カテゴリー「▼B.日立のスイッチャー」の69件の記事

2020年7月 4日 (土)

★江別の保存スイッチャー★北海道電力専用鉄道 日立25tC

 函館本線江別駅から分岐していた北海道電力専用鉄道(専用側線ではない)で、駅と江別石炭火力発電所の間2.4kmの貨車入換に使用されていたスイッチャーが、廃線跡に整備された公園に保存されています。

大きなヘッドライトも現役時代のままで良い雰囲気です。窓ガラスはすべて外れていますが、訪問した際は塗装変更の直後だったらしく、とても綺麗でした。1962年日立製作所製の25t機で、車軸配置はC、製造番号12554。製造番号12553の同型機と共に日本通運に新製配置(日通No.1~2)され、当地で1991年の専用鉄道廃止まで活躍しました。

液体変速機からの動力は中央の動輪に伝達し、中央が回転することによりロッドで連結された前後の動輪に動力が伝達します。カウンターウェイトが車輪に収められたタイプの機関車ですが、中央の動輪だけは前後よりウェイトが大きいですね。変速機と動輪双方から力のかかる部分ですから、有限要素法的に考えても他の動輪よりカウンターウェイトを大きくしないと安定しないのでしょう。

エンジンは振興造機DMH17C(180ps/1500rpm)、液体変速機は振興TC-2です。1960年代は、まだ日立でもロッド駆動の3軸機が年間何両も製作されていた時代です。

石炭輸送には、セキ8000形が使用されていました。セキ8026が1両保存されています。

北海道の保存車両は、冬期には建屋内にしまうか屋外でもカバーをかけて大切に保管されているものが多く(雪で腐食の進行が早いため)、見られないとは思いましたが、ダメ元で2012年冬に訪問してみると、このような状態でした。どうりで痛みが少ないわけですね。最近は、公園内にスターバックスの大型店舗が開店し、窓際の席でコーヒーを飲みながらスイッチャーを眺めることもできるようです。

特記を除き、2019年9月撮影。

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 当記事掲載の写真は、特記の無い限りすべて公道(もしくは社会通念上立入りの許される区域)から撮影したものです。無断で私有地・社有地等へ立ち入ることは絶対におやめください。

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2020年7月 3日 (金)

★三越★本社前のスイッチャー

 富山県富山市内にある三越(サンエツ)本社・富山工場前には、かつて県内の専用線に貸し出していた日立製の25tスイッチャーが保存されています。三越の工場は高岡(能町)と入善にもありますが、スイッチャーの検査を行っているのは富山工場の方で、2019年には南延岡の旭化成専用側線の35tB-BスイッチャーD35-1が、宮崎県からはるばる富山工場までトレーラー輸送されてきて、8月に全般検査を受けています。

雪山をバックに佇むSNEロゴのスイッチャー。1970年製、製造番号13116。丸屋根でボンネット先端ラジエーターカバーが折妻の、標準的なタイプです。日立製の20~25tスイッチャーには、エンジンに新潟鉄工所または振興造機製のDMH17Cを使用したタイプと、米国カミンズ社製NH-220BIを使用したタイプがあります。妻面が折妻であることから、DHM17C(180ps/1500rpm)であることが分かります。切妻の場合はNH-220BI(212ps/2100rpm)です。渡辺台帳によると、黒部駅から北側に分岐していた日本鉱業三日市精錬所へ至る専用側線の入換用として新製配置され、後に三越へ譲渡された機関車ということになります。2016年撮影。

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2020年6月25日 (木)

【くろがね線を読み解く】第300回記念■ダブルK地区の高炉休止迫る

 5年前の連載200回記念記事で言及した、2020年度末のK製鉄所(旧Y製鉄所)K地区高炉休止が、いよいよ迫っている。当初案で年度末(2021年3月)だった休止計画も、世界市場での鉄鋼製品の需給バランスや、新型コロナウィルス感染拡大による経済的ダメージの影響により変更を余儀なくされ、前倒しで来月2020年7月に休止することが、既に発表されている。

K地区で製銑・製鋼(および連鋳)工程が止まっても、後工程の圧延工程は残るため、岩壁への製品移送に鉄道を使用し続けるのであれば、機関車がすべて無くなるとは考えにくい。が、多くの機関車が運用を失うことは避けられないだろう。老朽機関車はそのまま廃車、一部の新型や機関換装済み機関車については、他地区への転用も想定される。上のD306・D307を含め、かつて旧住金時代のクリーム色+マルーン塗装であった機関車も、ほとんど(おそらく廃車が確定しているもの以外すべて)が、既にY製鉄所標準塗装に変更済みである。

(この場所については、以前の記事の注意点を参照のこと)

高炉休止が決定しているのは、K製鉄所K地区だけではない。S製鉄所K地区も二基ある高炉のうちの最後の一基、第一高炉を2021年9月末をめどに休止する予定である。第二高炉は2020年2月15日をもって、既に休止している。

K製鉄所は、元々ステンレス鋼を主体とする特殊鋼の生産拠点であったが、同業他社のN金属工業との合併を経てN社の連結子会社となり、2020年4月の製鉄所統廃合でS製鉄所K地区になった経緯がある。2019年夏の台風15号の猛威により、二つある製鋼工場のうちの一つが損傷し、復旧におよそ10か月を要するとの報道があったが、K製鉄所K地区同様、世界的な情勢変化により、復旧を待たずに製銑工程が休止することになる。機関車2両(写真はDB403・DB406)が並ぶ光景も、いよいよ見納めとなるのだろうか。

(撮影場所は、社有の駐車場ではありません。ご注意を)

二つのK地区の高炉休止後の構内鉄道の動向については、今後も注意が必要である。

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2020年1月28日 (火)

【くろがね線を読み解く】第298回■住金小倉D506のルーツを巡る議論に終止符を打つ

 今回は、Y製鉄所小倉地区(元 鉄鋼メーカーS金属工業小倉)のディーゼル機関車D506について、言及してみたい。以前の記事では、D506は、平成筑豊鉄道伊田線金田駅から分岐していた三井鉱山専用鉄道(金田-田川市見立間 粁程5.2km)の機関車で、日立製50tB-B機の丸屋根タイプ2両(No.2とNo.3)のうちのいずれかであると述べた。しかしこの2両、外観上以下の相違点があり容易に識別することができたのである。

  • No.2 ・・・ 前部標識灯(ヘッドライト)がボンネット上部に突き出ており、台枠上に伸びた握り棒は逆U字型
  • No.3 ・・・ 前部標識灯(ヘッドライト)はボンネット上辺より下に付いており、台枠上に伸びた握り棒はI字型

D506を見てみると、以前の記事で分かる通りNo.3の特徴を有していることがわかる。渡辺肇著「日本製機関車製造銘板 番号集成(以下、渡辺台帳とする)」を見ても、三井鉱山ないし三井と名の付く納入先へ納品された日立製50t機関車で、1機関搭載かつ丸屋根世代なのは、製造番号12857(No.2)と13079(No.3)の2両しかない。したがって、住金小倉D506は、三井鉱山専用鉄道(金見鉄道)No.3であると結論付けられる。

実車の比較については、岩堀春夫氏のこちらのブログ記事にNo.2とNo.3が両方掲載されているので参照いただきたい。

 これまで、ある資料の重大なミスが趣味者の議論にたびたび混乱を招いていた。その資料とは、沖田祐作編「機関車表 フルコンプリート版」である。「福岡県専用線編」のpp12871-12872に、SRCの武藤直樹氏が撮影された三井鉱山専用鉄道No.2、No.3とされる写真が掲載されているのだが、No.3の写真は実際にはNo.3ではなくNo.2の写真であり、全く同じ写真が二重掲載されているのである。推測になるが、おそらく撮影者起因ではなく編集側のミスによるものであろう。渡辺台帳によると、もともとNo.2とNo.3はどちらも同じ日立製作所製の50tB-B機関車であり、寸法も屋根形状も同一である。このため機関車表 フルコンプリート版は、車体に記された番号以外では外観から識別することができないかのような誤解を与える資料になってしまっている。が、実際には外観で識別が可能であった。

厳密には、ヘッドライトのように着脱可能なパーツを個体識別の手掛かりにするのは好ましくなく、車体や台車の振替を経てもなお不変の部位に着目すべきである。そういう意味では、キーになるのは台枠上の握り棒である。握り棒は台枠に直接溶接されているので、振替で変わることはないし、作業のし易さや安全への配慮から増設することはあっても、わざわざ形状の異なるものに交換することはまずないため、重要な手掛かりとなる。D506の握り棒は、リンク先の記事の写真の通り、紛れもなくI字型である。これで、安心して眠ることできる趣味者が一人でも増えれば幸いである。

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2019年10月29日 (火)

◆水島臨海鉄道◆2019鉄道の日記念フェスタ(入換編)

 10月の鉄道の日に合わせ、水島臨海鉄道では鉄道の日記念フェスタが毎年開催されています。2019年は10月27日日曜日の開催でした。今年の目玉は、かつてJR東日本久留里線で運行していた譲渡車のキハ37,38、30で4両編成を組み、普段は旅客列車の走行しない港東線を二往復する企画と、その終了後、倉敷タ構内でキハ205を連結した5両編成を往復運行(撮影&乗車)する企画です。が、それは後日記事にまとめることにして、今回はイベントの後に行われた入換作業を紹介します。

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2019年のイベントの主役は気動車のため、ディーゼル機関車については撮影会なども特に行われませんでしたが、イベント終了後に外から見ることができました。左がDD50形DD506、右がDE70形DE701です。DE70はJR無線やATS-SFを搭載しており、岡山貨物(西岡山駅)まで直通することができます。左のDD50は東水島-倉敷タ間の社線内区間貨物列車に充当されています。貨物時刻表の水島臨海鉄道のページには、西岡山-東水島間と、西岡山-倉敷タ間のそれぞれに直通貨物列車が運行されているように記載されていますが、実在するのは前者のみで、後者は年中運休です。その代わりに、倉敷タの荷を拾うためのDD50牽引の列車が設定されています。

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DE701とDD506を別の角度から。

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イベントが終わり15時を過ぎると、明らかにDLのものと思われる汽笛の音が聞こえ、振り向くとDE701が煙を上げてこちらに向かってきました。イベント終了後の入換はてっきり気動車自走によるものと思っていたので、これは嬉しい誤算でした。

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DE701は単機で展示場所のコンテナホーム付近まで向かうと、気動車5両編成を牽引して引上線へ。

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ポイントを切り替え、今度は推進で車両基地へ。先頭のキハ205が渡り線の分岐側に入り一見4両編成のように見えます。

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5両の中央に挟まれたキハ37が1両だけ水島臨海カラーでしたので、渡り線に乗ったタイミングに合わせて手前の車両で隠し、国鉄色DL+国鉄色DCの編成を装う試み。

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正体はこちらです。あとは、気動車を切り離して入換は終了。三菱自工前駅まで歩き、定期列車に乗って帰路につきました。むかしは、日中に水島-三菱自工前間が運転されない時間帯がありましたが、2019年現在では40分に1本くらいの頻度で運行されているので、鉄道利用者にはありがたいです。

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2019年9月22日 (日)

★高岡・伏木の遊休スイッチャー★協三25t、日立35t、日車35t

 初回の伏木ヤードまつり開催からもう9年が経ちます。主催者側の負荷が大きくなかなか第3回の開催は難しいようですが、あの当時展示されていたスイッチャーはいずれも再就職先が見つかり、日本各地で元気に活躍しています。いっぽう、イベントはありませんが全国で余剰になったスイッチャーが買い取られ、整備・売却目的で一時的に伏木ヤード跡に留置されることがあり、その陣容も時々変わるので、目の離せない場所になっています。これまで何度か訪ねていますが、そのたびに車両の配置が変わっているので時々入換をしているのだとは思うのですが、なかなかそんな場面に遭遇したことはありません。ただ、移動することによって障害物(柱や草木)の無い場所に来てくれると綺麗に撮れることもありますね。こればかりは運次第ですが。

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 2018年春に高岡貨物駅を訪ねた際、徒歩20分ほどで伏木へ移動すると、運よくスイッチャーを綺麗に見ることができました。本記事の写真はいずれも敷地外から望遠で撮影。まずこちらの水色の2軸機は、FRCのロゴの通り富士臨海(富士石油の物流子会社)から来たもので、キャブ側面にある銘板を望遠で読み取ると1983年1月協三工業製、製造番号はA25118です。協三工業の製造番号が5ケタないしA+5ケタの機関車は、先頭数字2ケタが自重、残り3ケタがシーケンシャルナンバーですので、自重は25tですね。京葉臨海鉄道北袖駅分岐の富士石油専用側線で袖ケ浦製油所の構内荷役入換に使用されていたもので、敷地外には出てこない撮影困難なスイッチャーでした。しかし2017年上半期に同所へ北陸重機工業製の新型DB25-0122が導入されたため、用途不要となり伏木にやってきました。軸重は12.5t、牽引力がありますから、再就職先が見つかるといいですね。なお新型のDB25-0122は、中国日立物流D25-1(下松)や日通米子No.18(伯耆大山)と似たスタイルの、キャブ前面・背面各々2枚窓・側面乗降扉タイプの2軸機ですが、キャブ前面に傾斜が付いていない点が特徴です(→写真は2019年9月現在、まだこちらのホームページで確認できます)。

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次にこちらの泡緑色のは、しなの鉄道坂城駅のJX日鉱日石(旧新日石)専用側線にいたスイッチャーです。35mm判換算1,000mmの望遠で窓ガラス越しにキャブ内前面窓上の銘板を見てみると、1974年1月協三工業製で、製造番号25848と読み取ることができました。25始まりですから自重25tですね。こちらも新型機が2両導入されたため用途を失いましたが、元々予備機で稼働頻度は低かったですね。買取に伴い、キャブ側面の石油会社のロゴが消されたほか、非公式側前部のステップ裏側にあった防爆のためのスパークアレスタが撤去されています。

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上写真の前位側車輪のすぐ後ろに、元々はスパークアレスタが下のように付いていましたが、もう無いのが分かると思います。

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坂城時代は、長いあいだ屋外留置されていましたが、定期的に塗り直されていて綺麗な状態を保っていました。

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上が坂城時代です。伏木に来てからだいぶ色褪せているのが分かりますね。

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こちらは元 秋田臨海鉄道のDD351で、末期は車籍を抹消され南港線終点向浜駅分岐の日本大昭和板紙専用側線で秋田工場の構内入換に使用されていました。秋田臨海鉄道の資産でしたが、本線上に日常的に外に出てくることはほとんどありませんでした。1971年3月日立製作所製35t機で、製造番号は13192です。

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およそ10年前に奥の踏切で撮ったことがあります。製品倉庫に向かう線路は3本ありました。これは北端の線路の先にある倉庫からコンテナ車を引き出すシーン。

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同じ踏切から逆を向くと、木材チップの山をバックに別の製品倉庫に向かうDD351が見えました。いかにも製紙工場という光景ですね。

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秋田や青森では、ゴールデンウィークが桜満開シーズンです。

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■秋田港駅構内に留置中のスイッチャー。左が203、右がDD351。背後は住友大阪セメント秋田港SS、2013年6月7日。

2011年、三菱化学四日市事業所で入換に使用されていたTRANCYのスイッチャーが転入してくると、用途不要となり、2軸の協三工業製20t機(機械番号06-28-01-203)と共に秋田港駅に数年間留置されていました。2軸の203は王子製紙専用側線(春日井)に転じたのに対し、日立4軸のDD351はまだ伏木で買い手を待っています。

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高岡貨物駅では、かつての入換の主力機であった日車35t機D352が北端に放置されています。自力で動いている様子はないので遊休スイッチャーに分類させていただきました。

なお高岡貨物駅における2019年9月現在の入換の主力は、JR貨物の山吹色の入換動車303号で、同型の朱色の305号が予備機です。また荻布倉庫の入換機も高岡貨物同様に2両いて、外から見える動車庫の中にいる協三工業製が常時使用の主力機、その奥に続く線路の先にもう1つ動車庫があり(社有地内のため外からは見えません)、その中にいる同型が予備機です。いずれも、あくまでも予備であり遊休ではないため、本記事では対象外としました。荻布倉庫の予備機は、10~11年ほど前に現在の主力機が来る前、まだ日車15t機が予備機だった頃の主力機ですので、ご記憶の方も多いのではないでしょうか。日車15tは以前仕事で訪ねた際に見せてもらいました。当時の従業員の方々はもう全員退職していますし、時効ということで(笑)

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2019年7月15日 (月)

【くろがね線を読み解く】第290回 ■小倉地区の岸壁半製品水切り入換

 2019年7月にクモヤ443・442による架線検測を見物しに九州北部を訪ねた際、Y製鐵所小倉地区にて、水切りした半製品を構内の工場へ運ぶための入換を見ることができた(「水切り」とは、船で運んできた荷物を陸に揚げることを指す。水揚げとも言う)。

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小倉駅前でレンタサイクルを借り、東小倉-小倉間と西小倉-南小倉間でクモヤ443・442架線検測列車を撮影後、そのまま例の岸壁へ行ってみると、ちょうど機関車が接岸中の船に近付いていく場面に遭遇した。船はN社の物流子会社が運行管理しているF丸で、2014年に愛媛県今治市の矢野造船で建造された内航貨物船である。今治と言えばみかんとタオルと提灯で有名だが、産業的にはまず造船である。

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機関車はD308、日立製作所製の35トンB-B機である。以前エスケイケイ物流塗装時代を紹介したが、他の機関車同様Y製鐵所標準塗装に変更されている。空車の長物車を構内から持ってきて岸壁の一番手前、船のすぐ横の線路に押し込んだ。

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いつも見ている引上線の岸壁は、ここ数年草刈りをしていないのか足元が見えなくなっているが、岸壁はアスファルト舗装のため草が無く台車の形までよく見える。機関車は長物車を切り離して単機で奥に行くと、スイッチバックして内陸側の線路へ再び入ってきた。

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船の横に並ぶように入線、貨車連結のためなのか、しばし小休止。

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今度は荷を積んだ長物車を引き出して構内へ向かっていった。

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積んでいる荷はブルーム(圧延されて棒鋼に加工される前の半製品)である。小倉地区では、溶銑・スラグ・半製品輸送は鉄道だが、棒鋼線材などの最終製品は、既にキャリアパレットカー等による無軌条輸送に置き換えられており、貨車のバリエーションは戸畑・八幡地区ほど多くはない。ただし機関車も貨車も全体的に古いものが現役で残っていることがあるので、要注意である。この長物車はステップを手すり付きのものに改造したのだろうか。塗装がその部分だけ綺麗である。台車はマクラバネがコイルで軸受もコロ軸受を採用しており、随分と重厚な造りである。台車枠に穴が4か所空いていることから察するに、注入台車に使用されていた台車から遮熱板を外して転用した可能性も考えられる。戸畑・八幡地区では実際にそのような事例がある。(→こちらの記事を参照のこと

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数十分後に船が出港し、前回機関車が入換にやってきてからおよそ1時間後、同じD308が再度単機でやってきた。別の機関車が来るのではと期待して待ってみたが、同じものが来た。船で運んできた半製品の水切りは、船から貨車へ直接積むのではなく、クレーンで一旦岸壁に積み上げる。それを貨車に積んで構内へ持っていくのは別のタイミングである。機関車は、空車の貨車を連れてきて、荷を積んだ貨車を連れて行くという作業を繰り返す。岸壁のクレーンが、次に機関車が来るまでに半製品を貨車に積んでいく。

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船がいなくなり、積み上げられたブルームが見える。貨車に積んだブルームはD308が構内へ持っていった。

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2019年7月 1日 (月)

【くろがね線を読み解く】第288回 ■小倉地区の機関車検修庫入場入換(D108)

 来年度をもって高炉の火が消えるY製鐵所小倉地区。弊ブログではそのニュースの報じられた2015年より、小倉地区のプライオリティを上げてウォッチしてきた。戸畑地区や八幡地区にはない、小倉地区の魅力は、小型機の存在である。2017年10月末日をもって同様に高炉の火が消えた神戸製鉄所がそうであったように、高炉廃止後に下工程が維持され鉄道輸送が全廃されなかったとしても、残る機関車は大抵の場合、4軸の自重35t~50tクラスの中型・大型機で、小型機が残ることはあまりない。なぜなら、一貫製鉄所における小型機は、高炉や転炉から排出されたスラグの冷却・破砕場所への場内移送や、鋳銑機で固められたインゴットの保管場所までの移送など、構内物流の中でもどちらかというと傍流の役割を担っており、高炉・転炉が無くなれば用途不要になることが多いからである。したがって、高炉の火が消える前に記録すべきは、小型機である。

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2019年2月に所用で福岡へ行った際、午前中時間があったので、筑豊本線でマヤ検撮影のあと、1時間だけ小倉に寄ってみることにした。

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この日は、外から見える場所に小型機のD108(左)とD107(右)が留置されていた。D108は日立、D107は日本輸送機の製造した機関車で、既に過去記事で紹介している。

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この日は平日であったが、13時を過ぎるとD108がおもむろに動き出し、

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奥にある車両整備工場の方へ向かっていった。進行方向に1両、控車のように無蓋車を連結している。整備工場前の屋外には、日立製の2軸ボギー機関車(2エンジン機で台形屋根、かつ八幡標準塗装化されているので、D306または307のいずれか)が留置されていた。

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運転士が降りてリモコンで小型機を動かし、留置機関車に連結する。

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そのまま整備工場へ押し込んでいった。

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奥まで押し込むと

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切り離して小型機+無蓋車のみ表に出てきた。無蓋車もくろがね線のテテに匹敵する古典貨車のように見える。このあとは、スイッチバックして以前と同じように岸壁を掠めて高炉の方へ向かっていった。こういった入換はいつ実施されるか全く予測できないが、高炉が無くなる前にもう一回くらいは別の機関車の入換も見てみたいものである。

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2019年2月16日 (土)

★S社のスイッチャー★北陸重機重連No.15の小変化と異種重連

 四日市の近鉄塩浜駅近くにある石油元売会社S社の製油所には、JR貨物塩浜駅から専用側線が引き込まれており、石油製品が貨車で発送されています。専用側線内の車両入換は、日通が所有するスイッチャーによって行われます。

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 2018年末仕事納めのあと、青春18きっぷで東海道を下り、四日市に一泊してスイッチャーを撮ってきました。2017年から2018年にかけて、改造のため近鉄塩浜検修車庫に入場していた北陸重機工業製のスイッチャーNo.14が出場し、No.15と再び重連を組んで運用を始めたので、遅まきながら訪ねたというわけです。塩浜駅では、上写真手前の製油所側先頭がNo.14(2018年出場)、駅側がNo.15(2017年出場)の順になります。

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塩浜駅を出発し製油所へ向かう石油貨車(空車)編成。ここではDD51重連との並びがお馴染みの光景でしたが、JR貨物の本線貨物列車もDF200牽引のものが増えてきました。DF200は、北海道の石油輸送全廃で余剰となり、川重兵庫で軽軸重化改造のうえ200番台に区分され愛知機関区所属になった車両が充当されています。

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製油所から石油を積載した貨車を引き出す際に先頭になるのが、上写真手前のNo.15です。

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2018年末の四日市訪問の収穫は、二つあります。一つ目が上写真。右奥をよく見ると、東急電鉄から養老鉄道へ譲渡された元東急7700系電車が庫から顔を出しているのが見えるでしょうか。この時の7700系はちょうど、塩浜検修車庫での養老鉄道向け改造工事を終え、近畿車輌製の標準軌用仮台車を履いて、牽引用電車モトを連結し待機している状態でした。スイッチャーとのツーショットは貴重です。

養老鉄道への発送(塩浜→桑名)は2019年1月4日深夜に実施されています。今後も、全般検査などで7700系が塩浜検修車庫まで来ることがあれば、また近鉄モト+東急電車の走行シーンが見られるのでしょうか。

●2018年出場のNo.14と、実は小変化したNo.15

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 2018年に出場したNo.14は、2017年出場のNo.15と外観上の大きな差異はありません。LEDライト装備は入場前からですので、ボディの緑色部分が泡緑色に変わったくらいです。強いて変更点をあげれば、煙突の先端が延長されて直角に曲がった向きが、No.15とは逆であることくらいです。

……と、言いたいところですが、実はなんと2018年に出場したのとは異なる方、すなわち2017年出場のNo.15にも、小変化があったのです。この記事の3枚目の写真をよく観察すると、分かるかもしれません。これが二つ目の収穫ですね。

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いきなり答えになりますが、No.15の直角に曲がった煙突の先には、煙を拡散せず特定の方向に流すための板が取り付けられていたのです。この板は、2017年にNo.15が出場した際には存在しなかったので、出場後に取り付けられたものですね。

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反対側から見るともっと分かりやすいでしょうか。どこかのDIYショップにでも売ってそうな金具で取り付けてありますね(笑) No.14の方にはまだ付いていないので、今後どうなるか興味深いです。

●No.14不在時の、日立製作所製スイッチャーとの異種重連運用

 2017年には、No.14不在時にNo.15と日立製作所製No.11による異種メーカー製スイッチャー重連運用が見られました。

北陸重機重連の場合、BP・MRPなどブレーキ管の引き通し以外に、エンジン制御系のジャンパ連結器も接続しているため、重連総括制御が可能で、実際にしています。この記事の写真2枚目、4枚目を見ると分かるのですが、駅に向かう際も製油所に向かう際も、運転士がキャブの中に乗っているのは駅寄りのスイッチャーだけで、製油所寄りのスイッチャーのキャブの中は無人です。でもエンジン音はしますし煙もはくので、重連総括運転をしていますね。

これに対し、異種重連の場合はどうでしょう。

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日立と北陸重機の重連時は、両方のスイッチャーに運転士が乗っているのが分かります。異なる角度からの写真も見てみましょう。

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日立のキャブにも1人、

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後ろの北陸重機のキャブの中にも1人いますね。それでは、気になる連結部を見てみましょう。

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この通り、BPの引き通しのみで、MR管や制御系のケーブルは一切接続されていません。つまり重連総括制御が構造上できないため、運転士2人により協調運転をしているわけです。連結した貨車を含めた貫通ブレーキ(自動空気ブレーキ)だけは、一方の機関車から一律で制御できますが(SL+DLの重連と同じ)、MR管の接続がないので重連機関車のみの単独ブレーキが総括制御できず、少し使い勝手が悪くなりそうですね。

日立のNo.11の運転台にはブレーキ弁は1個しかないのですが、たしかブレーキ弁の下の方にレバーがあり、ブレーキホースへの空気の経路を絶ち単独ブレーキとしても使用できるようになっていたと思います(若干、記憶が曖昧ですが)。日立同士の重連ならば、機関車だけの単独ブレーキとして使えると思いますが、異種重連の場合はこのレバーは無意味な装備となりそうです。

Hitachi25tb_incab

レバーってどんなもの?という興味のある方のために、日立製スイッチャー(某保存車)のキャブの中を見てみましょう。上の金色がブレーキ弁で、下の白いレバーが今は閉塞状態で単独ブレーキ、時計回りに90度回し開放で貫通ブレーキ(自動空気ブレーキ)です。

他所の専用鉄道では、レバーを開放し自動ブレーキ弁として使用している例もありますので、こちらの記事などで確認してみてください。

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2019年1月27日 (日)

【くろがね線を読み解く】第282回 ■4番扉前からの遠望

 運河の対岸から僅かに見えるY製鐵所小倉地区であるが、接岸している船舶がおらず、対岸に障害物が置かれていない場合に限り、編成を正面寄りから撮れる場所がある。知る人ぞ知る、4番扉の前である。

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私が見に行った日は、D506がビレット積載貨車1両を推進して、横持用ストックヤードへやってきた。

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長編成だと、最後尾の機関車が見える前に先頭の貨車が柱の陰に隠れてしまうため、貨車1両でないと収まらない。

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貨車を切り離し、単機で戻るD506。

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普段の場所へ追いかけて移動して見ると、このようなアングルとなる。日立製機関車D506とD503の違いについては、以前紹介したが、同じアングルで比較されたい。

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