2018年2月23日、大牟田駅構内で三井化学専用鉄道との間で貨車の授受を行うために使用されていた入換用機関車が、それまでのDE10形ディーゼル機関車からHD300形ハイブリッド機関車にリプレイスされました。大牟田駅に配置されたのは2018年1月に製造された27号機で、所属先の岡山機関区から1月28日の2075列車で北九州貨物ターミナルまで無動力回送されたのち、1月29日に1151列車の次位無動力回送で鳥栖貨物ターミナルに送り込まれ数週間にわたる運転習熟を経て、2月22日の1151列車の次位無動力回送で大牟田入りしました。

4月1日、大牟田の鉄道ウォッチャーとして著名なUTXC様と共に、HD300形の入換を撮影してきました。まずは大牟田駅に入場する1151列車から。牽引機はED76形1017号機でした。ED76形1000番台も、運転台横の窓が桜島降灰対策のためにユニットサッシ化された最終増備車しか現存しないので貴重ですね。

吊掛け音を唸らせながら、HD300-27が熊本寄りに引き上げ、スイッチバックして駅構内の側線へやってきました。

仮屋川操車場側に連結し、出発準備完了。このまま出発信号機近くの入換信号機の方へ移動し停車します。発車は9時過ぎなので、その間に移動します。

大牟田-仮屋川操車場間で、三井化学専用鉄道へ受け渡す貨車を牽引するHD300-27。反射板を機関車の独特な位置に取り付ける習慣は、DE10の時代と変わりませんね。たぶん同じ人が仕事をしているのでしょう。

仮屋川操車場に移動すると、上りの1152列車に継送する貨車(奥の編成)もすでに停まっていました。この貨車は朝の8時過ぎに宮浦から仮屋川操車場へやってきます。液化塩素輸送用タンクコンテナを積んだコンテナ車が2両連結されていますが、よく見るとコンテナの外枠が1両目は黄緑色なのに対して2両目は青色ですね。青色のものは、通常は北九州貨物ターミナル-南延岡間のみで使用されており、大牟田に鉄道輸送されてくることはめったにありません。何かあったのでしょうか。

貨車を切り離したHD300-27がやってきます。

ボンネットの長い側には、主変換装置や蓄電池が搭載されています。通常、液体式ディーゼル機関車はエンジンのある側が前位側(1エンド側)ですが、電気式ディーゼル機関車では主制御器のある方が前位側ですので、こちらが前位側になります。

こちらの短いボンネット内にエンジンが搭載されており、こちらが後位側(2エンド側)になります。

ほどなく、宮浦から三井化学専用鉄道の電気機関車が単機で貨車を迎えに来ました。この日は18号機でした。おさらいですが、三井化学専用鉄道は直流600Vで電化されているのに対して、JR鹿児島本線は交流20kV 60Hzで電化されています。このため、両者の線路を連絡する部分は非電化となり、貨車の授受にディーゼル機関車やハイブリッド機関車が必要になるわけです。

JRのハイブリッド機関車と三井化学の電気機関車が数分間だけ並びます。

時代の最先端をいくハイブリッド機関車と、戦前製の電気機関車。その対比が面白いです。

三井化学専用鉄道の方が先に発車し、

仮屋川には1152列車への継送編成が残されます。

機関車の紅白に貨車の黄色・緑・青・赤茶色が並びカラフルです。

仮屋川から大牟田への入換は10時過ぎでした。

青枠の液化塩素タンクコンテナは、通常コキ100系に積載されていますので、コキ200に載っていると大変違和感があります。

ED76とHD300の並びを撮ろうとしたら、偶然視界に桜の木が入ったので、一緒に並べて。

黄緑色の国鉄型コンテナとHD300の並びも違和感が拭えませんね。

配置は1両ですが、DE10の時と同じで、27号機が検査などの際は別のHD300が代わりにやってくるのでしょう。岡山機関区のHD300は、直近に増備された28号機が今のところ予備です。

液化塩素タンクコンテナを積載した2両を見比べてみると、黄緑を積んだコキより、青を積んだコキの方が台枠の高さが低いのが分かります。通常、液化塩素は南延岡の旭化成で積み込まれたものが大牟田の三井化学で荷卸しされ、返却は空になります。ですので、台枠の高さが低いということは、青い方は荷を積んだまま北九州タへ返却されるということになります。間違えて積んだのでしょうか。理由はよく分かりません。

1152列車、出発準備完了。ここでUTXC様とお別れし、午前中最後の上り快速で北九州方面へ向かいました。この日は、黒崎発のレール輸送用臨時工事列車が午後運転されることを前日の偵察で把握していたためです。

撮影場所へ着くと、1152列車が数分遅れて通過していきました。折尾駅付近の線路付け替えのため、下り列車に加えて上り列車も撮影可能になりました。桜と絡めて撮ったは良いものの、

遅れた1152列車などお構いなしに、下りの臨時工事列車は黒崎を定刻14:35に発車してやってきました。

そして見事な被り。九州の特徴的な2列車が偶然この場所ですれ違うのはなかなか見られないので、これはこれでレア!?

本来のダイヤでは1152列車が通過した5分後くらいにこいつがやってくるのですが。ちなみに荷は以下の通りでした。
- 50N 50mレール × 24本 (荒木行)
- 60K 25mレール × 2本 (鳥栖行)
積付検査は3月30日に実施されていました。
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