カテゴリー「欧州紀行」の18件の記事

2019年6月10日 (月)

◆ベルギー◆アントヴェルペンのPCCカー

 2019年のゴールデンウィークは7年ぶりにヨーロッパに行ってきました。ドイツ・フランクフルトを拠点に、ルクセンブルク、ベルギー、フランス、オランダを鉄道で巡る正味7日間の旅です。途中ベルギーではアントワープに3連泊し、鉄道道路併用の可動橋のある臨港線と、ハンプのある操車場(欧州で2番目の規模)を訪ねたのですが、初日の金曜日こそ動いたものの、土日は沈黙。仕方なくプランBとしてトラムを見物することにしました。

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アントワープではまだPCCカーがバリバリ現役です。私の見た範囲では、平日はさすがに通勤客が多いためか、収容力の大きい新型の連接車が主力のようでしたが、土曜日はおよそ1/3が上のPCCカーでした。形式は7000形に区分されているようです。

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後追い。折り返しの末端駅はループになっており、ぐるっと回って進行方向を変えるので、リアに運転台は無く、窓の形状もフロントとは異なります。

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こちらも同じ7000形ですが7007号車は特別塗装でした。ふつうに乗客が乗っていたので只の広告電車なのでしょうか。

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パンタグラフが大きいですねぇ。

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そして路面軌道はすべて舗装されており、路線バスと共用です。停留所も同じなので、モードの違いを意識せずに利用することができます。

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車庫から出庫する新型連接車。ボンバルディア製のフレキシティ2というタイプで愛称はアルバトロス、形式は7300形のようです。

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この写真のは7車体連接なのですが、まったく同じ顔で5車体連接と3車体連接が居るのも確認しました。

■アントワープという地名

日本では、フランダースの犬でお馴染みのアントワープ(Antwerp)という呼称が定着していますがこれは英語名で、フランス語ではアンヴェルス(Anvers)、オランダ語ではアントヴェルペン(Antwerpen)となります。ベルギーの公用語はフランス語、オランダ語、ドイツ語なのですが、アントワープのあるフランドル地方(ベルギーの北半分)はオランダに近いためオランダ語圏で、街中ではほぼオランダ語しか通じません。英語が通じる人でも、地名の英語読みまでは知らない人もいるので、会話の中では地名だけ現地語になったりします。知っておいて損はありません。

■ゲージのはなし

アントワープのトラムのレール幅は、1,000mmです。大陸側のヨーロッパ諸国では、長さの単位は国際標準のMKSA単位系に則りメートルです。このため、英国に直通する貨物輸送を行っているような各国国鉄の鉄道路線を除けば、島国英国のヤード・インチの長さ単位に合わせる必要はなく、軌間1,000mmの鉄軌道に時々出会うことがあります。鉱山鉄道に代表されるようなナローゲージ(Voie Etroite=ヴォワイエ・エトロワット)も、たとえばフランスは軌間700mm、ドイツは軌間750mmなど、いずれもメートル法でキリの良い値が採用されていることも珍しくありません。

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2019年1月13日 (日)

◆ドイツ鉄道◆151形電気機関車

 7年前の訪独時の写真から、ドイツ鉄道151形電気機関車を紹介します。

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■BR151 152-6 mit den 18 Güterwagen zwischen Osnabrück und Rheine. 30.4.2012

Baureihe151(151形機関車)は、重貨物列車用150形の後継機として1972年から78年にかけて170両製作された、ドイツ国内専用の機関車です。自重118.0t、車軸配置は103形と同じくC-Cで、出力5,982kW、最高速度は120km/hです。ドイツ国内では、旧西ドイツエリアの場合、本線系統の最高速度は旅客160~200km/h、貨物120~140km/hであることが多いのですが、鉄鉱石や石炭など重量貨物は120km/h列車で151形重連の出番となります。最近では、後継の152形や189形などが重連で牽引することが多いようで、この151形は亜幹線系統に転じているようです。上の152号機は、ドイツ鉄道の貨物輸送部門が独立のうえオランダ国鉄の貨物輸送部門を合併して誕生したRAILION(ライリオン)社の所有機で、Verkehrsrot(斬新な赤)塗装です。集電装置は登場時ボックスパンタでしたが、Σ型に換装されています。

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■BR151 134-4 mit den Autotransportwagen, Selbstentladewagen und Gedeckter Güterwagen. 30.4.2012

こちらの134号機はOrientrot(ドイツ鉄道誕生後最初に登場した旧赤塗装)です。全面運転台窓下の白い警戒塗装が特徴で、ドイツでは「よだれかけ」と呼ばれているようですが、日本国内では「ホームベース」と呼ぶ方が多いようですね。色のみならず、集電装置もボックスパンタのままなのが嬉しいです。なお「DB」の表記と、その下のヘッドライト・テールライトの間に横向きの溝がありますが、これは溝より上が車体、下が台枠であるためです。重貨物用機関車だけに、台枠の大きさが尋常ではありませんね。

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2018年12月23日 (日)

◆ドイツ鉄道◆BR101牽引のインターシティ

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 先日のEF81+マヤ50 5001の列車を見て、やはり連想してしまうのが、こちら。ドイツ鉄道のインターシティ(急行列車)です。亜幹線向けのため9両編成と短いですが、写真に撮るには丁度良い長さです。牽引するのはインターシティと言えばおなじみの101形。103形、120形の後継機で、最高速度200km/hの列車はほぼこの機関車が主力ですね。

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同じ区間の逆向きの列車。2枚とも2012年4月30日、オスナブリュック近郊にて撮影。

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ドイツはもとよりヨーロッパはもう6年行っていないので、そろそろ行きたいですね。

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2014年2月 4日 (火)

◆ドイツ鉄道◆143形電気機関車

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■Elektrik Lok BR143 819-1    27-4-2012, Hanau

 一昨年ドイツで目にした143形電気機関車。元東ドイツ国鉄243形で、重量貨物用機関車250形をベースに開発された客貨両用の汎用機関車です。ベルリンの壁崩壊から東西ドイツ統合にかけ、旧東独地域の貨物需要が減少したために旧西独地域へ転用され、現在ではフランクフルト近郊やシュトゥットガルト、ルール地方などでもよく見かけます。もっぱらREやRBの牽引・推進運転の仕業に就いています。

Br14302hanau

この写真を撮る前、偶然にもホームの端っこでカメラを構えるドイツ人と出会ったので色々聞いてみましたが、故障が少なくてとても良い機関車とのこと。私自身、帰国後に実際にデータを調べて裏を取ったわけではないので、聞いたまま情報ですが。また、この機関車の場合、グレーの部分が台枠で、赤い部分がその上に乗っている車体だそうです。日本の機関車に比べて、如何に台枠が分厚いかが分かりますね。

なお件のドイツ人によると、この駅に腕木式信号機があるのは南側のホームだけで、北側にあるS-Bahn用のホームは色灯式にモダナイズされているとのこと。

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2014年1月17日 (金)

◆ドイツ鉄道◆Audi専用列車

 2012年のゴールデンウィークにドイツ北部 を訪れた際、列車を待っている間に様々な貨物列車がやってきました。

Br1854017_audi
■BR185 mit Autotransportwagen   30-4-2012,  Ibbenbüren - Ibbenbüren Esch

ドイツ鉄道の185形電気機関車401号機が牽引してきたのは、自動車専用列車。

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■Laekks553 ? mit Audiautos

貨車にはAudiの新車がずらり。

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日本ではもう車運車は消滅していますので羨ましい限りですが、こうして目の当たりにすると、やはりドイツは鉄道王国であると同時に自動車王国でもあるという事をひしひしと感じます。

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列車の向かう先にはオランダ・アムステルダムがありますが、この貨物列車が国際列車なのかどうかはよく分かりません。185形は、ドイツ国内の交流15kV・16 2/3Hzのみならずオランダ・フランスの直流1.5kVにも対応した交直両用の機関車ですので、もしかしたら?

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2013年7月21日 (日)

ドイツ鉄道Hanau駅でいまだ現役の腕木式信号機

 2012年のゴールデンウィークに訪独した件は既にいくつかの記事で紹介しましたが、Hanau駅構内で興味深いものを見つけましたので紹介します。午後3時頃にフランクフルト空港に到着後、当日の宿泊地であるケルンへ移動するまで時間があったので、S9系統で最後の活躍を続ける420形電車を撮影することにしたのですが、S9系統の終着駅Hanauでは、なんと腕木式信号機が現役でした。

Hanausignal01

ICEが頻繁にやってくる都市部の電化幹線でまだ使用されているとは驚きでした。上の写真には2つの信号機が写っていますが、日本式に表現すると左がG現示、右がR現示です。Y現示の場合は、上下二本とも斜め方向を向きます。

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ICEが通過すると、上の腕木が下りてきて…

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右と同じようにR現示になりました。上の写真は東側の信号機ですが、今度は西側のものも見てみましょう。

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また信号機が2つ並んでいます。まず左の写真ですが、左側がY現示、右側がR現示です。ドイツ鉄道は右側通行なので信号機は線路の右側にあります。したがって、左の信号機は、左側の線路を走行する列車用の信号機です。

本信号(腕木)の下にあるオレンジ色の円盤およびその下のオレンジ色の棒は、一つ先の信号機の現示を現しています。右の写真を見ると、オレンジの円盤が倒れて水平になっているのがわかると思います。円盤が倒れている場合、先の信号機はG現示です。円盤ありで下のオレンジの棒が斜めになっている場合はY現示、円盤アリでオレンジ棒が垂直な場合(左写真が該当)はR現示です。

この機能は、日本でいうと前方予告に相当しますが、JRの色灯式信号機は基本的に前方予告機能は無いのであまり馴染みがないかもしれません。常磐緩行線や山手線、地下鉄各線のATCのように車内信号方式の場合、次の閉塞区間に入る前に目視で信号を確認できないので、前方予告が非常に重要になります。運転台には、速度メーターの外側に次の閉塞区間の現示(というか制限速度)が▼のように表示されるので、これから加速して良いのか惰行が良いのか、ブレーキをかけ始めた方がいいのか、運転士は事前に判断できるわけです。要するに、列車の運行間隔を詰めたい場合は前方予告があった方が都合がよく、列車本数の多い都市部では特に重要な機能ということになります。

なお右の写真では、円盤に隠れていた表示器に「6」が点灯しているのが見えると思いますが、これは発車番線や進路表示ではなく、すぐ先の分岐器の制限速度を現しています。6は制限無しだっと思いますが、うろ覚えです(笑)

Hanausignal13 Hanausignal14

列車が発車すると(左写真)、腕木式信号機と前方予告信号機がそれぞれ動きます(右写真)。

国鉄時代は、ターミナル駅に発着する列車を見ているだけでも楽かったものですが、久々にその頃のことを思い出しました。

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2012年11月26日 (月)

ドイツ・ティッセンクルップ製鉄所の鉄道(7)

 以前紹介した場所から南西におよそ6km、ライン川の土手の散歩道へ行ってみると、かろうじてヤードの端を見られる場所がありました。

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鬱蒼とした森……のように見える緩衝緑地帯を右手に見ながら進むと、

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EH社のコイル輸送貨車が並んでいました。この場所は、この製鉄所で一番大きいヤードの西端に位置し、線路の先にはコイルのストックヤードらしき建物が並んでいます。

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汽笛が聞こえたため5分ほど待っていると、機関車がドイツ鉄道のコイル輸送貨車を推進してやってきました。おそらく中は空で、これから積み込むのでしょう。

Andere04

後ろから押していたのはNr.523でした。G1206と同じBB機ですが、寸法は一回り小さい気がします。運転士はこちらを一瞥しても表情一つ変えずに仕事に集中していましたが、人通りのないこの場所に長居すれば、確実に不審者です。すぐに切り上げました。

Andere05

ティッセンクルップ製鉄所の鉄道は、ほとんどの区間が築堤の上に敷設されているため、これまで6回の連載で紹介した場所意外に見えるポイントはほとんどありません。ただ、以前見えたヤードから2kmほど南東へ向かうと、パイプラインの隙間からかろうじて見えるヤードがあります。このヤードは、ドイツ鉄道のOberhausen West Bf (貨物専用駅)から製鉄所の専用鉄道に入った貨車の多くが最初に到着するヤードです。

並んでいる貨車を見てみると、石灰石輸送用の灰色の密閉型ホッパー車、鉄スクラップ輸送用の無蓋車、石炭輸送用の開放型ホッパー車、コイル輸送用貨車など、原料系から製品系までほぼすべての種類の貨車が揃っています。障害物の関係で全容を紹介できないのが残念ですが、上の写真はヤードの東側半分です。実際には、西側(写真左手)にも同じだけ線路が広がっています。かなり大規模なヤードですが、これでもこの製鉄所のヤードの中では3番目の広さです。1番広いヤードは南端の通用門の奥にあり、残念ながら外から見ることは出来ません。

(完)

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2012年11月24日 (土)

ドイツ・ティッセンクルップ製鉄所の鉄道(6)

 ヤードで見られる貨車シリーズ。冷延コイル の次は、熱延コイルです。

Hc01

別の場所でトピードカーを撮影 して元の場所に戻ると、熱延コイル輸送用の貨車がヤードから出てきました。これから積みに行くのか、荷はありません。

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G1206のNr.607が推進していました。機関車寄りの無蓋車1両は、控車代わりに使用されているようです。

Hc03 Hc04

積むとこのようになります。ドイツ鉄道のロゴをつけていることからも分かるとおり、このままドイツ鉄道の線路を走行して目的地へと運ばれます。日本ではコイルはコンテナに入れて運ぶことが多いので、製鉄所の中にでも入らない限りこういった状態の貨車を見る機会はありませんね。

(つづく)

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2012年11月21日 (水)

ドイツ・ティッセンクルップ製鉄所の鉄道(5)

 今回紹介するのは、より「貨物列車らしい」姿をした編成です。製鉄所の貨車というとどうしても鍋車のような特殊な形のものであったり、平台車のような一般の鉄道好きからすると面白みのない車両が多いのですが、冷延コイル輸送用の防水フード付の貨車だけは例外といえます。

Hccc01

以前の記事で紹介した場所から300~400mほど北に進むと、構内鉄道のヤードと、そこから各工場へ向かって分岐する線路群を俯瞰できる場所があります。この場所では、熱延コイル輸送用貨車、冷延コイル輸送用貨車をはじめ、時には転炉に出入りする鍋車や高炉に出入りするトピードカーを眺められることもあります。その様子は、まさに製鉄所の機関車・貨車の見本市と言っても過言ではありません。

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G1206規格型の80tBB機Nr.528が、防水フード付の冷延コイル輸送用貨車を引き出してきました。内訳は、

  1. Eisenbahn und Häfen社の私有貨車 防水フード付 8両
  2. ドイツ鉄道の無蓋車  引き違い式扉付 8両
  3. ドイツ鉄道の無蓋車  防水フード付   8両

から成る24両編成、なかなか迫力のある編成です。

Cc03

機関車次位以降に連結されたEH社の私有貨車8両は、その全長から1両あたりコイルを5~7個積んでいると思われます。積荷が雨に濡れないよう、開閉可能な防水フードを備えています。以前紹介したくろがね線の貨車のドイツ版といったところです。このタイプの貨車は1990年代後半から製造されています。

台車を見てみると、8両全てが3軸ボギー台車を備えています。上の車両の台車は、ウィング式の軸バネを持ち、3つの軸箱支持装置を2本のリンクで連結した構造のようです。リンクの連結部分には可動域があり3軸での曲線通過にも支障なさそうです。

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2両目以降には、より古風な貨車も見られました。上の2両は、軸バネには重ね板バネが使用されています。右の車両の台車枠の側枠は1枚の板ですが、左のは板状・棒状の複数の部品を組み立て(溶接?)しているようです。台枠より上の構造は1両目と同じです。

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9両目以降の7両は、ドイツ鉄道の無蓋車です。こちらも防水仕様ですが、金属製の引き違い式の屋根(扉)を備えています。国鉄トキ21500形無蓋車のドイツ版といったところでしょう。このタイプは、1970年代後半から1990年代前半までに製造されたグループです。

上の2両は同型車ですが、右はドイツ鉄道の旧ロゴを、左はDB Cargoのロゴをつけています。DB Cargoは、分かりやすく表現するとドイツ鉄道の貨物輸送部門を分社化した事業者です。台車は板台枠です。

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16両目以降の9両は、同じドイツ鉄道の貨車でも台車が2軸ボギーで全長も短くなっています。コイルは3~5個積でしょうか。上の19両目のみ、金属製引き違い式屋根の貨車が連結され、残りは…

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このような防水フード付のタイプです。1990年代後半からはこのタイプに設計変更され、現在も増備が続いています。Railion(ライリオン)は、旧オランダ国鉄の鉄道貨物部門とDB Cargoが合併して誕生した事業者です。台車はウィングバネで近代的な外観です。

Cc10 Cc11

この全長の短いタイプにも、左のように先述のEHの画像2枚目の貨車と似たような仕組みの台車をもつものがありました。右はライリオンのものとほぼ同型ですが、軽量化のために台枠に梁が無くすっきりしています。おそらく新しい貨車なのでしょうね。

なお現在のドイツ鉄道の貨物輸送子会社は、ライリオン社や米国の物流会社Bax Global社を吸収したDB Schenker社に統合されており、DB Schenkerのロゴをつけた貨車も徐々に増えています。DB Schenker社は、2008年現在、DBグループの全売上の58%を占める稼ぎ頭となっています。鉄道事業者が利益を出すには、貨物を運んでナンボのもの、というのがよく分かると思います。

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俯瞰ポイントの陸橋を通り過ぎてヤードに到着した冷延コイル貨車。この先には、ドイツ鉄道との間で貨車をやり取りするための別のヤード(Oberhausen West Bf=オーバーハウゼン西駅)があるので、てっきりそのまま行ってしまうのかと思いましたが、しばらく停車すると、後ろのドイツ鉄道の貨車を切り離し、

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EHの貨車だけを推進して戻ってきました。先頭の貨車のステップに乗っているオレンジ色の制服を着用した人物が運転士です。肩から提げたリモコンで最後尾の機関車を遠隔制御しています。撮影直後に手を振ったら、笑顔で手を振ってくれました(笑) 

余談ですが、欧米の人間は、日本人よりも非言語コミュニケーションを重視します。したがって、正確な単語・文法を用いて通じる会話をしていても、自分の感情を顔の表情や身振り手振りで相手に伝わるように表現しないと、スムーズにこちらの意図を理解してもらえないことが稀にあります。トラブル対応などの場合、特に顕著です。こういった場所では、とにかく、こちらに(産業スパイなどの)後ろめたい意図が無いことは、示しておかなければなりません。

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EHの防水フード突きの貨車は陸橋の反対側にある冷延工場へそのまま押し込まれていきました。どうやらこの貨車は空車だったようですね。

ところで、製鉄所構内輸送という危険が伴う重労働には外国人労働者や移民(ドイツの場合はトルコ系、アラブ系が多い)が重用されているのかと思いましたが、この日に見たどの編成もみな白人が運転していたのは意外でした。製鉄所にはなにかと秘密があるからでしょうか。そういえば、日本の製鉄所でも外国人労働者が作業しているのは見たことがないですね。

(つづく)

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2012年11月13日 (火)

ドイツ・ティッセンクルップ製鉄所の鉄道(4)

 第1回にて、トピードカーによる溶銑輸送を紹介しましたが、溶銑以外に高炉から出てくるものとして忘れてはならないのが、スラグです。スラグは、鉄鉱石に含まれるFe(鉄原子)をC(炭素)によって還元した結果生じ、O(酸素)、P(燐)、S(硫黄)、Si(珪素)をはじめ、高炉に投入されたFeやCa(カルシウム)などを含んでいます。

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■機関車に推進されるスラグ鍋車とトピードカー   27-4-2012

 スラグには、高炉から排出される高炉スラグと、転炉での二次精錬の結果生じる転炉スラグがあります。このようにトピードカーと共に運用されているスラグ鍋車は、高炉スラグを輸送する車両です。

日本の製鉄所でも、以前はこのような編成がよく見られたようですが、現在の高炉では溶銑と高炉スラグはそれぞれ離れた場所にある出口から排出され、異なる線路上に待機している車両に流し込まれるため、トピードカーとスラグ鍋車が同じ編成内に混在することはあまり無いようです。製鉄所によって溶銑輸送の編成が異なるのは、高炉の設計の違いに由来するといえるかもしれません。

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■機関車に牽引され転炉から出てきたスラグ鍋車   27-4-2012

こちらは、左の方にある転炉から出てきたスラグ鍋車ですから、転炉スラグを輸送していることになります。

Slugdc8542_2

機関車は3軸(C形)機のNr.854です。自重60tクラスと思われます。このタイプは、4軸機とは異なり、ドイツ鉄道を走行する私有機関車にも同型機は無いはずです。製鉄所ならではの機関車ですね。

(つづく)

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