されていた銘板によると1925年6月に電気部分を米国ウェスティングハウス社で、車体をボールドウィン社で製作されたもので、製造番号は58449.日本には他の2両を含む3両が輸出され、2015年現在3両とも形を留めて保存されています。

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こちらは同一メーカー製・同型機の元 信濃鉄道3で、買収されて国鉄ED223となり、松本電鉄でED301に改番されました。車体の銘板によると1926年8月製で、製造番号は59378.モーターが故障しているため静態保存扱いです。普段は新村の車庫内に保管されていますが、年1~2回開催されるイベントの機会に外に引き出されることがあります。

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こちらも同型の元 信濃鉄道1で、買収されてED221となり、2015年現在は弘南電鉄で除雪用機関車として毎冬期15~20回程度使用されています。つまり動態です。車体側面の窓は一畑電鉄時代に増設されたものですが、本来は冒頭のED222と同一形態の車両です。キャブ前面の窓や扉の形状は、むしろ3両の中でもっとも原形を留めていると言えます。5年前に除雪列車の運行シーンを撮影していますので、よろしければご覧ください。(→こちら

【注意】
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2015年10月 6日 (火)

★神戸電鉄★鈴蘭台車両工場の構内入換車(旧 デ101)

 2015年10月4日日曜日、神戸電鉄鈴蘭台車両工場にて「神鉄トレインフェスティバル」が開催され、今年度末で引退予定のデ101形(既に車籍はなく機械扱い)の展示と入換実演が行われました。

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 10時開場のところ、うっかり時刻を勘違いしていて9時過ぎに訪問してしまいましたが、入口から駅の方向に向かって既に300人近い行列ができていました。

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 車庫から展示場所への入換は10:30にスタート。沿道から俯瞰します。

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出庫したデ101は、

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車両工場の入口付近にある陸橋の近くまで進んだあと転線し、展示線路である1番線へ入線します。

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よく見ればわかりますが、運転台は運転室の中央に配置されています。

今回のイベントでは、展示時間内の12:00と13:30の計2回、入換運転の実演が予定されています。デ101は車籍が無いため、車両工場から外へは出られませんので、走行区間は、鈴蘭台駅へ入線する手前の折り返し地点までの間となります。

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展示場所は一番東側の線路であったため、開始直後は車両間際まで人だかりが出来てまともに撮れません(苦笑) 近くのお稲荷さんに上り、しばらく高みの見物をすることに。

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集電装置の後位側屋根上には、屋根の曲面に沿って梯子のようなものが付いていますが、これはパンタ点検用の渡り板ですね。屋上にランボードが無いので必要なのでしょう。

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車両工場の入換車は、連結器に最も特徴が表れます。前位側(左)と後位側(右)を比較すると、入換車両を連結する後位側のみナックルが縦方向に延長されていることが分かります。これは、検査中に仮台車を履いた被牽引車両の連結器の高さが通常よりも高くなるためです。神戸電鉄の車両の連結器の高さは、デ101から1000系・3000系・2000系・5000系・6000系に至るまですべて同一で、普通鉄道標準のレール面上880mmです。系列によって高さが異なるということはありません。

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角度を変えてみます。だいぶ空いてきました。


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1時間もするとようやくすっきり撮れるようになりました。デ101の背後には新旧両系列が並びます。


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近づいで特徴ある面構えの並びも。


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しばらくすると、職員さんのご厚意でヘッドライトが点灯状態になり、綺麗な形式写真も撮ることが出来ました。

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12:00の入換は撮影場所に悩み、川を渡る橋のところで撮ったものの出来はいま一つ。13:30の入換では、側面に陽があたるようになり、やっと納得のいくアングルを見つけることが出来ました。

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展示場所を出発し、折り返し地点へ向かうデ101。

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分岐器を何度も通過し、車体の角度がコロコロ変わります。

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このスイッチングに伴う動きも車両工場入換の醍醐味ですね。

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そして一番手前までくると、山をバックに本線走行しているような写真が。感無量。

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後追いで工場側の形式写真もゲット。

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ここで折り返しました。工場側のヘッドライトが点灯し、再び展示場所へと戻ります。ここで、新開地行の急行列車が手前を走行してきましたが、

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去り際にデ101との並びも実現。

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車両工場の入換は、専用線とは異なり動く時刻が決まっていないので、今回このようなイベントで動くところを様々な角度から撮影することが出来て良かったです。引退後の車両入換は、今後導入する入換動車で行うとのことなので、導入されたらまた訪れてみたいですね。

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2015年9月24日 (木)

★925000アクセス突破★さよなら南海電鉄7000系電車

 南海電鉄の通勤用電車7000系が、今月で引退することになりました。今年は南海創業130周年の節目の年。これを記念して、引退する7000系に「懐かしの緑色」の旧塗装が施されました。

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■後方に10000系指定席車を連結した7000系7037F特急サザンなんば行 2014年6月8日

 昨年運行されたラピート用50000系「ネオ・ジオン塗装」は一躍脚光を浴びましたが、当時は朝ラッシュ時に7000系もバンバン走っていたので、まさか1年で全廃になるとは夢にも思いませんでした。

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■後方に7100系を連結した7045Fなんば行  2014年6月8日

こちらは空港特急なんば行。

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■後方に10000系指定席車を連結した7000系7037F 2015年8月16日

 今回旧塗装が施されたのは、偶然にも昨年オリジナル塗装を撮影済みの7037Fでした!

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 和歌山市寄りの10000系10004Fも同塗装になり、ペアを組んで特急サザンの運用に限定で入っていました。南海のホームページで時刻表が公開されていたのは有難かったです。

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こちらがヘッドマーク2種。左が7037、右が10904に掲出されていたものです。

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■さようなら7000系HM掲出し最後の力走      2015年9月23日

 2015年9月に入ると、ヘッドマークが「130周年記念」から「さようなら7000系」へ交換されるというニクい演出もありました。

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さようなら7000系のヘッドマーク。

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■孝子峠の上り勾配へ挑む7000系+10000系特急サザン   2015年9月23日

最後の想い出に、和歌山市内を代表する?アングルで締めくくり。背後にそびえるのは新日鐵住金和歌山製鉄所で、4本並んで見える高い塔は左から順に、現役の新第1高炉、ガスホルダー、2012年度に竣工するも火入れ待ちの新第2高炉、新第2高炉火入れに伴い解体されることが決まっている第5高炉です。

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海釣りが好きな人々にはおなじみの光景。ドイツGHHからの技術移転により日本で初めて鍋車ではなく混銑車を採用した先進的な製鉄所ですが、初物であるが故に荷重は130tで、現在稼働している150t級も日本最少サイズ。

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2015年8月17日 (月)

★905000アクセス突破★2015年第一四半期引退系列

 2015年1月~3月の第一四半期は、私鉄各社で旧型車両が相次いで引退した時期でした。弊ブログでも京成3300形電車の引退を何度か取り上げています。

他社の引退系列を個々に紹介する時間が無いのでまとめて振り返ります。

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 西鉄では、私鉄の高性能車(国鉄の新性能電車)で本格的に採用されたモノコック構造の車体を先駆的に取り入れた313形電車が、2015年1月をもって引退。車体こそ新規性溢れますが、足回りは旧型電車そのもの。吊掛け駆動はのちに西武701系の廃車発生品によってカルダン駆動化されましたが、ブレーキは空制のままでしたので、制動時の前後動に懐かしさを感じる方もおられたはず。2014年大晦日撮影。

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住宅街の中を走る西鉄貝塚線において、最後の一駅間だけは長閑な雰囲気が漂います。

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 そして関東では、銚子電鉄1000形電車1001号車が引退。1002号車との協調運転が見ものでした。2015年1月10日撮影。

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3月には、阪急2300系電車がさよならヘッドマークをつけて凱旋運転。3月20日撮影。

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こうして3つの系列を比較してみると、いずれも昭和30年前後に登場したグループにもかかわらず、阪急の電車は回生ブレーキを搭載しており、またそのデザインも古さを感じさせず秀逸です。(他が悪いわけではありませんが…)

●おまけ

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 上半期引退ではありませんが、今月で終了予定の南海ラピート・ピーチアビエーション塗装。1年間運行されていた割には、撮影は今回が最初で最後となりそうです。2015年8月16日撮影。

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